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第27話 お迎えしに来ました!

高校1年生、15歳の天音雫です!

何かと至らない点があると思いますが読んでいただけると嬉しいです!

「んーっ、んーっ!」


静かな部屋は誰もいない。


姉も父親も葵が眠る時間が必要だろうと母に諭され、しぶしぶ自分達の部屋に戻った。


一ノ瀬家にはベビー部屋があり、現在葵はそこに1人でいる状態だ。


今がまずい状況なのが分かっているからこうして必死に喋ろうとしたり、動こうとしているが。


「んーぅっ!んー!!!」


赤ん坊の姿だ。

出来ることなどほとんど無いに等しかった。


状況が変わらず、葵は体力が尽きて諦めて押し黙った。


赤ん坊の体力の少なさに失望しつつ、周りを眺める。


天井には花や蝶々の可愛らしいデコレーション。


壁には誕生日パーティーをするかのように色とりどりの風船が飾られていて。


[葵プリンセス]の文字が可愛らしく飾られている。


(恥っずぅ……)


あまりの親バカっぷりに頭を抱えたくなる。


が、残念ながら赤ん坊にそんな器用な事はできなかった。


天井を凝視し葵は考えを巡らせる。


一体どうすればここから脱出できるのだろうか。


ここで一度、状況を整理しよう。 


葵達一行は雅救出のため異界へと向かった。


そこで妖魔に乗っ取られた執行人に出会い、渚冬が応戦。


残った4名で城を目指した。


ところが城の境界を跨いだ瞬間、全員離れ離れ。


謎の赫色の空間に放り込まれた。


そこで各々の前に扉が表れ、その扉を開ければ、


記憶に、とじこめられた。


(皆、今頃記憶の中なの?)


葵は赤ん坊の見た目で冴えた推測をする。


しかしその記憶は人それぞれ、否、神それぞれというべきか。


記憶の中に閉じ込められるように、肉体的か、精神的に響く記憶を、選びそれを体感させる。


雅の言葉を借りれば、かなり悪趣味な罠だと、言えるだろう。


(マジでどうしよ……)


葵が状況に絶望していた時、


ガチャリ。

扉が、開く音がした。

母か、父か。それとも姉か。


葵ベイビーの様子を見に来たのだろう。


しかし、それは違った。


「よっ、と。

あ、あの子かなー?」


鈴を転がすような高い声。

揺れる薄桃色の髪。


ベビーベッドのそばにトテトテと駆け寄ってきたのは、


「葵オネーさんみーつけた!

……オネーさん、じゃなくて赤ちゃんだけど」


葵は思わず目を疑う。


いるはずのない桜が、ベビーベッドに寝かされた葵を見上げていた。


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