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アウグスト戦記   作者: 青い眼の兎
序章
15/40

城館完成からの~~建国

7日目


いや~~昨日は酷い目にあいました。まさか魔力切れがあんないキツイとは結局皆には魔力切れだと伝えて寝れば治ると伝えたんですけど何人かで交代で看病してくれました。ホントすいません。


それでも午前中は絶対安静を仰せつかって部屋で休んでいたんですが、魔力もすっかり回復して身体もすっかり元通りなんとか娘達を説得して午後からやっと仕事の許可を貰ったところです。

娘達から、くれぐれも無理はしないように!と言われてるのでほどほどに頑張ろうと思ってます。


ですが・・・・・俺にはどうしても欲しい施設が有るんです。


※城館※

必要魔力:10000

・中級~上級君主の暮らす平均的館、120人の兵士を配置する事が出来る。

・防衛力8・魔力体力回復効果(中)・大浴場・兵士の士気アップ(小)・物品倉庫・会議室・大食堂


こいつです。

必要魔力はなんと1万、その必要魔力に見合った大浴場、大食堂、会議場などを備えた高性能な館となっており、魔力の回復量も高い。ゲーム時代も製作可能に成れば最優先で建てていた施設だ。

今まではその必要魔力の高さから諦めてましたが、技巧の指輪のお蔭で実質建設コストは8000、今の魔力量からすると▲2500程で出来る計算だ。昨日の経験上その位のマイナスなら身体は重いが、意識を失う程ではないはずだ。



う~~ん、考えてたらマジで欲しくなってきた・・・・・流石に昨日の今日でまた娘に叱られるのは勘弁してもらいたいとこだが・・・


そろそろエルフやダ-クエルフもこちらの様子を伺いに来る頃だし、見栄的な意味でも欲しい所なんだよな・・誰も粗末な家に住んでいる君主の配下に成りたいと思わないでしょ。


よし決めた造ろう!


後はちゃんと話して納得して貰えばいいさ。


そして俺は丁度昼の時間でオ-ク狩りや訓練所から戻って来た娘達に集合を掛けたのだった。



「城館ですか・・・?幾らラル様とは言え流石にそれは・・昨日倒れられたのお忘れですか?」


「本当にそんなの此処に出来るんですか無理してませんか?」


「昨日の今日で流石にやめられたほうが・・・・」


「主殿無理はしない方が良いぞ。もう主殿だけの身体では無いのだから。」


むぅやはり否定派が多いな・・ならば


「心配してくれるのは嬉しいが、これはこの国に必要な施設なんだ・・・」

そう言って俺は城館の施設の有用性を説明する、会議室の重要性、物品倉庫の便利さ、大食堂の利便性

そして大浴場の気持ち良さを・・語って聞かせた。


「う~~ん、凄い事は判ったけど、問題はそこじゃなくてラルフさんが無理してないかって事なのよ。」


「そうですわ。昨日のラルフ様が倒れられた時はホントに寿命が縮む思いでしたわ。」


「お風呂なら主のお風呂で充分気持ちいい。」


「また倒れられたら大変ですわ。ご自重くださいませ。」


ふぅぅ~~皆の俺を心配する気持ちが伝わってくる。有り難い事だ、その気持ちを無視してまで造る物ではないな。やっぱりやめて置こう、もう少し魔力を上げてから考えればいい、地道に行くとするか。


「皆昨日は心配掛けたみたいですまないな、皆が心配してくれる気持ちは素直に嬉しいから今回は諦める事にするよ。皆と一緒に住めるのを少し楽しみにしてたんだけどね。ハハハ」


