転生したけど武器が「ちんこ」だった件について
かなり下品な内容です。
ご注意ください。
目を覚ますと、そこは草むらだった。
「ん、あれ……」
頭がまだぼーっとしている状態で起き上がる。
周囲にはそこそこな高さの木がまばらに生えている。
「あれ、俺、なんでこんなとこに……」
俺はしがない浪人生。
昨日も予備校から帰ってきて、そのまま寝たはずだ。
こんな人工物がなにも見当たらない場所で目覚める覚えはない。
「ああ、これ夢か。やっぱり勉強ばっかしてると本能的に自然いっぱいのところにいきたくなるとか、そういうのか」
俺はそう結論付ける。
だがそれにしてはリアルな夢だな。
今までの人生最高峰だ。
ほら、そこらへんに咲いてる花とか草の質感とか。
皮膚に当たるさわやかな風の感触とか。
「ギャオオオオオオオオオオオッ!!」
ほらあと、こういうドラゴンの空気を震わせるような咆哮とか……。
「ん?」
自然と空を見上げた。
「あれって、ドラゴン、だよなあ……」
そこには、赤い体躯と、力強く広げられた翼。
口元からほのかに漏れる炎。
額には、まがまがしい光を放つ宝玉のようなものが埋まっている。
誰に聞いてもドラゴンと形容するだろう生物がそこにはいた。
「何者ダ、貴様……」
「すげー、夢ってスゲー」
「……死ネ」
その時、ドラゴンの口から火球が飛び出したように見え、
そして気づいた時には、俺の近くで咲いていたレインボーな花は、跡形もなく消し飛んでいた。
「うわっ、アチアッチ!!」
爆発の熱波に耐えかねて思わず飛びのく。
そしてそのまま滑って頭を地面に打ち付けた。
「いって……」
こ、これはもしや、
このどう考えても明確すぎる痛覚は……。
「うわ、これ夢じゃねええええええええ!!」
「逃ガサン!」
とりあえず走りだすと、ドラゴンは翼を広げて滑空してきた。
かなり遠かったように思える距離が一瞬で詰められる。
圧倒的質量が近づいてくるのを感じる。
とても直線での移動ではかなわない。
いちかばちか、急停止して、ほぼ直角に右へ飛び込んだ。
しかしよけ切れず、右足に激痛が走る。
「うわあああっ!!?」
ドラゴンの爪で引き裂かれたところから、きれいに血が噴き出した。
傷口を見ると、明らかにグロテスクにえぐれた足首から、おもしろいほど血が噴き出してきている。
夢心地気分は一瞬で醒め、深刻な「死」の恐怖と確かな痛みが全身を駆け巡った。
ドラゴンは滑空を終え、再び空に舞い上がる。
体を再び俺のほうへ向け、今度は額にある宝玉にエネルギー的なものを集中させ始めた。
「中級魔法、嫉妬の情炎」
ドラゴンの宝玉が光り輝き、空中に巨大な「火球」と呼ぶべき物体が形成され始めた。
その色は、赤からすぐに「青」へと変わる。
青い炎。
炎が最も熱く燃えているときの色。
それが今、俺の頭上に。
火球はすぐにドラゴンの姿を覆い隠すほどの大きさにまで成長した。
この距離にいても肌を焼くような熱波が感じられるほどに。
「やべえ、あれは半端じゃない……」
左足を軸に起き上がる。
出血する右足を引きずりながら、ドラゴンの元から退いた。
自分でもわかる、無意味な逃亡。
状況を打開することはできそうもない。
なんなんだ、なんなんだ突然。
なんで俺はこんなところにいるんだ。
なんでドラゴンに襲われてるんだ。
ここは明らかに現実。
でも、俺の知る世界ではない。
異世界……?
