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第24話 タイムオーバー

高校1年生、15歳の天音雫です!

何かと至らない点があると思いますが読んでいただけると嬉しいです!


あぁ、もう、時間がない。


「志乃!!逃げなさい!」


あぁ、私は、また、何もできない。


「志乃!!」 


権能を放とうと手のひらを広げーーーー、 


護衛の1人に思い切り突き飛ばされ、バランスを崩し権能が分散する。


途端に天井が崩れ、すんでのところで瓦礫を避ける。


志乃の家の原型は、ほとんどなくなりかけていた。


今、志乃を助けてくれた護衛はおそらく瓦礫の下だろう。


「志乃!!この家を出なさい!

わたくしは大丈夫です!

あなたの母と、護衛の方を信頼して行動しなさい!」


瓦礫の前に立ち尽くす志乃に母が駆け寄る。


母の顔は傷だらけで、袴もあちこち破け、血が滲んでいる。


後ろから2人の護衛が、1人は足を引きずりながら、1人は脇腹を抑えながら、走ってくる。


志乃を、志乃だけを、守るため。


あぁ、これでは。


”同じ“だ。


記憶は、変えられない。


過去は、変えてはいけない。


「お母様、私はーーーー」


震える声は、 


「づっーーーー」


「小百合様!!」


何処からか飛んできた刀が母の右肩を射抜く。


鮮血が滴り血溜りを作る。


「お母、様……」


あぁ、私は、結局。


執行人となった今でも、心は弱いままなのね。


「志乃を……お願い」

「ですが……」

「お願い…私は、彼奴等を。」

「っ……、承知、致しました」


視界が揺れる。

体がふっと軽くなる。


護衛の1人に抱きかかえられたのだろう。


かつて、そうして、志乃は妖魔の襲撃から、生き残ったのだから。


1人の護衛は、志乃を庇い、瓦礫の下敷きに。 


また1人の護衛は、母と共に戦場に残り。


そして、最後の1人の護衛は、志乃を戦場から遠ざけるため、共に逃亡の旅路を辿り、

最後には、ーーーー。 


どんどん、どんどん、遠ざかる。

戦場から、母から。

志乃の大切な、ものから。


「お母様!!お母様!!

やめて!!どうか、死なないで!

お願い、もう…、もう、やめ、て……、」


嗚咽混じりに叫ぶ。

その声は既に届かない。


その願いも、届かない。


「狼車を呼びます!」


駄目だ。そんなことしたって無駄なのだ。

志乃はこの先の結末を知っている。


この悪夢の行くつく先を知っている。でも、止める力が、もう、ない。


止めることなど、できない。


それに、止めても、もう、きっと。


「お母、様………」


護衛の胸で、鈴の音とともに狼車が宙から現れたのを見て、志乃は涙を頬へとつたらせた。


「お母様ぁぁぁぁぁ!!!」

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