最後のは少し気恥ずかしい事を言ったのでそれを誤魔化す様に言った冗談のつもりだったのだが

その冗談にこの場の雰囲気と皆の目付きがガラッと変わった。


「あ、あのラル様!皆とその一緒に住むと言うのは・・・?」

食いつき気味に質問するアイリ-ン

「・・・・ん?あぁいやその城館だと部屋が沢山有るからな皆で住んでも余るくらいだ・・・勿論希望者だけだがな・・・無理に・・・」

アイリ-ンの勢いに押され気味に答えると


「はい!はい!希望します!」


「ちょっとティナズルい!私も私も!」


「私もパパと一緒のお家がいい~~♪」


「私もお世話するご主人様のお屋敷に引っ越させて貰いますわ。」


「そうですわね。私もそろそろラル様に相応しい屋敷が必要に思えてきました!お部屋はラル様の近くでお願いしますわね。」


「なに抜け駆けしてるの姉さん、そういうのはちゃんと話し合うって言ったじゃないの!私だってラルフ様の近くがいいわ。」


その場には建設賛同の声と入居希望の声


忽ち全員一致で城館の建設が許可されました。そして全員入居希望です。


なんか結果オーライなんですが・・・・・なんだろうねこの胸のモヤモヤは・・・


まぁいいか、娘達の気が変わらないうちにと


 建設場所は大樹の根元の泉の畔の元々俺の家が建てられていた場所だ、ちなみにだが元の家を解体する必要は無い元の施設は使用された魔力の一部が新たな施設に還元されるなんともエコな使用になっているからだ。


そして俺は娘達が見守る中、君主コマンドを意識する


脳内にいつもの城館を建築しますか?(yes/no)


という選択肢が現れyesを選択


身体から大量の魔力が抜き出ていく感覚と引き換えに目の前には巨大な建築物が現れた


現れた3階建ての石造りの城館は上級貴族の館に華やかさでは多少見劣りするが、その分堅牢差は遥かに上回っているといってもいい、館でも城としての意味合いがより強い施設と言っていいだろう。部屋数も50を上回る程で今いる全員が余裕で暮らせる。



「姉さん・・・私達が住んでたお城より立派じゃない?」


「ええ・・・間違い無く。広さも素材も高級な物が使われていますね。」


「金貨10万枚でも建てられないかと・・・・・」


「「「わぁぁぁぁ~~♪大きい~~♪」」」


唖然とする女性達とはしゃぐ少女組、まぁ幸いな事に皆の評判は悪くないようだ。


昨日程では無いが流石に身体が重い・・・・・せっかくだし一番風呂を頂くとしよう。


「俺は風呂で魔力回復して来るから皆は屋敷見学するなり、訓練するなり好きにしていいからな。」



「お~~いルナ、悪いが風呂入りたいから湯を張ってくれないか?」


「は~~い♪」




遥かに望は水平線、その先には僅かに島影が見える。近くに眼を向ければ壮大な城壁と清浄な水を湛えた水堀がその先には広大な緑の森が続きその緑を割るようにたっぷりと水を湛えた川がゆったりと海に向かって流れている、森と海の境には白い砂浜が続いている。


まさに絶景と言っていいだろう。

この絶景はいま俺が浸かっているいる、大浴場から見えるものだ。この大浴場なんと露天風呂までついているのだ!この新しい城館は3階建てとなるのだが、その3階部分の半分が大浴場となっている、50人は足を延ばしてゆったりと浸かれる湯舟には雨の日でも浸かれるようにちゃんと板張りの屋根までついている。オマケに美しい日本庭園まで設置されており、浸かる人を飽きさせない。この城館設計した人はホントに天才か!と思いたくなる程至れり尽くせりな浴場なのだ。因みにこの露天風呂の隣には同じ規模のシャワー付きの内風呂まで付いている。正直とても異世界とは思えない日本の高級旅館並みの施設です。


そんな豪華な露天風呂に絶景を見ながらゆったりと浸かる。これ以上の贅沢が有るのだろうか・・・

いや有ります!


「ふぅぅぅ~~♪このお風呂凄いですわねラル様~~♪♪」


「ホントこんなお風呂上級君主だってきっと浸かった事無いと思うよ♪」


「主殿は凄いなぁぁふぅぅ疲れが溶けてくようだよ♪」


「流石ご主人様です。良ければお背中お流ししましょうか?」


「あぁ幸せ~~♪らるふさんに助けてもらってよかった♪」


「そうですね。ほんと今はまるで夢の世界の様に思えますわ♪」


湯舟で寛ぐ美女達、それぞれが風景を楽しんだり庭に驚いたり単純に湯をたのしんだり、

これ。ルナさんはしゃいで泳いだりしちゃダメですよ。

ランさんも尻尾でばちゃばちゃしちゃだめです。



はい・・違う意味での絶景が此処には広がっていました。


何故こうなってるかというと、大浴場に向かう俺とルナの後を全員がぞろぞろ付いてくるのだ、ん?とは思ったが館の見学は好きにしていいと言ったし、まぁいいかと思っていたのです。

それが、大浴場に着いてルナが魔力で湯を張ると皆さん躊躇なく脱ぎだすんですよ。

はい、もうその時点んでもう私諦めましたよ。

今時のアニメの純情系な主人公じゃ有りませんし、それなりに経験もさせて頂いておりますわ。こうゆうのは恥ずかしがった方が負けなんです!