「ははっ、異世界に連れてくるんならよ、不自由なく暮らせるような力もくれたりするのが筋ってやつじゃないのかよ。浪人生のなまった体で、何ができんだよ、おい」
俺は逃げるのをあきらめた。
ゆっくりと振り返り、ドラゴンを正面に見る。
空中を不気味に漂いながら、そのドラゴンは火球ごしの俺を見ていた。
「おいおい、そんなやばいもん、作って。俺一人殺すにはオーバーキルにもほどがあるだろ」
ああ、こんなんが辞世の句か。
まったく情けない。
全身が拍動しているその時、どこからか声が聞こえた。
『力が欲しいですか?』
……なんだやぶからぼうに。
誰だお前。
『生きたくはありませんか?』
いやそりゃ生きたいにきまってるだろ。
『ではなぜ、そのドラゴンを前にあがくことをやめたのですか?』
そりゃ、生き延びる可能性が絶望的、ってやつだからさ。
あの大きさの火球を今の負傷した脚でよけるなんてとても無理だね。
『諦めてはいけません。あなたにはまだ、生きられる可能性がある。全ての生物の根源たる力。絶望の対極にある、生きようとする欲望であり、力。そう、『性欲』があなたにはある』
リビドー?
それって……?
『理解できないのなら、私が引き出しましょう。そして悟りなさい。リビドーの意味を』
ドクン。
全身の震えが突如、完全にやんだ。
代わりに、ナニカ、体の奥から、何かが昇ってきた。
「ヤ、ヤハリ、貴様。力ヲ」
「こ、これは一体、どういうこっちゃ」
『これがあなたの力。私の補助では単純な力の放出にすぎませんが、出力は十分』
俺の体が光り輝き始めた。
あのドラゴンの青い炎に対し、煌々と光を放つ白。
セイなる力、と形容したくなるような神々しい輝き。
輝きの一部は俺の引き裂かれた右足に集まり、瞬間的にその傷口をふさいだ。
「うお、治った」
それだけではない。
全身からあふれだす白い力は次第に俺の体内に吸収され、閉じ込められる。
血液に乗って、全身を熱いナニカが循環し始めた。
なぜか心地よい、どこかむずがゆい。
そんなエネルギーが、血液に運ばれて少しずつ一点に集中していく。
「その場所」からは、服を透過するほどの輝きが生まれ始め、
そして、ゆっくりと起き上がる。
『はじめては誰にとっても特別なものです。よく覚えていてくださいね、この精通の感覚を』
脳内に響く声に、俺はもうろうとしながらうなずいた。
今俺の体に怒っている超常現象に、思考が追い付いていなかった。
「死ネエエエエエエエ!!!」
ドラゴンの叫びと同時に舞い降りてくる青い火球。
絶望でしかないはずのその攻撃を、
『極大魔法・性神礼賛の〇〇〇ン歌』
光線、としか言いようのない力の放出が。
いやすぐに「光線」とかいうレベルではない太さに膨張したエネルギーの奔流が、いとも簡単に貫いた。
白の奔流はドラゴンを飲み込み、それだけにとどまらず、空へ、空へ。
「グオオオオオオオオオオ―――」
巨大な火球も、ドラゴンの断末魔も、すぐにその流れに押しつぶされ、空へ、空へ。
地上と天空をつなぐ橋を架けるかのように、光線が吐き出されていく。
そのうちに、あの向こうに見える積乱雲のような形の雲へ届き、風穴を開けた。
その部分を中心に、雲が吹き散らされていく。
だんだん地面が揺れてきた。
地震だ。
立っているのが精いっぱいな激しい揺れ。
いや、地面だけじゃない。
周りの木が揺れている。
どこからかたくさんの鳥が飛び立って、僕から離れていった。
その中の何匹かが、なぜか動かなくなって落ちていった。
なにがおこってるだ、これは。
これ、俺がやってるのか。
力の放出をすべて終えたころには、気づくと、俺を中心に小規模なクレーターのようなものができていた。
そして少し離れたところに、おそらくもとドラゴンと思われる、真っ黒になってどことなく小さくなった肉のようなものがおちていた。
黒コゲの物体の中に、ドラゴンの宝玉だけが無傷で残っている。
これがなければ、ドラゴンだと判別することすらできなかっただろう。
『どうですか、これがあなたの力』
