第10話 掟破り
高校1年生、15歳の天音雫です!
何かと至らない点があると思いますが読んでいただけると嬉しいです!
「よぉし、俺がご親切に教えたげるからここから出してくれない?」
「そうわさせないわよ叶夢。貴方、自分がしたことの重さ、わかってるの?」
「交換条件を提示しただけだよ?」
金髪男ー叶夢は頭の後ろで手を組み不服そうに呟く。
「じ、じゃあ場所は知ってるんですね?!」
「うん、知ってるよー
だから、俺じゃなくてそっちの兎を説得してほしーなー!」
「志乃、さんを…?」
「何で扉を知りたいのかは知らないけどー、俺が教えるかどうかはそっちの兎にかかってるからさー!」
「そう、なんですか?」
横に立ち唇を噛む志乃を見上げる。
その瞳には様々な葛藤が滲んでいる。
それはきっと、葵には知り得ないことが過去にあったからで。
「……ここから出すことはできない。
代わりに何か条件を飲むわ。それでどうかしら?」
低く沈んだ声が紡がれる。
しかし、叶夢は納得しなかった。
「えー、何でー?」
「掟を破ったからよ。
貴方はあと3年、ここにいなければいけないわ。」
「何でー?執行人の許可があれば出られるのに」
「私は許可しないわ」
「じゃあ、他の俺のお願い何でも聞いてくれる?」
「……時と場合と状況と法律の範囲によっては」
「多くなーい?」
「要求をまず聞くわ。
聞けそうなら聞いて扉の場所を教えてもらう。
要求が無理難題だったらーー」
「諦めるの?」
どこか挑発するような叶夢の態度に志乃は頬を固くした。
「私が代わりに説得します!」
「いーねー、気合いある子、俺好きー」
頬を緩ませ指をパチンと鳴らす叶夢を前に葵は奮起した。
何としてでも扉の場所を気に出さなければ捜索は振り出しに戻ってしまう。
「…それで、要求って何?
言っておくけど、玲瓏から出ることはできないわよ?」
「頼んでる立場なのに上からだなー。
ま、良いけどー、」
「俺の要求はー、んー何にしよーかなー。
あ、そうだ。異界に行くんでしょ?
じゃあ、俺の元実家にある“杖”取って来てほしーなー」
「つ、杖?」
思わず葵は素っ頓狂な声を上げた。
実家にある杖を取ってくるなんて、極秘の扉の情報との交換条件にしては安すぎないだろうか。
ーーそれとも、何か裏があるのか。
「そ。
そっちの兎はどんなやつかわかるでしょー?」
「ーーー。ーーーー。ーーーーー。わかった。取ってくるわ。
だから、扉の場所を教えてちょうだい」
「やったぁ。交渉せいりーつ。
異界に繫がる扉はここから歩いて十分くらいの場所にある。
雨月5丁目の2番地。
ここまで詳しく言えば大丈夫でしょ?」
「……えぇ。あんなところにあったのね。
わかったわ。協力してくれてありがとう。
………行きましょう、葵」
重々しい様子の志乃と反対に叶夢は手を振った。
「んじゃ、お土産待ってるねー」




