二十四話 貶しと称賛って同時にくるとなんか複雑
コンコンコン…シーン
コンコンコン…シーン
「お嬢様〜! 八重様をお連れしました〜!!」
なかば半ギレみたいなテンションは許してほしい。流石に言われた通りに連れてきたのにノックして返答なしはいかがなものかと思うのである。
「入っていいよー」
「失礼します」
部屋の中に入るとお嬢様がイヤホンを外している最中だった。10時過ぎてるのに今の今まで動画を見ていたのかと思うと何も思わないわけがないのだが…
私服姿が可愛いからもうなんでも良くなっていたりもする。
「ちょっと光! なんでこいつがここにいるの!? しかもこんな格好で!」
至極真っ当な意見だが二つほど言わせてもらうと声が大きいのとこの服を着るように言ったのはあなたの目の前にいらっしゃるお嬢様ですよ(ピキピキ)。
「ん、それはね〜」
こんな半ば発狂している人間を前にこの落ち着きようである。空気が読めないともいうがもはやそれすら可愛い(現実逃避)。
そしてお嬢様は丁寧に事情を八重さんに話し始める。
少女説明中…
「なるほど…理解はできるけど納得はしたくないわね」
「そう?」
それが当たり前ですよお嬢様。
「そもそもこいつ家事できるの?」
確かにそれも当然の疑問だろう。
というよりさっきからずっと俺のこと『こいつ』っていうのやめてもらっていいかなぁ!? さっきからずっと地味に傷ついてるんですけど!
「啓はね〜なんでもできるんだよ?掃除も綺麗にしてくれるし、洗濯もテキパキやってくれるし、ご飯美味しいし」
「へーなんか意外…っていうか何であんた顔真っ赤なの?」
「え?」
どうやら無意識に顔が赤くなっていたらしい。男の照れなんて需要ないなんてことは自分でもよくわかってる。
でもこれは仕方ないんだ! 目の前で好きな人に自分のこと褒められてどうして照れずにいられるだろうか!
「じゃああれ、今日のお昼ってこいつが作るの?」
「そうだよ〜。すっごく美味しいんだから」
「へー(ホッ)」
ん? 何で今八重さんは安心した素振りを見せたんだ? しかも心なしか顔色が良くなっているような……
「じゃあ啓、私たち遊んでるからお昼ご飯の時間になったら呼んでね」
「かしこまりました。失礼致します」
少しさっきのことを尋ねたい気持ちもあったが、一旦隅に追いやり俺はお嬢様の部屋を後にした。
結局終始乱雑な扱いを受けた気もするが、星影さんの可愛さと褒め言葉の前では些細なことだなと俺は思うのであった。
バトルあるある:同時に相反する属性の魔法が当たったり、攻撃と回復を同時に当てたりするとなんか凄いことになりがち(小並感)。
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では、またね〜。




