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四十五話 ダイエット計画

「啓、私ダイエットする」

「どうしたんですか藪から棒に」


 いやまあ理由は大体察しつくけども…


「今日身体測定があったじゃん」

「そうですね」

「それでね…体重が増えていたのよ!」

「そうですか」

「なんでそんなに冷たいの!? お嬢様が困ってるんだよ!?」


 いや自分で言うんすか……


「はいはい…で何キロ増えたんです?」

「………………………4キロ」

「前量ったのはいつですか?」

「………………中3の最初」

「それぐらいなら身長も伸びてるでしょうし、別に普通じゃないですか?」

「そんなことない!!!………まあ2センチ伸びてたけど」

「うっ…急に叫ばないで下さいよ……」


 というか女子のこの時期でまだ伸びてるのすごいな。


「あっ…ごめん。でもね! 4キロってバカにできないんだよ!? 1リットルペットボトルなら4本分! 2リットルペットボトルなら2本分!! 500ミリリットルペットボトルなら8本分!!!」


 いや全部一緒では? …まぁいいか。


「で、具体的にどうやって痩せるんです?」

「よくぞ聞いてくれたね!」


 あかん……そろそろこのテンションにイライラしてきた。


「まずは運動だね! ダイエットにはランニングが良いらしいから毎日走ることにする!!」

「はぁ…でも、空腹は最大のスパイスってよく言いますよね?」

「そうなの! 今日朝早速ランニングしてから行ったから啓より一本電車遅かったんだけど……」

「ん?」


 なんか今聞き捨てならないワードが…


「そのせいでお昼お腹すいちゃって学食でパンまで食べちゃったの!!」

「おい」


 ほんとに痩せる気あるのかこの人?


「そこで! 啓にミッションを課します!!」

「はぁ…」

「ノリ悪いよ! もっと気分上げてこうよ!」

「逆にどうしてそこまでテンション高いんです?」

「え……こうでもしてないとショックで気が狂いそうだから………」

「もう手遅れじゃないですか?」

「そんなこと言わないで!?」

「分かりましたよ…何したらいいんです?」

「啓には『どれだけ食べても太らない料理』の制作を頼みたい!」

「いやそんなのあるわけないでしょ何言ってるんですか」

「そんなこと言わないでぇ!?」


 めんどくせぇ…


「じゃあこうしましょう」

「どうするの?」


 やめて〜! そんな純粋な期待の眼差しを向けないで〜!!


「どれだけ食べても太らないは流石に無理ですが、太りにくい料理は作れます」

「うんうん」

「ですから…」

「ですから……?」

「お嬢様はちゃんと毎日一本遅れて来てください」

「なんで!?」

「いや先に約束破ったのは…というより最初から守る気なかったですよね?」

「テヘペロ」


 テヘペロじゃねえよかわいいなちくしょう。


「だから交換条件です。こっちがお嬢様の言う通りにするんですからお嬢様もちゃんと守って下さいね。破ったら…」

「や、破ったら……?」

「お嬢様のご飯を全部油物にします」

「そ、それだけはご勘弁を!」

「ならちゃんと守ってくださいね?」


 コクコク


 よし。


「じゃあまずは現状把握ですね。因みに今の体jyすいませんでした、わたくしめが悪かったのでどうかハイライトを消すのをおやめ下さい!」

「次は無いよ?」

「わ、分かりました!」

「本当に?」

「はい!」

「ならよし」


 あっぶねぇ…九十九死に一生だぜ……


「じゃ、明日からダイエット開始ということで。よろしくね、啓!」

「はいはい、分かりましたよ」

「あとランニングは啓も一緒にやろうね!」

「は?」

 運動した後のご飯って本当に美味しいんですよね……ハハハ。

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