まぁ・・・・・天国に一番近い場所なのは認めます。眼福です。


にしても・・・・・皆楽しそうに幸せそうに笑っている。


彼女達は皆才能に溢れていた、それこそゲームでプレイした君主や英雄達のの様に


しかし彼女達はゲームでは登場する事は無かった。


これ程の才能溢れる娘達なのに何故か


彼女達は・・・・・ゲームが始まりである720年の4月には、


もうこの世界には存在していなかったのだろう。


何らかの理由で若くして非業の死をとげたのだろう。


だが・・・・この世界では生きている、そうだ間違いなく生きている!


今俺の目の前でとびっきりの笑顔で笑っていてくれる・・・・・・この笑顔を見れただけで


俺はこの世界に来た甲斐が有ったと思う。


「ラ-様♪何ちょっと寂しそうなお顔されてるんですか?よろしかったら私が2人だけで慰めて差し上げましょうか♪」


こっちが少しセンチな気分に浸っていたのを邪魔するのは、カミラ今でこそ魔族に成って若変えっているが、元は27歳とメンバ-最年長だ、おっと歳の事は触れちゃいけない、クライドの様にはなりたくない。子供好きで面倒見も良い優しい女性だが、例にもれず中々重い過去を背負っており、かなり強かな女性だ。今も立派なモノが俺の腕に触れているが、それ絶対わざとだろう。

最高の感触ありがとうございます!


「皆元気そうで良かったと思っていたとこさ。」


「ほんとですわね・・・・・ねぇラ-様?」


「ん?どうした?」


「ラ-様は此処で国を造るおつもりなんですよね?一体どんなお国を造るつもりなんですか?」


「・・・そうだな・・」


「少しお待ち下さいな・・・・皆ちょっと集合~~ラ-様が話があるって!」


まぁいいか・・皆にも話して置いた方が良いだろう


どうしたの~~♪って感じで裸の美女が集まってくる。


こういった時には魔族の種族特性、状態異常無効に感謝だ・・


「あぁ皆楽しんでる所すまんな。今カミラと少し話ていたんだが、これからどんな国を造っていこうかって。皆にも聞いてもらいたいし皆の話も聞きたいと思ったんだ。」


29人の美しい女性達の視線が集まる、あって間もないが皆間違いなく俺の大切な仲間であり身内だと感じる、まるで長年連れ添って来た家族の様に魔族には同族を家族と同様に感じる種族特性でも付いてるのかもな、現に彼女達は皆仲が良い。


「あぁ俺は国を造るつもりだ、此処にいる皆とクライドそしてこれから出会うであろう仲間達と共にな、だが勘違いはしないで欲しい俺は何より君達を大事に思っている。それは国よりもだ。国の為に君達が在るのでは無く君達の為に国がある在るんだ。だから何よりも自分を大事にして欲しい、国の為に戦うのは大事な事だとは思うが、私にとってはそれ以上に君達の命の方が大事なのだから。」


甘い事を言っている自覚はある、だが眷属化の副作用なのか、俺は彼女達の事を家族同然の身内娘の様に感じてしまっているのだ。

 娘を先に見送るなんてどんな親だって嫌だろう。


「・・・・・・うぅ・・相変わらずズルいですわラル様、そんな言い方をされたら頷くしかできませんわ。その・・私達を大切って大事だって言って頂けて嬉しいです!ただ私達にとってもラル様はかけがえのない方だとちゃんと覚えておいてくださいね!」


