突然の異変
6日目
昨日の深夜まで及んだ宴会にも関わらずどうやら相当酒に強いらしいこの身体は2日酔いに悩まさられる事も無く朝日が昇る時刻にはすっきりと目が覚めた。昨日の惨状をから考えるとうちの娘さん達が目覚めるのはもう少し後になる事でしょう。
きっと起きたらまた2日酔いの苦しみから神剣での回復を強請られそうだ、神剣をそんな事に使って良いのか?とも考えんでもないが、世のお父さん方と一緒で俺も娘には甘いのだよ。頼まれたらとても断れる気がしませんわ。
お参りを済ませ、一晩寝て回復した魔力で今日建設しようと思っている施設はこいつだ。
※訓練所※
必要魔力:2500
スキルの獲得経験値量50%UP
訓練中の怪我、死亡等を防ぐ。
昨日の経験でうちの娘達がかなり優秀な事が判った。当初は序盤は俺一人で行動した方が早いと思っていたのだが、彼女達の実力を見ると彼女達に手伝って貰った方が何倍も効率が良さそうなのだ。
そしてなによりもこの過酷な世界で多少の悪意なら自分の手で撥ね退けられる様になって欲しい、死ぬつもりは毛頭ないが、俺はこの世界の苛酷さを知っている。敵の強大さをよくしっているのだから。
俺が死んだとしてもせめて彼女達には幸せでいて欲しいものだ。
なのでまずは彼女達の眷属化とその育成に力をいれようと思っている。※訓練所※この施設は彼女達の成長の大きな力となってくれる施設だ。オ-ク狩りでレベルは上げられるがスキルのレベルは早々は上げられない。ある程度素のレベルが上がった後はここで剣術や魔法のスキルレベルを上げたほうがかなり効率よく強くなれる。俺も剣術スキルが欲しいのでここでメリッサ師匠に鍛えてもらうつもりです。
この施設が有れば皆怪我無く安全に訓練できるはずだ。
まだメリッサも誰も起きて来る気配も無いので、早速訓練場で神剣を腰から抜いて素振りを行ってみる事にした。
中高と剣道部だったので全くの素人ではないが、勿論真剣なんて振り回した事は無いし剣道の竹刀とは重量も形も違う。学生時代を思い出しながら素振りを行う500を数えた辺りで視界にユラユラ揺れる茶色い尻尾が眼に入った。
「おはよう。キクこっちにおいでよ。」
呼ばれてひょこひょこ近づいて来るのはうちの癒し担当、狐耳とモフモフ尻尾を生やした妖狐族のキクちゃん8歳です。
「おはよぅ♪パパ~~♪」
そう言って俺の腰に抱き着いて来るこの美幼女の破壊力は抜群だ。
当然だが実子では有りません、盗賊の砦から助けた時は姉のランの影に隠れて震えていたが
女神様からの支給品にあった飴をあげたら滅茶苦茶懐いてくれました。餌付けじゃありませんよ。
一瞬で保護欲がマックスにまで高まるのを感じる。
そっっちの趣味の方々なら一発で撃沈間違い無しだ。
「姉さんはどうしたの?まだ寝てるのかい?」
「うん。何度起こしても起きないの~~だから一人でお散歩してたら知らない建物出来てて覗いたらパパ見つけたの~♪」
「そうか1人でお散歩出来て偉いな!ご褒美あげないとないけないな。」
俺は女神様の革袋から支給されたキクお気に入りの飴玉を渡す。因みにグレープ味です。
「わ~~♪ありがとうパパ♪すんごっく美味しいね!」
これぞ天使の微笑み!と言わんばかりの満面の笑顔で笑うキク。その顔で我儘言われたらパパはどんな我儘でも聞いちゃう自信がありますよ。
「だろぉ。でもお散歩はあまり一人で遠くまでは行っちゃだめだからね。」
「うん。判ったキク良い子だからパパの言う事ちゃんと聞くの。」
「お利口だなキクは、じゃあ一緒にお家まで帰ろうか。そろそろお姉ちゃんも起きてるかもしれないよ。」
