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五話 レッツゴー星影邸

 そんなこんなで今、俺は一人で星影邸にいくために電車に揺られていた。


 いやね、ほんとに行きたくない。付き合ってるカップルの一大イベントの一つとして『家宅訪問』があると思うがそんな生ぬるいものではない。


 失恋相手だよ! 失恋相手の家に行くんだよ!?


 今すぐ家に帰りたい。今目の前をすれ違って行く電車に乗れば家に帰れる......あぁ、行かないで〜。


 まあ現実逃避もほどほどにして、ポジティブにいこうポジティブに。


 というより昨日の午後に引っ越しの準備しろって言われてその日のうちに荷物をまとめ切った俺を褒めてほしい。まあ荷物少なかっただけなんだけど。


 家具は向こうにあるらしいし、服はそんなにこだわってないから多くない。大量にある本も常に整理してるから時間は掛からなかった。


 といったどうでもいい話は置いといて、そろそろ皆が気になっているであろう俺と星影さんの関係性について話していこうと思う。


 え、その話こそどうでもいいって? そんなこと言わないでくれ。君たちからしたらどうでもよくても俺からしたら苦い記憶以外の何者でもないんだから。


 俺と星影さんは一年と三年の時に同じクラスだった。俺が星影さんのことを好きになったのは入学して二週間後、いわゆる『グループ』ができ始めた頃だった。


 容姿端麗。文武両道。そんな言葉が似合う彼女は誰にでも分け隔てなく接する天使のような人だった。そんな彼女を好きになるのにそう時間は掛からなかった。


 しかしこれが初恋だった白原少年はその感情を持て余し、ヘタレにヘタレた。その結果、ズルズルと引きずって告白が卒業の日となったわけである。


 結果は惨敗。理由は『恋愛と距離を置きたいから。』


 彼女には一年の夏から二年の夏まで彼氏がいた。まあそんないい人に彼氏の一人や二人、いない方がおかしいとは俺も思う。


 その相手は俺も知っているが、まあ典型的なチャラい陽キャだ。サッカー部のエースでクラスの人気者、あと実家がお金持ち。でも人によって態度がすっごく変わる。俺みたいなメガネオタクにはもちろんあたりは強かった。


 最初のうちはうまく隠していたようだが、ちょっとずつそこら辺のことがバレて振られたらしい。そしてそこから星影さんは色恋沙汰に距離を置くようになったのだとか。


 いやね、俺ももちろん釣り合わないってわかってたし、多分フラれるだろうなーとは思ってたけど、やっぱりつらかった。初恋だったしね。


 そして一番の問題は高校が同じところであるということだ。


 『恋は盲目』とはよくいったものだ。フラれた場合のことなんてもちろん考えないし、あらゆることを『付き合える前提』で考えだす。付き合ってもないのにデートプランを考え始め、当時の俺の学力では厳しかった星影さんの行く高校に気合いで受かった。


 でも自分が盲目になっていることに気づくのはもちろんフラれた後。はぁこんなことになるんだったら別の高校にしとけば良かった......


 そんなことを考えているうちに、電車がついた。ここまできたら腹括るか......




 そうして最寄駅から歩くこと10分、星影邸に到着した......はいいだけど。


「デカくね?」


 そう星影邸はとにかくデカかった。一軒家で二階建てという点においてはうちの家となんら変わりないのだがとにかくでかい。


 おそらく一般的な一軒家の三倍かそれ以上はある。そして庭もそれ相応に広い。これ掃除とか大変だなぁ......ってもう俺ここで家政婦する気でいるし......


 そんなことを考えながら俺はインターホンを押した。


「はーい」


 そんな声と一緒に出てきたのは星影さんの母。そっくりだからすぐわかるね。まあ親子だから当たり前だけど。


 星影母に連れられて恐る恐る星影邸に入る。


「お邪魔しまーす」

「自分の家と思ってくつろいでね、これから住むことになるんだから」


 無理です。広すぎ。


「じゃあ光呼んでくるわね」 


 その名前を聞くと急に実感が湧いてくる。今すぐ帰りたい、というか案内されたソファーがふかふかすぎて逆に落ち着かない。


 星影母がリビングから二階にむかって声をかける。


「光〜。降りてきなさ〜い」

「はーい」


 星影さんの透き通るような声が聞こえる。というかこの声めっちゃ眠そうだな。


「どしたの〜?」


 そんな声と一緒にリビングに入ってきた星影さんの格好を見て俺は驚いた。


 絹を懇切丁寧に染め上げたような黒髪は普段のハーフアップではなく、寝癖なままでところどころはねている。そして白地にピンクの水玉のパジャマを纏っている。はいかわいい。


 星影さんも驚いた表情でいる。今日俺がくること聞いてなかったのかな?


 星影さんは二階へと爆速で戻っていった。


「ごめんね。あの子には言っておいたはずなんだけど」

「いえいえ。大丈夫ですよ」


 全然大丈夫じゃないけどね! え、何今の。可愛すぎん? アホ毛たってたのめっちゃいい! 庇護欲がすごいことになってる。そしてピンクのパジャマやば!?


 普段クールな星影さんのオフの姿は俺には刺激が強すぎた。


 そうして悶えること約20分星影さんが降りてきた。髪型を整え、なぜか制服(中学の)に身を包んでいる。急いで直したのか一部の髪が跳ねたままになっている。かわいい。


 星影さんは机の向かいにあるソファーにガチガチで座った。え、お見合いか?


 すいませんでした。リアルが忙しすぎて一週間以上間があいてしまいました。

 

 これも全てろくに書きダメをせずに見切り発車で投稿を始めた笠見のせいです。ハイ。反省はしています。


 最後に、面白いと思って頂けたら、ブックマーク登録・評価(目次下の☆☆☆☆☆を★★★★★に)して頂けると励みになります。


 感想、アドバイスなどあればコメントもしていただけると嬉しいです。ですが、作者や見る人が不快になるようなものはお避けください。


 では、またね〜。

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