三十七話 だが断…
教室から星影さんと生徒会長が居なくなり、教室に残ったのは俺だk…
「やぁ」
「おわっ!?」
びっくりした〜。そういや先生いたな。
「面白い反応するね。白原くん」
「脅かさないで下さいよ。平坂先生」
「おや、もう担任の名前を覚えているとは…関心関心」
「いや、普通覚えません?」
「いんや〜案外多いよ? 名前覚えてくれない生徒。結構教師やってきたけどね」
「先生何歳ですか…?」
改めて平坂先生を見てみる。平均よりおそらく低い身長に、幼さすら思わせる顔。新任教師としか思えんのだが…?
「おいおい、女性に年齢を聞くのは御法度だよ?」
「あ…すいませんでした」
「うむ宜しい」
ご満悦な様子で頷く平坂先生。
「ところで、どんな用事ですか?」
「お、話が早くて助かるよ。新入生用の教科書をそれぞれの机に並べないといけないんだが…いかんせん一人ではキツくてね。白原くん、君は今暇だろう?」
「え…いや別に?」
「とぼけても無駄だよ。君が星影さんと一つ屋根の下で暮らしている事は知っている」
「な…なぜそれを知っているんですか!?」
まだ学校の何処でもその話題は口にしていないはず!
「いや私は担任だぞ? クラスの生徒の住所を把握してない訳がないだろう」
「あ、確かに」
なんで気づかなかったんだろう。
「だがこの情報は今私が堰き止めている。いつでも上に報告することは出来るがね」
「な…お、俺に何させようっていうんですか?」
「そんな悪い話じゃあない。星影さんが生徒会の仕事をしている間、君は暇だろう? その時間だけ、私の仕事を手伝ってくれればいい」
確かに…悪い条件じゃないか…?
「あ…あなたを手伝えば……ほ……ほんとに…俺と星影さんが同居していること…は…バラさないでいてくれるんですか?」
目の前で平坂先生がニヤリと笑う
「ああ。約束するよ。君の『労力』と引き換えのギブ アンド テイクさ。さぁ…早く職員室に行こう」
そう言って扉から出て行こうとする平坂先生。その後ろ姿に、俺はこう言い放つ!
「だが断る」
「なんですってっ!!」
そう言いながらこちらに向き直る先生。
「この白原 啓が最も好きな事のひt…」
「そう、じゃああの事は校長先生に報k…」
「すいませんでした。言いたかっただけなんです。誠心誠意手伝わせていただきます」
「ならよし」
面倒なことになった……
部活忙しくてしんだいです…




