四十二話 可哀想な人々
「どおおしてだよおおおぉぉぉ!!!」
「おう凪さんや、急に席来て叫ぶんやめてくれ。耳が痛い」
「だってさぁ!?」
「そのテンション大丈夫?」
「そうだね。やめようか」
「急に素に戻らんといてくれ。怖い」
「注文多くない?」
「気のせい気のせい」
「まあそれはいいとしt「おい」
「なんで僕が副委員長なの〜もっと他に適任者いるでしょ〜」
といったふうに授業が終わって即席に来てふやけている凪を視界に収めつつネット小説サイトの巡回を行う。
「何がそこまで不安なん?」
「いやだってそもそもおかしくない? なんでこんな頼りなさそうな見た目のやつに入れるの? みんなは」
「自覚あったんだ」
「言わないで。惨めになるから」
「じゃあどうしろと?」
お、失踪したかと思ってたシリーズ更新されてる。ラッキー
「っていうかさっきからずっとスマホ見てるじゃん! 真剣に聞いてよ〜」
「え〜」
この話題にどう真剣になればいいのだろうか。
「いやね、僕は思うのですよ」
「ふむふむ」
俺は善人なのでスマホを置いてちゃんと聞いてあげることにする。
「僕が副委員長に選ばれたのは僕の出席番号が1番だからなのだよ!」
「ほうほう、それで?」
「先生に言われて何回か挨拶したじゃん? あれのせいでみんなに『あ、こいつはリーダーに相応しいやつだ!』って思われたんだよきっと!」
「下らん。電車の時間あるからもう帰る」
「なんでだよ〜」
そんな凪の声を背後に受けながら俺は駅へと歩をすすめた。
…その言い分ならあんなに真面目に号令しなきゃ良かったのに。
そして家に到着した。もう家に星影さんは着いているはずだが、あの人が鍵を開けてくれるわけがないので自分で鍵を開けて入ることにする。
一応好きな人の鍵を持っている状況ではあるのだが特に何も感じない。慣れって怖いね!
因みに何故星影さんが先に家に着いているかというと。単純明快、電車の時間を分けたからである。
別に俺も無為に無駄話に興じていたわけではない。これも全て、一本遅い電車までの時間潰しだったのサ!
「ただいま帰りました」
一歩でも家に足を踏み入れたら私は執事 白原 啓 なんだかんだ楽しいので結構ノリノリである。
「啓〜ちょっと部屋に来て〜」
「かしこまりました〜」
この家ほんと広いから結構声張らないといけないのが不満の一つである。あと移動のめんどくささ。そして掃除!(一番重要)
いかな文明の権化ルンバ様がいたとしても掃除ゼロでは済まないのです。はい。
そんなこんなでたどり着きました。初恋(絶賛継続中)の相手の部屋の扉の前。流石にここではちょっとは緊張する。ちょっとだよちょっと。うん、本当に。
コンコン
「失礼します」
「よく来たわね」
「どうかされましたか?」
なんだこの雰囲気…なんか星影さんめっちゃ神妙な顔してる。
「朝のことなんだけどさ…」
ああ…あのことか。すごいよなぁ、入学して次の日にあの量のラブレターは。でも本人は……ってなんかゴソゴソしとるな?
「これ捨てといて」
「へ?」
そう言って星影さんは俺の前にあまりにも無造作に大量のラブレターを投げ捨てた。
「えええええぇぇぇ!?!?」
「何驚いてんの?」
「い、いや。内容とか読まないのかな〜って……」
「入学二日目にラブレター送るようなやつにまともなのいないでしょ」
そりゃそうだ。
因みに数多のラブレター達はシュレッダーで一思いに成仏してもらった。
間空きすぎてすんませんした! こっからしばらく頑張ります!!
宿題? ナニソレオイシイノ?