顔を赤らめて、少し恥ずかしそうに話すアイリ-ンは珍しい、まぁ皆朱い顔してるけど


「うん!判ったよラルフさん!ちゃんと危なくなったら逃げるから心配しなくていいよ!」


そうそうそれでいいんですよ!セラさん


「ハハ、セラそんな感じで頼むぞ。それで皆は自分を大切にしながら、自分ならどんな国を世界を造りたいと思ってるんだい?難しく考えなくていいぞ、自分のやりたい事でもいいからな。」


「・・・・・私は戦乱の無い世界が造りたいですわ。」


国を追われた彼女アイリ-ンらしいな。


「私は姉さんと似てますが・・・秩序と法で治める世界ですね。」


真面目なエイリ-ンらしい答えだ。


「私は主殿の造る世界を見てみたい。随分優しい世界になりそうだからな!」


武人らしいある意味メリッサらしい答えだな


「私は主が言ってた頑張った人がちゃんと報われる世界が良い。頑張ったら一杯ご飯食べれる。」


ルナの眷属化の時に言った言葉だな、ちゃんと覚えてくれたようだ


「私はご主人様に仕え身の回りのお世話をするだけですわ。ただご主人様が間違った道に進むことが有ったならそれをお諫めするのもメイドの仕事で御座います。」


クラリッサさんそれはメイドの仕事じゃないと思います。でも頼もしいです。


「私は皆が美味しい料理を食べれる世界がいいです!」


料理が好きなティナらしい。食事は生活の基本ですよね


「私は大陸中を結ぶ道がある世界かしら、そうすればより世界が豊かになるでしょうから。」


流石元商家のお嬢さんのヨナだ。経済の事をちゃんと理解している


「良い人が悪い事をしなくても生きていける世界がいいかな。」


セラだ、彼女の為にクライドが悪事に手を染めた事を気にしているのだろう。優しい娘だ


「・・・僕は・・・初めて・・家族が出来たから・・家族が離れ離れになるのヤダ、そうゆうのがない世界がいい」

獣人人族のハーフのサラだ、言葉使いは男の子っぽいけどれっきとした可愛らしい猫耳の女の子だ。

ルナとティナと歳も近く大の仲良しだ。両親も知らない彼女らしい答えだ、後で甘やかしてやろう


「私は弱者が逃げ惑わなくて良い世界が欲しいです。」

妖狐族のランだ、彼女も妹連れて色々苦労したみたいだからな


「皆と楽しい事するの~~♪」


皆のアイドルキクちゃんです。みんなほっこりしています


「私は安心して働ける世界が欲しいです。せっかく働いてもそれを理不尽に奪われるのはもう嫌です。」


野盗にに村を滅ぼされたんだその気持ちは判る。真面目な委員長タイプで責任感の強いシェリーらしい答えだな。


「あたいは、牧場をもっと増やしたい、家畜が増えれば人も増えるよ。」


シェリーと同じ村出身のベルだ、動物が好きでうちの馬の世話も彼女がしていてくれる。活発な可愛い子だな

「私は薬の学校があると嬉しいです。薬や薬草の事もっとべんきょう勉強したいです。」


シェリー、ベル、そしてマリンこの三人が同じ村出身で仲良しだ幼馴染だ、彼女の薬師だったようで薬草や薬の知識は高い、彼女にポーション製作所を任せたら生産量が倍になった。頼りになるしっかり者の少女だ。


「フフフ、私は子供に優しい世界が欲しいですわ。だって子供って可愛いじゃない、ねぇラ-様私そろそろ子供がほしい欲しいかなぁっておもってますの♪」


カミラさん露骨にアピール止めて、小さい子もいるんですから。そんなユサユサしてアピールしなくても大きのはしってますから・・・止めて。マジでヤバいから止めて・・・


「御屋形様の想いのままにお進みくださいまし。私はその道を共に往ければ満足で度座います。」


シェリル サンテール、魔術の名門サンテール家に生まれた少女だ、彼女は俺から闇魔法と時空魔法を継承した。そしてその魔法を即理解し使い熟した。魔法の天才と言っていい。しかしこの娘怖いのですよ、今も俺を見るその眼現世に現れた神を見る狂信者の眼、『ラルフ様に逆らうモノは皆殺しですわ。』とか言って平気で虐殺とかしそうなんです。頼むから虐殺とか止めてくださいね。


