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アウグスト戦記   作者: 青い眼の兎
序章
1/40

プロローグ

初めまして青い眼の兎と申します。今まで読専でしたが自分でも新たな世界を創造したいと思い立ち投稿させてもらう事になりました。表現力や文章力など至らない点は多々と有ると思いますがよろしくお願いします(__)

 「はぁぁぁ~~またかよ。」


ゲ-ムのコントローラーを思わず投げ捨て、脱力感でソファーに背中を預け部屋の天井を眺める。


その天井がぼやけて見えるのは・・・・こいつのせいだ。


つい先程までプレ-していたゲーム、アウグスト戦記その主人公が今しがた悲業の死を遂げたからだ。


ゲーム画面には傷だらけのボロボロになった男がが地に伏せ、画面の右下にはゲームオーバ-の文字が


やるせない気持ちと物悲しい気持ちでタバコに火を着け大きく吸い込む


「・・・・にしてもこのゲームどうなってんだ。」


アウグスト戦記 それが今プレ-しているゲームの名称だ。剣と魔法の世界を舞台にした国家運営シミュレーションゲーム、プレイヤーは複数の選択可能な君主の中から1人を選び、多くの英雄、兵士を率いて長き戦乱の続くこのアウグストの世界で続く戦乱に終止符をうつ事を目標とする。

俺はその重厚なストーリーと美麗なグラフィックその洗練されたゲームシステムに心奪われた。

このゲーム出会ってから3年仕事以外はほとんどの時間をこのゲームに費やしてきたといってもいいだろう。

これだけの時間を費やしても俺は未だにこのゲームをクリアすることは出来ていない。正確には納得するエンディングを迎える事が出来ていない。


初期に選択可能な君主17人、隠しキャラ的な君主3人全ての君主が、領民を逃がす為に自らを犠牲にしたり、圧倒的な敵兵に僅かな兵士で砦に立てこもり玉砕したり、身内に毒殺されたりとそれぞれ悲業の死の迎え終わっている。何度やり直してもその結果は変わる事はなかった。


より良い結末を求め当然攻略サイトを調べてみたがどれだけ探してみても攻略サイトどころか掲示板やこのゲームの発売元のサイトすら見つける事は出来なかった。


ゲ-マ-の知り合いに聞いてみてもそんなゲーム知らないと言われるし、

そもそも俺がこのゲームに出会ったのも地元のゲームショップの1000円均一のワゴンセールでたまたまパッケージの美麗さに釣られて「1000円ならいいかな。」と軽い気持ちで買ったからにすぎない。


俺は元来映画にしても小説にしてもハッピーエンドな物が好きだ。主人公が努力したならばその分報われるべきだと思うし、幸せになってほしい。そう願うのは俺だけではないだろう。


そんな俺がとてもハッピーエンドとは言えないこのゲームを止める事が出来ないのは、そのリアリティその完成度のの高さ故だ。


選択可能な君主にはそれぞれの個性が有り、高潔であったり強い信念を持っていたり高い理想を掲げていたりと魅力的で尊敬できるキャラばかりだった。


 そんな君主達を選択してこのゲームをプレイすると、まるで己がそのゲームの世界に入り込んで実際にその世界で生きて選択した一人の君主の人生をそのまま追体験していくような感覚を味わってしまうのだ。でそれぞれの君主の怒り悲しみ喜びまでがまるで己の事の様に感じられてしまうそれ程の完成度の高いゲ-ムの中で、俺は毎度そんな君主達と共に笑い怒り悲しみながら共に戦ってきた。


何時かこいつらとハッピーエンドを迎えたいな



気を取り直して再びゲームのコントローラを握る


「おっ、新キャラ発見」


見慣れたオ-プニング画面から君主の選択画面に飛ぶと


新たな君主が選べるようになっていた


「へぇー魔族か、確か魔族ってこの世界じゃ絶滅したって設定じゃなかったか?」


新たに選択可能になったキャラは


闇夜を思わせる漆黒の長い髪に引き締まった体躯を包み込む髪と同じ色の漆黒のローブ。


腰には見ただけで業物と判る長剣を差している。


 そして何より、人外の証のようなルビーのような深紅の瞳、だがその美しい瞳からは邪悪や攻撃性といったものではなく神秘性や知性を感じる


なかなかのイケメンだな。


問題はステ-タス・・・と

うお、こいつすげ-わ


・名前:ラルフ 男 レベル1  

・種族:魔族

・状態:正常

・㏋:125/125

・MP:1061/1061(+303)

