謁見の間2
エ「なんでズフェロは倒れてるんだ?」と頭を傾けながら言う。
ア「イリスさんの殺気の余波を浴びたのでそのせいではないかと。」と不思議そうに言う。
エ「俺そーゆーのニブイしなぁ。起こしてやるか。」と二人を自分の上から退かせて向かって行った。
エルムはズフェロを抱きかかえながら「倒れこんだが怪我は無いみたいだな、クリア」と治療呪文ょ唱えるとズフェロは気が付き状況を認識するとエルムから少し離れて膝まずいて「申し訳ありません陛下、何が有ったのでしょうか?」と問う。
エルムは玉座に戻り座ると、その膝の上に二人が座る、それを見るズフェロの目が大きく開かれていた。「私が寝ている?気絶?している間に何が有ったのですか?」と立ち上がってないままに言う。
エ「あー気絶してたのはアリアに向けたイリスの殺気のせいだな、余波で昏倒したんだろ。こっちの状況は」と二人の頭を撫でながら「アリアが第二夫人になった。」と笑顔で言うとイリス、アリアも笑顔で笑った。
ズフェロは笑顔で「王妃が笑ってるてことはおめでとう御座います?でいいんですよね?」と質問する。
エ「確認するまでもなく良いことだ、次の会議でも俺が居なければ皆に伝えておいてくれ。」
ズフェロは立ち上がり「話は私が気絶する前に戻りますが、陛下の退位には反対です、会食の途中で陛下が退位の話をした後に皆が青ざめるのを感じたでしょう?」と力説する。
エ「さっきはその途中でアリアが割り込んで話が反れたんだったな、なんでだ?」とアリアの横腹を擽りながら言う。
ズ「確かに王族貴族兵士などを大量に殺しましたが、圧政で民を搾取する対象としか見てなかったではありませんか、兵士も兵士で王命だと言って乱暴者が多く兵士なのか荒くれ者か判らない様な者達が多く、そもそも攻める前に降伏勧告もして逃げる者は追わないとまで言ってたじゃないですか。」
続けて一呼吸すると「今の平和は陛下が王として君臨しているからで、陛下が居なくなると平和が脅かされるかもと管理官の面々が青ざめていたのです。」
エルムは首を傾けながら「そーゆーもんかぁ」と言いながらイリスとアリアの横腹を擽ってる。
アリアは擽りから逃げる様に立ち上がって「それは有りますよ陛下、数年毎に襲撃してきてた魔王を魔族領まで行き魔王と四天王を倒して交易の話纏めるとか極稀に村にくる竜がうざいからって王竜と成竜四匹倒してくるとか普通に町人村民は感謝してるんですよ。」とほほ笑む。
エルムは苦笑いしながら「それは襲撃が邪魔ってのも有ったが、俺以外に王を名乗る奴が居るのが許せなくて直談判しに行ったら襲われて仕方なく倒したった感じなんだがなぁ・・・魔王と四天王倒したら宰相か補佐官か知らんが全面降伏してきたからズフェロ連れて出直して交易の話纏めたんだよ
な、俺達の着てる服もそれで手に入れた魔物の糸で作ってるし。」
アリアは呆れた様に「魔王に直接『お前魔王辞めろ』って言ったら喧嘩って言うか戦争仕掛けに行ったのと一緒ですよねぇ。」
ズ「それで有利に交易出来るのですから何の文句も有りませんが『魔王倒したから交易しよう、交渉頼む』って言われて考える間も無くゲートで魔族領に行き陛下に話を聞いて五分で交渉が開始された私の気持ちが分かりますか?」と泣叫んだ。
エ「わりぃわりぃ、でも不可侵条約とか交易とか半日で纏めてたじゃないか、有能な家令が居て良かったぜ。」と悪いことをしたとも思ってない顔で言い放つ。
ズ「まー税を徴収しない陛下の収入源ですし、以前とは比べ物にならない生活をさせて頂いて妻も子供も喜んでおりますし無茶ぶりもこなしますよ。」
ア「ねー陛下魔族領ってどんなとこだったの?」エルムの膝の上に戻りながら訪ねる。
エ「山に囲まれた感じで4,5万人ってくらいだったかなぁ、石作りの家が多くて城も石作りでこっちの王達の城とあんま変わらなかったな。」
イ「人間みたいなのに肌の色が赤とか緑とか角が生えてたり翼が生えてるのも居たわね。全身鱗の人も居たし下半身が蜘蛛の人も居たわね。」
ア「あー陛下のあの姿みたいな人ですかぁ、私みたいなか弱い女の子が行ったら卒倒しちゃいそうですねぇ。」
イ「私の殺気を浴びて正気を保ってられる様なのがか弱いわけないでしょ。」と噴き出して言う。
アリアは不貞腐れた様に「うーー」と言ってると入口の扉が開き三人が入ってきた。