森の種族
3日目
この世界にいきなり転移してから3日目、かなりこの世界に馴染んでまいりました稲葉 遼改めラルフです。本日は起き抜けに恒例のお参りをした後に取り合えず全回復した魔力で造った施設は
※ポーション製作所※
必要魔力:1000
㏋回復ポーションを1日に3つ自動生産出来る
人材を配置することで生産個数を増やす事が出来る。
昨日の晩に造った魔力ポーション製作所では無く㏋を回復ポーション供給施設です。
まぁ戦争が絶えない世界ですからこれも当然必需品です。
出来上がったポーションと昨日の魔力ポーションを収納に入れてから向かおうと考えてるのは
オ-ク狩りでは無く、レベルも結構上がったのでそろそろ本格的に国民の勧誘を始めようと思い
魔境の森の白色な点中立な存在について少し情報収集しようと思います。
この森をマップで確認したところ白点が集まる中立存在の集落らしき場所が5件ほど俺の拠点の30キロ程北の岩場に一つそこから更に北西に20キロ程離れた湖の近くに一つ、拠点を西側に30キロの魔境の森の中心に一つ、その森の中心の集落から北西方向と西側にも集落がある。因みにその場所から南に10キロ程の場所にも集落らしきモノが在るが赤い点(敵性存在)おそらくはオークの拠点だろう。この森オークばかりでるからさ。
まずは一番近い北の岩場に向かってみようかな
はい、体感時間で10秒程やってまいりました。早すぎるだろ!って?
今日は転移様に活躍してもらっています。
この魔法思わず敬称付けたくなってしまうほど便利な魔法でした。
【転移】
消費MP:1/キロ
マップ画面から任意の場所に転移する事が出来る。
この魔境の森が端から端までで大体70キロぐらい、要はMP70消費すれば一瞬で端から端まで移動出来ちゃうのよ。大陸の中央部の帝都までが大体1000キロ、大陸の西の端までが2200キロってとこだからレベルが上がって魔力が増えた今では帝都までの往復も可能です。
北の岩場では高さ100メ-トル程の巨大な岩の上に在る台地に集落らしきモノが作られていた
そこで暮らしていたのは上半身が女性で下半身が鳥の姿をしている、小柄な女性達美しい顔立ちというよりは幼い顔立ちををした者達が多い、岩場の蔭に隠れてこっそりと観察するが、女性ばかりしかも中学生ぐらいの顔立ちの女性を観察するとなると、どうも自分が犯罪者になった気分である。
ハ-ピ-だな、他の物語やゲームなどではモンスターとして登場する事も多いがこの世界では別に邪悪って訳では無いらしい。人数700人前後かな、言葉でコミュニケーションを取れるみたいだし、料理や洗濯をする姿も見られる。
手の代わりに鳥の羽が生えているため細かな作業には向いていないが代わりに羽ばたき足を器用に使い生活している、充分交渉可能とみていいのではないか
取り合えず先に他の集落をみておこう。
次は北の湖の近く集落に行ってみる、水場って事は定番リザードマンと見たが
「ここ(集落)は天国かよ・・・」
集落の近くの大木の上から集落を窺えば世の男性からは天国とも思える光景が広がっていた
上半身は美しいお姉さん、下半身は蛇という姿の美女たちが800人程のラミアの集落でした。
彼女達を見るだけで充分眼の保養になると言ってもいいんだが、皆様随分とご立派なモノをお持ちでしかもそれを惜し気も無く太陽の下に晒していらっしゃる。
お姉さん方幾ら女性ばかりとはいえ、せめて・・・お胸は隠した方が良いと思います。眼に毒です・・
このお姉さん方には是非ともうちに来て欲しい、てか戦闘になったら勝てる気がしませんあんな姿で攻撃されたら・・・・・・
せめて中立でいてくださいお願い致します。
これ以上この集落を見ていると本当に犯罪者になりそうだったので、