『あなたをこの世界に呼んだのは他でもありません。あなたのこのチカラを使って……』
「ちょっとタンマ」
どうやらこんなプチ天変地異を引き起こしたしまったらしい俺は、やはり呆然と立ち尽くすしかなかった。
チカラの放出を終えると、さっき落ちた鳥たちが俺から逃げるように慌てて飛び立っていく。
「あのさ、あのさあ。なんかすげえチカラがあったのはうれしいよ、うん。なんかかっこいいしね。結局助かったしね。だけどさ、いくらこんなすごい攻撃ができる特殊能力が身についたとしてもさ……」
脳内に語り掛けてくるそいつにも聞こえるよう、大声で叫んだ。
「なんで魔法が出るのがチンコからなんだあああああああああああッ!!」
そう、これは、なぜかチンコから最強の魔法が打てるようになってしまった男の物語。
この時、よくわからないまま異世界に連れてこられた「長保 啓」は、自分の存在がこの世界に。そしてこの世界が自分の人生に、
計り知れない影響をもたらす旅が始まるとはまだしらないのであった。
そして今、ケイが空に打ち出したビームは世界中で観測されており、各地の実力者たちは、これから世界に起こる動乱を察知していたのである。
-----東方工業 特殊性具開発棟 起動実験室-----
「こ、コンドーム博士!! 魔力の異常数値を感知」
「実験中止だ。もしかしたら影響が出るかもしれん」
「はい!!」
白衣を着た小さな、「博士」と呼ばれた「少女」は、地下実験室の扉を開けた。
なにやら巨大な装置を囲んで作業をしている研究員たちに少女は告げる。
「確かになにか、おかしなエネルギーを感じる。ヤツが活動を始めたかもしれん。少し観測台の様子を見てくる。ここは頼んだぞ」
「はいっ!!」
研究員たちは、敬意までもがこもった声で、三周りは小さい少女に返事をした。
【東方工業 最年少名誉教授 『天才少女』 アリシア=コンドーム】
性能力:【性少女の微笑】
【幼女殺し殺し】
【性少女の微笑】
あまりにも魅力的な、自分の姿を見た者の性癖を一時的に「幼女殺し」に改変させる。
対象がもともと「幼女殺し」の場合、その性癖は永久に変わることはなくなる。
【幼女殺し殺し】
「幼女殺し」である敵からの、一切の攻撃を無効化する。
-----千抱道場-----
ピクリ
「……おぬしたち、感じたか? 今の魔力を」
座禅を組む男たちの中心にいる、真っ白なひげを蓄えた老師は言った。
弟子たちは困った顔をして互いを顔を見合わせる。
「お師匠様。確かにすごいエネルギーですが、ここからじゃ遠すぎます。凡人の感度じゃ分からなくてもおかしくありませんよ」
弟子の中の一人が笑いながら言った。
「感度が良ければいいという話ではない。ソーロ。貴様はもっとその能力に見合った性癖を鍛えよ」
「はいはい、善処しますよっと」
まわりの弟子たちが、師匠に対して恐縮した態度であるのに対し、その男だけはひょうひょうとした表情で笑っていた。
【千抱道場 一番弟子 ソーロ=ガナヤミ】
性能力:【数秒限りの賢者】
【数秒限りの賢者】
賢者モード時の凍てつくオーラを外界に放出させ、範囲内にある自分以外のあらゆる物体の動きを停止させることで、疑似的にだが時を止めることができる。
「修行を続けよう。誰しもソーロのように才能に頼らなくとも、力を得ることはできるのだ」
弟子の無礼にはもう慣れたものなのか。
それともこの弟子にはそうおごるだけの実力があると認めているのか。
老師は穏やかな心持のままでいた。
【千抱道場 三代目師範 『千を抱く男』 チン・ポゥ・コウ】
性能力:【千 抱 孔】
:【体位四十八種】
:【全てを喰らうもの】
【千 抱 孔】
射精攻撃を敵に命中させた時に、敵の精力を吸収する。それによって賢者モードによる弱体化を無視することが可能となる。
よって敵の精力が続く限り、無限に攻撃を続けることができる。
【体位四十八手】
組み技の体位である四十八手を全て完全に使いこなすことができる。
近接戦闘においては、敵に何らかの性能力がない限りはほぼ無敵となる。
【全てを喰らうもの】