「拙者が・・父から学んだのは剣を振る事だけ、この剣で殿や皆を守りたい。」


小さな剣士クオン、仕える君主を求めて父と共にこの世界を旅していたそうだ、そんな旅の途中で盗賊にに襲われ父を失い自身も奴隷とされた。剣の才能はかなりのモノでさっきも出来たばかりの訓練場で剣の訓練していたが少なくとも俺よりはかなり優秀のようだ。


「もちろん私は女神様とラルフ様の偉大さが民にちゃんと理解される世界ですわ。」


フランさん清楚な佇まいの美女だが、何処かシェリルと同じ匂いのする。現に2人は仲が良いしな、元々ザクロネリア教のシスターだったが巡教の旅の途中で世界の悲惨な現状を知り、そして盗賊に捕えらえて自信も地獄を経験したことにより、力を信奉するザクロス教の教えを捨てて女神教に改宗した、それだけなら良いのだがその俺まで神様扱いは止めてください。ホント頼みます


「私はラルフ様の元で共に戦う美貌の女将軍に成り世界に名を轟かせて見せますわ。」


夢見る少女の雰囲気で語るのはジュリア、まぁ夢で終わらせないだけの実力はあるし、何よりも努力家だ

彼女の夢が叶う日もそんなに遠くないかもしれない。問題は夢多き彼女がその夢を持ち続けていけるのか?そっちのほうが心配だ。


「・・・・・私は、、大きな劇場が欲しいです・・みんな喜ぶと思います。」


少しおどおどして話すのは内気な少女のミレイだ。そんな彼女も歌を歌い出すとまるで別人になる。美しく堂々と歌う姿はまさに歌姫と呼んでもいいだろう。うん、平和に成れば劇場も悪くないな、俺もミレイの歌声をそこで聞きたいものだ。


「悪人の居ない世界が欲しい、その為に私もラルフ様と戦う。」


腕の良い船乗りだった父と共に海を航海していたミランダ、そこで海賊に襲われ父を失った、そして彼女も随分と海賊達に酷い目に合わされたようだ、そしてボロボロになりながらもなんとか逃げだした所を今度は野盗に捕まった。若くして何とも不運で悲惨な経験した彼女が男性恐怖症になってしまった事は当然といえるだろう、今はそれを少し克服して重度の男性嫌いになっている。彼女の心の傷を少しずつ癒してやりたいと思う。


「私は愚かな君主が治める国の悲惨さから、もっと民に自由と権利を与えるべきと考えておりましたが、無知な者に権力を与えるのも害になる事を知りました。正直今はどれが理想なのか私には判りませんが、ラルフ様のお手伝いをする上でその答えを見つけていきたいと思っています。」


大企業に勤める智的な美人秘書の様な佇まいのロゼールなんとも眼鏡が似合いそう。元々何処かの君主の下で内政官をやっていただけあって言ってる事も凄い、まぁ現代の地球でもそれの答えは出てませんけどね。俺の秘書は彼女に頼みたい、是非とも俺を助けて欲しい所だ。


「俺は大迷宮を制覇したい!」


言葉遣いや仕草は完全に男の子だが、勢いよく湯船から立ち上がって丸見えになった姿は、はいちゃんと生えてません、立派な女子です。シルヴィ活発で男勝りな虎人族の少女だ。獣人らしく力も強く大剣を木の枝の様に振り回していました。なんで盗賊に捕まった?と疑問に思ったがどうやら空腹で倒れてるところを攫われたらしい。うん、迷宮行くのはいいけどお守が要必要だな。


