十二話 電車に揺られて(後編)
「おーい?」
「ハッ!?」
何秒気を失っていた? そもそもなぜ俺は気絶していた? ......思い出してきた、確か星影さんにあのとき......
『信頼してるから、白原君のこと』
......あっ
「おーい」
「あ、うんダイジョウブダヨー」
「本当に大丈夫?」
「うん、ダイジョウブダイジョウブ」
「ほんとに?」
「うん、ホントホント」
やばい、破壊力が強すぎる。これ以上記憶を遡ると俺は再び気を失ってしまう。
「あ、そろそろ駅に着くね」
「ア、ホントダー」
「もっかい確認するけど本当の本当に大丈夫?」
「ウン、ホントノホントニダイジョブダヨー」
「悪化してない?」
そんなこんなで電車は最寄駅へとたどり着いた......帰りたい。
「はぁ〜」
星影邸を見上げて俺はため息をつく。
「どしたの白原君? ため息つくと幸せが逃げるよ?」
そんなこと言うなんて星影さんかわいすg......オホン。
「いや、これからの生活大丈夫かなって」
そういう俺の前には星影邸がこれでもかと自己主張をしている。中見た時にわかったんだけど、この家奥行きも馬鹿でかいんだよな......
「大丈夫だって、すぐになれるよ」
そう言ってくれる星影さん。だが、俺は一向になれるビジョンが見えない。
前の家と比にならないほど大きな家。同居人は失恋相手。両親は太平洋の向こう側。
うん、無理だね。
「ただいま〜」
「お邪魔しまーす」
お決まりの挨拶をしながら星影邸に入る俺と星影さん。すると......
「ダメ。やり直し!」
「え?」
なにかおかしなところあったっけ?
「この家はこれから城原君の家にもなるんだから、挨拶は『ただいま』でしょ!」
「ま、まぁ確かに?」
「ほら、早く!」
そんなに急かさんでもいいだろうに。
「た、ただいま」
「うん、おかえり」
そう言った星影さんの満開の笑みに俺は心を撃ち抜かれるのだった(n回目)。
リアルが忙しくてちょっと更新遅くなりました。ごめんなさい。
因みに、題名が『電車に揺られて』なのに半分くらいしか電車に乗ってないじゃないか!という指摘は受け付けないので悪しからず。
、、、書きたい内容入れ替えたからね、うん。
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