十七話 初回限定は一回で終わらない
俺は今、女子と手を繋いでいる。相手は星影さん、俺の好きな人。
......え? 終わり方はまだしも始め方まで前と同じくだり使うなって?
逆に聞くが君たちは好きな人と手を繋いでそれが二回目だからとすぐ慣れることができるのか? ね、できないでしょ?
ハイQ.E.D.証明完了
「さっきから黙ってるけど大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ」
前回と違うのはなまじ理性が残っていることだろう。そのせいで星影さんの手の感触とか体温とかがダイレクトに感じられてしまう。何かがぶっ飛びそうだ。
っていうか前回気にしてなかったけど俺の手大丈夫か? 手汗とか書いてないよな?
意識しないようにすればするほど感覚は鋭敏になっていく。これはまずい......
とりあえず黙っていると気が狂いそうなので(手遅れ)、話を振ってみる。
「何か食べたい部位とかある?」
「ん〜そうだね〜」
「あ、なんかこれ......」
「どうかした?」
「い、いや。何も?」
「なんかこのくだり多くない?」
「やめて! あなたまでメタ発言し出したら収拾つかなくなるから!」
「まぁそれは置いといて......」
「置いとくのか......」
「どしたの?」
言えない......手を繋ぎながらスーパーで献立について話し合ってるのが新婚夫婦みたいなんて言えない......
「あ......」
「え?」
なんか嫌な予感がする......
「今ふと思ったんだけどさ......」
はずれろ......はずれろ......
「手を繋ぎながらスーパーで献立について話し合ってるのって新婚夫婦みたいだよね」
ハイアウトー! おい作者! 一言一句コピペしてんじゃねえよ! ご丁寧に助動詞だけ変えやがって! 騙されねえからな!
......と危ない危ない。これ以上メタ発言すると今後の展開に支障がd、ヴ、ヴゥン!
「そうかな?」
とりあえずとぼけてみた。
「あ、話戻すんだけどさ。私牛肉だったら部位どこでもいいよ」
「本当に戻ったねぇ!」
え、なにこの人? まじでマイペースすぎない?感情の落差がジェットコースター超えてフリーフォールも超えて紐なしバンジーもびっくりの速さなんだが?
その後、なんでもいいと言いながら一番高い肉を買おうとする星影さんをなんとか押し留め、割引きされてるものを美味しくいただきましたとさ。
焼肉のタレバンザイ! 焼肉のタレに栄光あれ!
どうも作者です。え、主人公がキャラ崩壊してるって?まあ作者が現在進行形でぶっ壊れてるんで大丈夫!(何も大丈夫ではない)
というわけでおそらくまた明日これを読み返して悶絶するのだろうが構わない!なぜなら!もうすでに!手遅れだからだ!
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では、またね〜。