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三十九話 一日の始まり

 まぁ学校が始まったからといって生活ががらっと変わるわけでもなく、いつもより少し早い時間に起き、家事を済ませる。強いて言うなら、朝しないといけない家事が一つ増えたことだろうか。


 そう、お弁当である。今までは中学校だったので給食だったが、昨日から俺は高校生だ。


 別に学食を利用すると言う選択肢もあるが、割高だし、余り物が消費できるといったこともあるので、余裕があるときはお弁当にしておきたい。


 初めて作ってみたがこれが案外難しい。形が崩れないように配置しないといけないし、冷めても大丈夫なようにしないといけないから、入れられるおかずも限られる。


 最初だったこともあり少し手こずったが、一応完成。及第点といったところ。


 では朝の恒例行事、行ってみよう!




 コンコンコン……シーン


 いつも通り返答なしっと。


「失礼しまーす」


 ガチャ


 扉を開けて灯りをつける。目に飛び込んできた光景に思わず顔を顰めてしまう。


 …いや別に嫌な光景が広がってるとかじゃないよ? ただただお嬢様の寝相が壊滅的と言う話である。


 掛け布団は何故かベッドの反対側まで吹っ飛び、パジャマの前のボタンは全て空いている。しかし別にはだけてはいない。作為性すら感じる状況だ。


 この光景だけは何度見ても慣れる気がしないなぁ…っといけないいけない。時間は有限なのだ。


「お嬢様〜。起きてくださ〜い」

「…ん、ふわぁ〜あ。おはよう、啓」

「おはようございます。お嬢様」

「おはようのハグして〜」

「寝ぼけてしてないで支度してください」

「冷たいなぁ、最初の時は顔真っ赤にしてアタフタしてたのに」

「何回もされたら慣れますよ」


 一応言っておくと何回も『誘われてる』ってことだからね!? ちゃんと全部断ってるから!?


 あと馴れるわけがないんですねぇ! 大丈夫!? ちゃんと表情筋固定できてる!?


「今日一緒の電車で行かない?」

「行かないって言ってるでしょ…バレたらどうすんですか……」

「その時はその時だよ」

「馬鹿言ってないでさっさと支度してください」


 これ以上ここにいることは危険だと思ったため、手に持っていた弁当を星影さんに押し付け、部屋を離脱することにする。


「? これ何?」

「お弁当です。今日から一日中学校ですから」

「おーありがとう」


 感謝しているのかいないのかわからない返事を聞きながら、俺は星影さんの部屋を後にした。


 最近FG◯ばっかして投稿できてませんでした。


 また頑張るです。

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