十四話 思案、選択、そして......?
さて、どうしたものか。
学生がよく言われる言葉とした『君たちには無限の可能性がある!』というのがあるが、今俺の前にあるのは二つの道だけだ。
1、執事服を着ることを拒む。
2、執事服を着ることを受け入れる。
まずは拒んだ場合について考えよう。星影さんの機嫌を損ねた場合、これからの生活が気まずくなる可能性がある。ただし、もし星影さんが冗談として流してくれた場合は普通の同居生活が遅れる(普通の同居生活ってなんだ?)。
次に受け入れた場合について考えよう。少なくとも機嫌を損ねることはないだろうが、家の中でずっと執事服というのは流石に俺でも恥ずかしい。言っとくけど俺にも羞恥心の一つや二つちゃんとあるんだからな!
つまり、拒んだ場合はハイリスクハイリターン? で、受け入れた場合はローリスクローリターン? というわけだ。
でもな〜あの星影さんの感じ的に冗談じゃなさそうなんだよな〜。
執事服を着るのは嫌だけど、星影さんとの同居生活とかいうそもそもが未知数の極みのもののスタートラインがマイナスになるのはもっと嫌だな。
よし、腹括るか。(ここまでの思考にかかった時間:約5分)
着替えの終わった俺は自室から出る。そこにはご丁寧に星影さんが待っていた。
「おー、似合ってるね! やっぱり私の目に狂いはなかった!」
なんか興奮してるけどそれは一旦置いといて、俺は作戦実行のために口を開く。
「光お嬢様」
俺の完璧な作戦を説明するぜ! まず執事服は着る。最低でも機嫌を損ねるわけにはいかない。だがここからが本番だ! 執事服を俺が着ることによるデメリットが星影さんにあると思わせたら、星影さんから俺が執事服を着ることを撤回してくれるかもしれない。
ではどうするか。答えはそう、星影さんにも気まずい思いをさせるのだ!
徹底的に執事になりきり、星影さんをヨイショする。そうすることによって星影さんにもこの生活が続くのか......と思わせれれば勝利! ふっふっふ、完璧な作戦だぜ!
「誠に失礼であることは承知しておりますが、お嬢様のおそばにいてもよろしいでしょうか」
頑張ってイケボっぽい声を出してみる。これでキモいとか言われたら俺の精神はゴー・トゥー・ヘル。二度と帰ってくることはないだろう。
あれ? 星影さん俯いて微動だにしないぞ? これは......照れてるな? さては星影さん照れてるな!?
I’m winner ありがとう世界。これで俺は執事服から解放さr「いい!」......へ?
執事服ってなんかいいですよね。登場させたのはもちろん作者の癖です。文句は受け付けません。
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では、またね〜。