十六話 同居生活 開始!
届いた引っ越しの荷物を整理し、執事服に身を包み、俺と星影さんの同居生活が今! 始まろうとしていた......え、まだ始まってなかったの?
「光お嬢様、今日の晩御飯はどうなされますか?」
「なんだかんだで啓もノリノリだよね」
「ええ、まあ」
俺もラブコメとかは結構読むしね。こういうシチュエーションに憧れがなかったかというと嘘になる。
でも星影さんのことを『光お嬢様』って呼ぶのと星影さんから『啓』と呼ばれるのだけは慣れる気がしない。さっきからずっと心臓がうるさい。こんな調子で大丈夫かなぁ。
「なんでもいいの?」
「なんでもいいですよ、食べたいものを素直に言ってください」
「じゃあ焼肉で」
「素直だなぁ」
まぁいいけどね。楽だし。お肉は焼くだけ、野菜は切って蒸すだけ。こんなに簡単な料理があっていいのだろうか。
大体は焼肉のタレのおかげだろうけど、美味くて簡単なのは素晴らしいことだ。唯一の欠点はお肉が高いことだが......ま、初日だしいいよね。俺のお金じゃないし。
父さん曰く生活費は二人分まとめて毎月振り込んでくれるのだとか。なんで二人分俺のとこに振り込まれるかは......ご想像にお任せします。
「それじゃあ今から買い出し行きますけど、どうします?」
「一緒に行く〜」
「わかりました」
なんか星影さんの精神年齢が下がってる気がする。気のせいか?
そうして出掛ける準備を終えた俺と星影さん(流石に執事服は着替えた)は二人で近所のスーパーに向かっていた。......のだが。
「あれ、啓? そっちお店じゃないよ?」
「あぁ、ごめん光。ちょっと先にお金下ろしとこうと思って」
そう、俺は早速生活費を下ろすためにスーパーの駐車場にあるATMに向かっていた。
因みに外では敬語取ってもいいとは言われたけど互いを名前で呼ぶのは継続中だ。おかげでポーカーフェイス状態で表情筋が固定されそうである。
「さて、暗証番号はっと......」
「ねえ啓? 父さんに啓のに二人ぶんまとめて生活費入れてるって言われたんだけどさ、暗証番号教えてよ」
「ダメです」
「なんで?」
「そのあなたの父親から光には教えちゃダメって言われてるから」
「なんでよ」
「自分の心に聞いてみたら?」
「?」
この人頭いいし察しもいいのに、自分に都合の悪いことになったら急に知能指数下がるな......いや、わざとか? って......
「え!?!?!?」
「どしたの?」
「い、いや。なんでも......ない......よ! うん!」
「あ、そう?」
なんだこの額!? 桁少なくとも二個間違えてない!?
え、これあれか? もしかして一年間分の生活費か?
そう思ってスマホを確認するがそこにあるのは『毎月』の文字。何度見返してもそう書いてある。その事実を前にして俺がとった行動は......
「まぁいっか!」
思考放棄だった。
いやね、別に少なすぎるわけじゃないし、何も問題はないんですよ。うん。
「ねえ、まだ?」
「あぁ、終わったよ。」
「じゃあ行こっか!」
そういう星影さんに手を引かれて、俺はスーパーに向かった。え、テヲ......ヒカレテ?(二回目)
ハイ、まずは最初に、
申し訳ございませんでしたあああああぁぁぁぁぁ!
(全力土下座)
いやね、もうね、新年度始まって忙しすぎました。やっとひと段落ついたので再開です。
何があっても失踪はしないつもりなので安心?してお待ちくださいませです。
あと一つ。ラストに一回使ったネタもっかい使ってるのはわざとだから!ネタ切れじゃないから!
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では、またね〜。