断腸の思いで魔境の森の中心の集落へ向かいます。
その集落は森のやや開けた場所に造られていた、周囲は木壁で囲われており見張り台の様な建物まである。集落の規模から見て住人は600人程か、住人は白髪で男女比は5:5イケメン、美女率がやけに高い。
この世界ってやっぱり美男美女率やけに高いんだよな。最初は普通の人間の集落と思っていたんだが、
2人の戦士らしき男が突然人から巨大な狼に変身しそれぞれ別の森の小道に向け走り出して行ったので
この集落の人間が純粋な人族では無い事が判った。
「人狼族か・・・・珍しいな」
人狼族は魔法は苦手とするが、種族特性に頑強と自己回復を持ち接近戦やその機動力を生かした高い攻撃力はこの世界でもトップクラスの強力な種族だ。
マップ画面で先程出て行った人狼達の行方を確認すると、彼等が向かって行った方向からそれぞれ10程の白点が集落に向かってきている。
やって来た方角から考えるとおそらくは残り2つの集落からこの集落に何らかの要件が有りやってきたのだろう
どうやらその予想は正しかったようで、人狼の戦士はやがてその集団と合流してこの集落に戻ってきている。
先に付いたのは北西の集落からきたと思われる褐色の肌と長い耳 銀の髪一団背中には皆長弓を背負っている。どうやら北西の集落はダークエルフの集落らしい。
ダークエルフの集団のすぐ後に到着したのは容姿はよく似ているが肌は白く、金髪の髪をした一団だった。
へぇー西の集落はエルフの集落なのか。
門で出迎えた人狼の集落の代表らしき壮年の男、美人だが眼つきの鋭いダ-クエルフの代表らしき女性
温和な笑みを浮かべているエルフの代表らしき男性は、軽く挨拶を交わした後に集落の中心にある、この集落で最も大きな建物に向かって歩いていく。
とても争いと言う感じではない、おそらくあそこでなんらかの話し合いが行われるんだろう。
う~~~~ん。。気になる。。
俺現状この時代のこの魔境の森周辺の状況全く判らないですよ。
例えばうちの拠点周辺だけ最初から妙に魔物も少なかったし、それなのに人が全くいなかったのかとか
この森の住人が何を欲していて、どんな考えなのかとか
それが判らなければ勧誘活動なんて出来ないよね。
う~~~~ん。。。。。。行ってみるか。
このスキル有れば多分バレんと思うんだ
【シャドウゲ-ト】
消費MP5
影に潜み
影と影を繋げて移動する事が出来る。
対象範囲は視界に写る範囲
【気配遮断】
使用MP5
使用者の気配を完全に他者から遮断する。
潜入捜査に最適な闇魔法です。多分これなら鋭い狼の嗅覚も誤魔化せるはず。
まぁもしバレても転移でにげちゃいますけどね!
「曲者だ!出会え-!」って言われてもその瞬間転移で逃げちゃってるから、
言った方が恥ずかしい思いするという。
なんという理不尽
そんなくだらない事を考えながら、視界に写る民家の影に向かってシャドウゲ-トの魔法を発動させた
「ファルナ様達がこの街に来るのって久し振りだよな。5年振りぐらいか?」
「あぁその位だよな。にしても相変わらず美人だよなぁ」
「ねぇねぇ見た?やっぱりエルフの戦士団ってカッコいいわよね。うちの連中と違ってガサツじゃなさおうだし。」
「だねぇ。私はやっぱりハティム様が好みよ、あの優しそうな笑顔が堪らない。」
「確かにカッコいいけど怒ると怖いらしいわよ。特に娘さん達の事になると。」
「ちょっとまたお肉値上がりしてるじゃない!」
「しょうがないだろ。南の森がずっとオ-ク共のせいで進入禁止になってるんだからよ、こっちもこれでギリギリなんだよ!」
この世界に来て初めて聞く人の声だ
ちゃんと理解できる、ひょっとして言葉が理解できなかったらどうしようか?
