5:雷魔法について
火魔法は魔力を持たない対象についてはそのままダメージが通るが、魔力を持つ対象については対称が持つ魔力以上の魔法を当てなければダメージが通らない。そのため範囲魔法で全体的に攻撃してしまうと、どうしても倒すことができない。
また離れた距離の敵に対してはどうしても当てにくく、魔力の消費が大きくなりやすい。
一方で雷魔法と後に述べる光魔法はその問題を解決しやすい。
雷魔法は魔力1あたり約4kWの電力出力を1秒から少なくとも0.24秒程度の間継続することができる。
ただし魔力1では2000Vの電圧印可にとどまり、乾燥した通電中の人体の抵抗を1kΩと想定すると2A程度しか流れない。
十分なダメージにはなるがとても致命傷にはなりえず、低レベルでは殺さず捕獲したり、拷問に使用したりする程度にしか使えない。
殺傷力のある威力になるには魔力を100消費した状態で、40MWの電力を使ったあたりからである。約20万Vの電圧を対象に印加し、200A流すことで1秒かからないうちに対象の温度を100℃上げることができ、焼き殺しに近いダメージで殺すことができる。
火魔法と異なり雷魔法では対象を限定する制御がしやすく、そのため強い魔力を持つ対象に対して殺傷性を保ちやすい。
例えば魔力1000では2百万Vの電圧で2000A流せる試算となっており、また仮に対象の抵抗が高くとも魔力消費は電力に比例するため抵抗の平方値に比例した高電圧がある程度自動でかかり効率がよい。
魔力10000では2千万Vと2万Aを1体にかけることもできるし、2千万Vの電圧を100体の対象に分散して印加することで同時に倒すことも可能である。
以降魔力に比例した電力量になるので単調だが、魔力10万では2億Vで20万A、魔力100万では20億Vと2百万A流すことになる。それぞれ標準的な兵士であれば1000人、1万人を同時に倒すことができ、消費魔力量と倒せる人数は魔力の無い対象であれば火魔法とほぼ同じである。
高威力の雷魔法は見栄えが良く、また火から体を守る耐熱性のある層構造の鎧等に対しても威力を発揮しやすい。
魔力1万を超えると雷魔法の名にふさわしく、自然現象にある雷同様一瞬の現象としかとらえられない。