「うん♪」
キクと手を繋いでゆっくりと歩いてキクの家に向かう、近くなので直ぐにキクの家が見えた
家まで50メートル近くの所で突然キクの家の扉が乱暴に開かれた、其処に居たのはキクと同じく狐耳と尻尾を生やした青みがかった薄い銀色の長い髪をした少女だ。普段は美しくしっかりと整えられているその長い髪はぼさぼさで至る所跳ねている、その綺麗な顔にも焦りの色がうかがえる。
「お姉ちゃん~~♪」
姉に向かって駆け出すキク、姉の元まで駆け寄って姉にダイブする姿に微笑みながら
俺もキクの後を追う。
「ラルフ様おはようございます。キクがご迷惑をお掛けしたみたいで、すいません。」
そう言って頭を下げる彼女の表情にもう焦りの色は無い、どうやら起きたらキクが居なくて焦って探しに行く所だったようだ。
「おはようラン。俺は何もしていなから気にする事はないぞ。たまたま散歩してたキクと鉢合わせただけだ。」
「そうだよ。キク何も悪い事してないよ。パパ良い子だって褒めてくれてご褒美で甘くて美味しいのくれたもん♪」
「それは良かったわね。でもこれからは出掛ける時はちゃんとお姉ちゃんに声をかけてから行くのよ。」
「え~~キクちゃんとお姉ちゃんに声かけたのに~~お姉ちゃん起こそうとしてもパパの名前呼ぶだけで起こしてるのキクなのに・・・・・・」
「あわわわわわわわわぁ・・・・・・」
意味不明な言葉を発しながら、妹の口を塞ぐ真っ赤な顔をした綺麗系なお姉ちゃん、普段の隙の無いクールビューティーが台無しである。そんな彼女にトドメを刺したのが
「う~~ん、朝から煩い・・・ルナまだ眠いのぉ・・・・ラン・・そんなぼさぼさの髪で何してるの?おぉ主だ~~おはよぅ~~」
半分寝ぼけたルナだった。
俺がルナに挨拶を返すより先に・・・自分の姿を思い出したしたランが
「きゃぁぁぁぁぁぁぁ~~」
と叫び声を挙げながらキクを脇に抱え家の中に逃げ込んで扉を閉めてしまった。
今更逃げても遅いと思うんだが・・・・・・・・
まぁ・・・・帰ろ。。
そう立ち去ろうとおもった俺に恥ずかしそうなか細い声が聞こえた
「あ・・・・の・・ラルフ様後程・・・伺いますので、よろしくお願いいたします。」
振り替えると扉の隙間から真っ赤な顔を半分出して恥ずかしそうに話すランが、片方だけ出ている狐耳も真っ赤でした。何この可愛い生物!
さ~~て今日のお仕事の始まりだ。今日のおれの仕事は目の前の期待に満ちた瞳で俺をみている美女や美少女達を眷属化する事です。
昨日の宴会前に新たに4人眷属としてるので残り16人その全員を今日中に眷属にしちゃおうと思っています。今の俺の魔力はレベルがあがって約5000程、眷属化に必要な魔力は平均で1000時間当たりのMPの回復は現状城壁、水堀の建設で600前後まで上がっている。そして昨日の眷属化でどうやら眷属スキルのレベルが上がった様で、眷属化時の消費魔力が減少したようだ。
そしてなによりもこの指輪が俺を後押しした
【技巧の指輪】 レアリティ★★★
かつて万軍を率いた将軍が使用していた指輪
効果
・スキル使用時のMP軽減20%
昨日のオ-ク狩りの前に、盗賊達からの戦利品の魔道具や美術品の整理をヨナに頼んでいたのだが、いくつか利用価値の高そうな魔道具を見つけて渡してくれたのだ。その中にあったのがこいつだ。
君主や眷属化もスキルなのでその恩恵に預かる事が出来る。
この指輪なんかレアリティ★★★の割には使い勝手よすぎませんかね。即俺のメイン装備の1つになりました!ヨナさんありがとう!
