3:一番基本的な魔法、火魔法について
最初に覚える魔法は火魔法となることが多い。生活に使うもよし、制御も容易で効果を確かめやすく、上達すれば戦闘にも使えるとあって一番馴染み深い魔法である。
火魔法の威力はおおむね魔力に比例していることが知られている。
一応選択肢があり、魔力は温度に割り振るか、または火魔法の影響範囲(体積)に割り振るかを選べる。
戦闘用途であれば、殆どの生物であれば体内温度を100℃まで上げてやれば活動停止に追い込める。
殆どの生物では100℃まで上げなくとも倒せる場合が多いが、温度が多少上がった程度では数秒~数十秒は動けることも多く、反撃をくらう危険性が高まる。
即時に活動停止に追い込むためには温度をより上げることで対応できる場合が多く、これにより火魔法を使う場合には狙い温度(使用魔力)と即死性のトレードオフが生じている。
ただし相手も魔力を持つ対象の場合、魔力によって温度を上げられるのは基本的には体表面のみであり、また体表面にある魔力が干渉することでダメージは打ち消される場合が多い。
火魔法発動のために魔力を1使用し、魔素100を誘起した場合を基本に考える。魔力1は繰り返すが最初に魔法を使うものの最大威力ではあるが、影響が小さく観察しやすい。
魔力1あたりに発生させられる熱は418kJと見積もられており、これは1kgの水を0℃から100℃まで上げられる量である。
実際に火魔法を発動して1kgの水を温めてみてもらえば、このことが正しいことはすぐに確認してもらえると思う。ぜひ各自試してみてほしいし、既に実体験として知っている方も多いだろう。
これだけではとても戦闘に使えるレベルではなく、せいぜい毎日のお茶に使うためのお湯を1回準備できる程度である。
それでもレベル1を油断すべきではなく、制御よく対象の心臓など重要な器官を狙って温度を上げられれば、対象を倒すことも可能である。
これが初心者といわれるレベル16程度の魔法師であれば、魔力は10まで増加し、10kgの水を100℃まで上げることが可能である。
戦闘面においても狙いが甘く倒せない場合にも連続して複数回発動可能であるし、対象が兵士1人・人間サイズモンスター一匹程度であれば広範囲の器官の温度を上げることで避けようとされても、ほぼほぼ倒すことが可能である。
そのためレベル16前後の魔法師はスタートラインに立ったもの、初心者と言われるのである。
ちなみに狙いを外した場合は空気の温度をムダに上げることになり、間接的に対象に若干のやけどを負わせることができるが致命傷にはなりえない。
レベル30~31の魔法使いは初級魔法師と呼ばれる。魔力は100に達していることが殆どで、100kgの水(つまりは生物)を100℃に上げることが可能になる。
ここまでくればまず魔力の無いモンスター一匹程度であれば1対1で負けることはなくなる。
火魔法についても10kgの重さに絞れば1000℃まで上げることができ、炎として見えてくることから火魔法として恥ずかしくない感じになってくる。
レベル46の魔法使いは中級魔法師となる。魔力は1000、1トンの対象(水)を100℃に上げることが可能となる。
大型動物やモンスターに対しても一撃で仕留めることが可能となるし、数m程度の範囲内に固まっている敵集団10人程度をまとめて倒すことが可能になる。
レベル61の魔法使いは上級魔法師と呼ばれる。魔力は10000、10m四方にいる敵(最大100体)をまとめて100℃に昇温させて倒すことが可能となり、戦争でも脅威とされる。
レベル76の魔法使いは千人級魔法師と呼ばれる。魔力は10^5、敵を1000人まとめて倒すことができるということで千人級と呼ばれている。
同様にレベル91の魔法使いは万人級魔法師と呼ばれる。魔力は10^6、敵を1万人まとめて倒すことができるということで万人級と呼ばれている。ちなみに私のランクはここである。
レベル106の魔法使いは十万級魔法師と呼ばれる。魔力は10^7、敵を10万人まとめて倒すことができるということになるが、300m四方の密集した軍隊を壊滅させるか、または低密度にばらけさせる制御ができれば街1つを単独で消し飛ばすことができるということである。
おおよそ核爆弾を使った場合の威力と同等である。また一度の魔法行使で空間魔素が消費しきることになるため、単発威力としてはこれがほぼ限界となっている。
次に氷魔法については火魔法と反対に冷却するというだけであり、イメージと制御がしっかりとしていれば火魔法とは温度制御が反対になり範囲等は同じだけある。