・武力:35(+100)

・魔力:53(+115)

・知力;50(+10)

・統率:52(+20)

・防御:42(+20)

・敏捷:41(+10)

・魔法防御:51(+20)


・スキル

 闇魔法:LV2 時空魔法:LV1 将星:LV1 眷属化:LV1 

・装備

神剣ラグナ 常闇のローブ


今までプレ-してきたどの君主よりステ-タスは優秀だ、特に魔力が高いのは嬉しいな。このゲームホントに魔力が肝なんよ。

スキルも見たことの無い有用そうなものが並んでいる。これだけプレイしてきても眷属化以外は見たことが無いスキルばかりだ。


※闇魔法:LV2

各種の闇系の魔法を使用できる

・使用可能魔法

黒炎 黒牢 シャドウゲ-ト ダ-クマインド 気配遮断


うわ。。なんか極悪そうな魔法が並んでるわ



※時空魔法:LV1

各種の時空系の魔法を使用できる


収納 転移 ストップ 遅延 加速


おぉぉぉ!転移ってマジか!?しかも収納って!あのアイテム整理地獄から解放されるのか!


超便利じゃないか!これは楽しみだ


※将星:LV1

君主及び英雄を配下に加えた際に対象者が持つ最もレアリティの高いスキルを取得する事が出来る。

配下になった君主、英雄のステ-タスの1%~5%を自身のステ-タスに加算できる。尚配下になった者には能力の上昇と新たなスキルに目覚める。割合はスキルレベルにより変動する。


こいつもぶっ壊れスキルだな・・・配下が多ければ多い程自分が強化され、オマケに配下まで強化できるとは有用すぎるだろこれ


※眷属化:LV1

互いの了承が有れば魔力を使い眷属とする事が出来る。使用魔力は対象者の資質により変動する。対象者は主となる者の種族に変化し同族となり、その種の特性、能力を受け継ぎ主に絶対の忠誠を誓う。眷属のステ-タスの1%~5%を主に加算される、その割合はスキルレベルによる。


このスキルは見たことがある、少し前にプレイしていた君主、始祖ヴァンパイアのサティアが使用していたスキルだ。ゲ-ム中はかなりお世話になったスキルだ。


スキルの確認を済まして改めて思う。こいつ強いと・・・唯でさえ魔族は種族特性として高い魔力と強力な自己治癒力を持つ種族だ、それに加えて強力スキルを4つも持っている、今までプレイしていった君主達の中でも飛び抜けた性能だと思う。


オマケに専用装備持ちって・・・・


※神剣ラグナ※

女神アステリが持ち主に力、癒し、栄光、勝利様々な恩恵を与える事を願い造られた女神の祝福を受けた神剣 持ち主、その仲間の危機には魔力を対価として奇跡と言える癒しの加護を与える

女神の力の増減によりその性能も変化する。

・攻撃:100

・魔力:95

・統率:20

装備スキル

【MP回復速度UP小】【MP量UP小】【女神の祝福】


・【女神の祝福】

使用者の統率を上げ、配下の士気能力を高める。

魔力の使用により使用者任意の相手の傷を癒す事が出来る



※常闇のローブ※

最古にして最後の魔王眼が愛用していたローブ

・防御:30

・魔法防御:30

・魔力:20

・知力:10

・敏捷:10

装備スキル

【MPアップ 大】【自動修復】


こいつなら奴に届くじゃないか・・・・



俄然やる気が出てきたところだが、時間は既に深夜1時を回った所

このままゲームの続きをしたいところだが悲しいかな俺はサラリーマン

流石に明日の仕事に響くとは思うが・・・・

こんな新キャラ見せられて止められませんわ


せめてオ-プニングだけでもと、新たな君主を選択する


そしていつものローディング画面


そして画面は大陸全体のマップに切り替わりそのマップがどんどん拡大されていく、マップの拡大が徐々に早まっていきやがてそれは大陸の東部へそして東の端の森林地帯に・・・・やがて余りに巨大な大樹が視界に現れてくる


おいおいおいおい!なんだこりゃ!こんな演出今まで無かったぞ!リアルすぎる!



そして上空から青い海と美しい白い砂浜を俺の視界がとらえた辺りで


これじゃまるで・・・・・・


そんな思考を最期に俺の意識は暗転した


最後まで読んでいただきありがとうございます。



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