この指輪の発見もあり最初は俺も無謀かなとも思ったが、行けそうだとの結論に至りこの時を迎えました。
今俺の眼の前に居るのは6人、中には朝合ったらんとキクの姉妹もいた2人共後ろの尻尾がワサワサと揺れている、その動きが全く同じというところはやはり姉妹らしい。
さて皆の瞳と2尾の尻尾が『早く早く~~♪』と語っているきがする、では新たな家族を迎えるとしましょうか。
こうして俺はこの日一日がかりで新たに16人の家族を迎える事となった・・のだがその最後の一人の少女サクラを眷属化して俺は意識を失ったのだった。
鼻腔をくすぐるほのかな良い香りに意識が少しずつ覚醒していく
背中に感じる柔らかな感触で自分がベットに横たわって居る事に気が付く
あれ・・・いつの間にベットに入った・・・・?
確か・・・・・そうだ、確か眷属化のスキルを使ってて最後にサクラに・・・
そこから先の記憶が・・・無い・・な
ちゃんと成功してるかどうか・・・確認しないとな。
にしても身体が重い・・・・
やけに重い瞼を開ける・・・
其処はやはり見慣れた俺の部屋だった。
そして俺のベットを囲む美女達その表情は悲壮感に溢れており、まるで不治の病に罹った肉親を見舞うかのような悲痛な表情だ。
あぁ申し訳ない事をした。どうやら彼女達に随分と心配を掛けてしまったようだ。
「す、すまないな、心配を・・掛けたようだ。」
自分で出した声の弱々しさに自分で驚いたが、
「ラル様!?」
「気が付かれたのですね!何処か調子の悪い所は?」
「痛い所無い?」
「眼が覚めたのね!良かった~~」
娘達に少し安堵の表情が宿った。
「サクラに眷属化を行ったまでは・・覚えているがその後の記憶がない・・・サクラは無事か?」
「はい・・・・そのご迷惑をおかけしたみたいで、そのごめんなさい。」
深緑の髪のしたどこか神秘的で不思議な雰囲気の美女が申し訳なさそうな顔で頭をさげる。
瞳を見るに皆と同じ紅い瞳だったので取り敢えず成功していたようだ。
「ふぅ~~。良かった。」
取り敢えず成功したようで良かった。ならこの不調の原因は何だ、なんか呪いにでも罹ったんだろうか?
急いでステ-タスを確認する、
呪いなどはうけてなかったが・・・MPがマイナスに▲4980となっておりました・・・
収納から魔力ポーションを取り出して飲み干す、まだ身体は重い感じはするが、MPのマイナスは変わらないがその数値が減って大分良くなった気がする。
どうやら今回倒れたのはMP切れが要因だったらしい。うん・・・MPマイナスになるとこうなるんですね。以後気を付けます。
にしても何故こうなったのか?
アイリ-ンに俺が倒れてからの時間を聞いた所5時間くらい経ってるって事だ、さっきのMPは▲5000
其処から逆算すると俺はサクラの眷属化に一万弱使った事になるんだが・・・
心配そうにこちらを見ているサクラのステ-タスも確認してみる、
名前:サクラ 女 レベル1 契約者ラルフ
・種族:魔族
・状態:正常
・㏋:95/95
・MP:1001/1001
・武力:25
・魔力:51
・知力;50
・統率:45
・敏捷:31
・防御:30
・魔法防御:45
・スキル
闇魔法:LV1 時空魔法:LV1 家事:LV2
・装備 無し
闇魔法に加えて時空魔法まで継承しているステ-タスもかなり優秀だが・・・他の娘とそこまで変わりない。
確かに思い出すと中々上手く行かなくて意地になって魔力を突っ込んでたきがする。
それでこんな事になったのか・・・?
そうしておこう、あまり深く考えても答えは出無さそうだ。