「私はここの皆が元気で暮らせるならそれでいいです。」


ソレーヌ彼女は出会ってからずっと顔に包帯を巻いていた、どうやら顔に酷い怪我をしていたらしい。

それでも年少の娘の世話やや家事をするのは好きなようで活発に働いていた。

そんな彼女が昨日眷属となって怪我が癒えて包帯を取って素顔で現れた時は驚いた、少し憂いをおびていたがとんでもない美女だったからだ。


「わしとしては魔術、付与、錬金術、鍛冶など様々な物事を探求する研究施設が欲しいのぅ。」


「それいいな!オレイアその施設の横に鍛冶場も造っておくれよ!」


「私もそこで魔道具の研究をしますわ。」


「私は其処で錬金術をきわめたいですわね。貴女達となら研究がはかどりそうです。」


エルフの付与士であるオレイアの提案に喰い付いたのは研究や物造りが大好きな娘達、鍛冶師の娘だった

姉御肌な娘エンり、魔道具職人の娘少しガサツな美少女コレット、錬金術の研究が趣味の錬金術師の知的系美女のクレールだ。この生産組は話も合うらしく仲もよい。

オレイアに言われるまでもなく研究施設や鍛冶場は近いうちに欲しいと思っていたのだ。

彼女達に魔力が回復したら早速造るよ。と話したら随分と喜んでいた。

娘が喜んでくれて嬉しいです。


そして最後に残ったのが昨日俺が最後に眷属化した少女サクラだ

そのどこか神秘的で高貴な雰囲気を纏う絶世と言っても決して過言ではない美貌を持つ美女は

俺をその美しい紅い眼で優しく見つめながら


「貴方と共に在れる世界を」


そう言ってくれた。彼女の短いがその気持ちが込められた真摯な言葉は、何故か俺の心に深く響いた・・



「・・・・そうか皆ありがとう。絶対・・・とは言い切れないけど、君達の願いを叶える為に努力し戦う事を俺は此処で皆に誓う。これからも皆よろしく頼む。」


「お任せ下さい!」「僕に任せて!」「何処までもお供させて頂きます!」


大浴場に娘達の同意の声が響く。


そんな中顎に手を当てて考え込んでいたオレイアが俺に問いかけててきた。


「のぉラルフ様、それでこの国の名は決まっているのかの?」


「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」


打ってて帰って静まり返る浴場、娘達の期待の込められた瞳が俺を射抜く


勿論決まってる・・・・訳が無い


・・・・魔人国・・安直すぎるだろ!

この世界の名前からとってアウグストとかは・・・なんかピンとこない・・

焦れば焦るほどいい案が浮かびそうにない・・・とりあえず


「ゴホッン、一応案はいくつか有るのだがな・・ここは皆の国のなでも有る、先に皆の意見を聞いておきたいな。」

回避しときます。

逆に今度は娘達が頭をひねり考え込むそんな中で一番に手を上げたのがシェリルだ

自信満々で発表した国名は

「ここはラルフ様の造られる国です。ですから国名はラルフ国!これしかあり得ませんわ!」


マジ止めてくれ!自分の名前を国名とか何処の独裁者だよ・・・・しかも若干とは言えない賛同の声も上がっており、頷いている娘達も多数いる。賛同者の中心はやはり狂信シスタ-フランだ。


「ラルフ国も良いとは思うけど、やっぱり俺のの方がいいと思うぜ、メガタイガ-!どうだ強そうじゃないか?」

シルヴィ・・・確かに強そうな名前だがそれ以上にアホそうな名前だ、賛同者は・・・居ないようだ、よかった。

「ここは女神様のを信仰するくになんだか国ですから、女神様の名前をお借りしてアステリアなんて良いかと思いますが。」

流石頭脳派のエイリ-ン、この提案には賛同の声も多く上がり、俺もそれでいいかなと思っていたんだが、最後に不思議な雰囲気の美女サクラが


「エルレシアはいかがでしょうか?意味は古代語で理想郷ですわ。」


お、エルレシアか・・・・うん響きが良いな。


「エルレシア・・・・よろしいのでは?」


「うん、なんかいいな!」


「優雅な響きで良いですわね。」


各所で上がる賛同の声


そのサクラの提案になんと全員が賛成し国の名前は、エルレシアときまったのだった。


こうして俺達の本格的な国造りが始まる事となったのだ。





因みに後の世では、この建国が宣言された4月7日を国の最も重要な記念日として毎年その日には盛大な建国を祝う国民総出の祝祭が開かれのるそうな。



ここまで読んで頂いた皆様本当にありがとうございましたm(__)m

これで一応序章は完結致しました。

次章では最果て森の他の部族との交渉の話になります。現状主人公達は弱小勢力ですのでまだまだ大規模な戦争は起こりません。起きたら詰みます。

これからもよろしくお願いします。m(__)m

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