第31話 衝突
高校1年生、15歳の天音雫です!
何かと至らない点があると思いますがが読んでいただけると嬉しいです!
天井からは無数の御札が、釣り下がっている。
あちこちでアメーバのように黒靄が蠢く。
襖を開けた先に繋がっていたのは一階の大広間のような、場所。
広く開けられたスペースの横、襖がたくさんある。
恐らく襖の数だけ、部屋があるのだろう。
「あら、存外早かったですわね」
階段で繋がっている、城の二階。
「でも、2人は置き去りにしてきたのですね」
黒い靄の、空っぽの檻がある。
「たった2人で私達を倒すつもりだったのかしら」
妖艶な笑みを浮かべて肩にかかつった髪を払う。
「それとも輝留がここにいないことを知っていたのかしら?」
「ーーーーおい、そんな話しかけてやんなよ、疲れるだろ」
檻から離れた場所で。
「こいつらだってあんな罠にかかれば疲れてるだろ。追い打ちかけんな」
黒い縄のようなものでガチガチに拘束され、宙に浮かんでいる雅が。
周りは黒靄の瘴気よようなものが漂い、雅の足元には一滴、また一滴とどこから流れているか分からない血の涙が血溜まりを作っている。
「雅、さん……」
思わず無意味に名前を読んでしまう。
横に立つ桜もその光景の禍々しさに立ち竦んでいた。
「折角逃がしてやったのにまた来たのかよ。
………馬鹿だな」
平然そうな雅。
その口調はキツイけど。
「罠から抜け出せたならそのまま帰りゃあ、良かっただろ」
その顔が、一瞬、歪んでいた。
葵はそれを見逃さなかった。
「おしゃべりはもう良いかしら?
妾も暇ではありません故」
その双眸に暴力的な冷たさが宿る。
「早々に処理させていただきますわ。
ーーーー闇売処の名にかけて」
2階にいた乙葉がひらりと美しく、蝶の如く舞い降りる。
内面とやろうとしていることを考えれば蝶というよりは猛毒を持った蛾だが。
葵達がいる、1階に舞い降りる。
良く言えば何か踊ったり、楽しげな会話をするために。
悪くいえば命の奪い合いをするために。
広く開けられたスペースへと、足音一つ立てずに着地する。
暴力的な黒靄の鞭が飛ぶ。
「葵オネーさん避けて!」
「お、おけ!」
足元に風を展開、宙へと逃げた葵。
そして別の場所へと即座に着地、次なる攻撃で飛んできた黒靄の鞭を横にかわす。
その隙に、葵の真下では桜が、桜の木を出現。
「葵オネーさんは、雅のこと助けたげて!」
「りょ、うおぁっ!りよーかい!」
桜のおかげで本数が減った黒靄の鞭をなんとかかんとか避けながら階段へと向かう。
葵の周りを桜の花吹雪が包み込み、迫り来る黒鞭を全て浄化する。
「雅さん!!」
足を、もつれさせながら階段を必死に駆け上る。
これだけ必死で階段を登ることになるのは恐らくこれが最初で最後だろう。
命を削る勢いでようやく、2階へと辿り着く。
足が震え、よろけて転びかける。
が、持ち前の受け身で衝撃をおさえ、素早く雅のいる場所へと走る。
階下では桜が乙葉を足止めしてくれている。
その隙に。
「おいおい、マジで助けにきやがったな……」
呆れ半分の顔で見つめられ、葵は何も言えなくなった。
ガチガチに縛られ、口の端から血を滴らせる雅の姿は痛々しかった。
返事の代わりに風の刃で黒靄を断ち切ろうとする。
駄目だ。切れない。威力が足りない。
「っ…、もう一回ーーーー」
再び更に純度の高い風刃を繰り出そうとした。
直後、
「葵オネーさんッ!!伏せてッ!」
声が響き葵は脊髄反射でしゃがみ込む。
突然なんの前触れもなく葵がいた場所の天井がくずれる。
右足に鋭い痛みを感じ、耳が、仕事をしなくなる。
雅が何処かに引っ張られていく。
体に何か強い衝撃を感じ、葵は視界が眩んだ。