なんて少し心配してたんだ。杞憂で良かった
規模もそれ程大きな集落ではないので、直ぐに目的の建物に到着する。
門番らしき戦士が2人いるが、扉は開いていたので、影に潜って問題なく通過させてもらった。
会合が行われるだろう部屋は直ぐに見つかった、てか先程の3人が俺の潜んでいる前を人狼の代表らしい壮年の男に先導され進んでいったのだから。人狼の代表はは突き当りの部屋を開けて2人を招き入れる。
その隙に俺も彼等と一緒に部屋に入らせてもらいました、すかさず机の下に潜ります。
3人が椅子を引きそれぞれの席に座る。
うぉ!目の前に健康そうな褐色の太腿が・・・いかん・・集中集中
「さてまずは改めて、ファルナ殿ハティム殿この様な時期にわざわざ我が里まで出向いてもらい申し訳ない。」
会談の主催者であろう人狼の代表が口を開く
「いや、ゴーザ殿私も近いうちに会談をもたねばとは思っていた所でした」
「今この森は荒れてきてるからね、むしろもっと早く会談すべきだったんじゃないかと思ってるよ。それより他の2人はやはり来てないのかい?」
人狼の代表の名前がゴーザ、ダ-クエルフ代表の美人さんがファルナ、でエルフの代表の温和そうなイケメンがハティムという名前らしい
「うむ、一応使いの者は送ってはいるのだがな。ミルファ殿コルネリア殿は参加出来ないとの事だ。」
「相変わらずですか、あの二人にも困ったものです。」
「まぁ彼女達は自由気ままに生きてるからね。仕方無いんじゃないかな。」
「同じ守人として思う所はあるが今はそんな事を言っておれん。我が里の南の森でオ-クが大量発生しているその数は千を超えると思われる。」
「やはりその件だよね・・・うちの里でも南の森でのオークの目撃情報が多発しており多数の怪我人が出ている。本来なら最優先で対応すべきですが、、別件でそちらにはあまり注力出来ん状況です。」
「ハティム殿、別件とはやはりモテギアの連中の事ですか?」
モテギアとは魔境の森に隣接する屑君主の治める領地だ。
確かあの君主奴隷売買で大儲けしてたよな。
「はい、既に里の者が子供含めて30人程行方知れずになっておりまして、戦士団が捜索しておりますがおそらく外の者の犯行かと。その件でモテギアに苦情を言った所食料の売買まで止められましたよ。もしやファルナ殿の里でも?」
「そうです、私の里でも20人程が行方しれずとなっております、ほとんどが女子供ですね。うちの戦士団が犯行現場と思われる地域で西に続く馬車の車輪跡を見つけております。」
「むぅオークだけでなくモテギアの屑共まで動き出してきておるのか。それではオークに協力して当たる事はできんな。」
「申し訳ないゴーザ殿、正直言うとモテギアの事で手一杯の状況です。多少の兵なら融通できますが?」
「うちの里は南と西で問題が起きてるからね。どちらも火急の件なのは判っているけど実害が出てる分モテギア方面を優先せざる得ない苦しい状況だよ。」
「いや、すまなかったその様な事になっておるとは知りませなんだ。ファルナ殿もハティム殿も西のモテギアへの対応を優先して欲しい。もし捜索に人狼の嗅覚が必要ならば声をかけて欲しい。喜んで協力させてもらう。それと最後に提案というよりは相談なのだが、現状南の森がこの様な状況になっておって、我等の里の食料の状況がかなり厳しい状況になってきておる。一時的に東の森、いや聖地での狩猟を一時的に解放してもらえないだろうか?」
「気持ちは判るが・・・700年以上守られた守人の掟を我等の代で破るのは・・・うちもゴーザ殿と似たような状況だが外からの別ルートでの食料輸入を試みているから、それが為ればそちらにも食料を回させてもらうよ。」
「・・・私も反対です。食料なら里の過剰在庫を僅かでも廻せるようにいたします。モテギア以外の伝手も当たって見ますので。」
「助かる・・・・2人共埒が明か無い事を言った。すまなかった。」
「いえ、里の者を飢えさせる訳にはまいりませんからね。ゴーザ殿のお気持ちもよく判ります」
「最近は森の中だけでなく、森の外も騒がしいからね。僕らの様な君主という寄辺を持たない弱小勢力は助け合わないとこれから生きていけないからね。」
「そうだな。では今日の所はこの辺りで・・・・」
会談が終わりを確認して、さっくりと転移で集落から少し離れた森に移動する。
思った以上に色々と情報が得られたな
現状この森はいくつかの問題が起きている事
1.オ-クの大量発生
2.食糧問題
3.外敵の潜入
こんなところか?それと彼等以外にも2つの種族が一応同盟関係に近い状態にあるらしいとの事、彼女達と言っていたからおそらくは先程偵察した集落のハ-ピ-達とラミア達の事だろう。ミルファ殿とコルネリア殿と言っていたが、族長の名前かな。
それと・・・・・・・・最期に聞き捨てならん事を言ってなかったか?
東の森ってうちの拠点があるとこだよね?
なんか聖地とか言ってたんだけど
「700年以上守られた掟」とか随分と重い事言ってたんだけど・・・・
俺森林伐採しまくってるんですけど!
聖地で農業しまくってるんですけど!
建物結構建てちゃったんですけど!
土下座して謝ったら・・・・許してくれますかね?