幼女、熟女、SM、羞恥、コスプレ等、ありとあらゆる敵に対しての性癖を自在に発動させることができる。
全ての概念に平等に愛を注げるために、性癖を制限したり改変したりといった性能力を無効化させる。
日光を浴びていることに興奮。呼吸していることに興奮。自分が生きていることに興奮。または傷ついていることに興奮、というように、性癖を拡大させることで自身の性欲を無尽蔵に増幅させることができる。
-----世界最大のスラム街 ホワイトソース・シティ とある小屋の一室-----
「す、すいません、許してください!!」
筋肉隆々、屈強そうな大男が裸で座らされていた。
鞭を多く受けたために皮膚が裂けて血が噴き出し、何度も殴られた顔は赤く腫れあがっている。
そしてその大男は、それよりも「さらに二回りほど大きい」巨人のような超大男。
いわゆる、鬼によって首根っこをつかまれている。
その様子を見下ろしながら、ピンクのドレスを身にまとった妖艶な美女が、男の顔を踏みつけながら言う。
「だったらさっさと情報吐いてくれないかな~。私を暗殺しようとしといたオトシマエがこの程度で済むわけないでしょ?」
「そ、それだけは勘弁してください! お願いします!」
美女は深くため息をついた。
「はあー。今のラストチャンスだったのよ。今言えばまだ命は無事で済ませてあげたのに。なるべくやりたくなかったけど、リュウキ、そいつ壊してもいいから吐かせて」
「壊してもいいのですか?」
「まあ、そうなったらそいつの死体使ってヤツらのアジトにひいいやああああああああああアンンッ/////////!?!?」
突然、美女が全身を激しく痙攣しながら倒れた。
一瞬で顔を紅潮させ、脚をガクガクさせている。
「お嬢、どうなさいましたか」
鬼の大男が、体格に似合わず丁寧な言葉づかいで言う。
美女はその声も耳に入らない様子で、両手をドレスの中に入れ、自身の身体を撫でまわし始めた。
「え、ちょっと、なに今の魔力の爆発。距離がありながらこれだけのモノって、もしも目の前でやられたら、わたしおかしくなちゃうかも……、あっ、あっ、んん//////」
既におかしくなっていた。
鬼の男は美女を片手で持ち上げると、それをそのまま近くにあったベッドにのせる。
「お嬢はそこで休んでいてください。こいつは私が締め上げますので」
お嬢、と呼ばれた美女が突然あえぎ始めたことに特に驚く素振りもなく言う。
まるでいつも通りの出来事であるかのように。
――――スラム街最強の二人は、その日も暗躍していた。
【デリバリーHELL No.1嬢 『未来をも感じる女』 モダエール=テラヴィッチ】
性能力:【全身性感帯】
【モダエール専属護衛者 『不動如来』 リュウキ=シナイナー】
性能力:【拒絶の大鮪】
【全身性感帯】
規格外の感度を持ち、様々な能力を疑似的に再現することが可能となる。
〇あまりの感度のために、それが敵にも伝染し、遅漏や不感症の敵をビンビンにさせる。
〇あまりの感度のために、一定範囲内の生命体の居場所や強さ、状態を感じ取ることができる。
〇あまりの感度のために、敵の思考を簡単にだが感じ取ることができる。
〇あまりに感度のために、ときどき未来をも感じ取ることができる。
〇あまりの感度のために、興奮で身体能力を格段に向上させることができる。
これ以外にも、やろうと思ったたいていのことを、感度をビンビンにさせることで実現させることができる。しかし、感度が鋭敏になるほどダメージを過剰に感じてしまうし、敵の性能力の影響も受けやすくなる。
【拒絶の大鮪】
性的なことに興味を示せないために全く興奮することはなく、性欲はほとんど持たない。
しかしその負のオーラを敵に浴びせることで、敵の性能力を打ち消すことができる。
モダエールの「全身性感帯」は完全に打ち消すことはできないが、これによって無駄な感度を抑えることができ、モダエールは普通の生活が送れるようになっている。
-----特殊監獄 マジックミラー仕様監視施設-----
だだっ広く、薄汚れた部屋の中心に、両手両足を鎖で縛られ、股間には貞操帯をつけられた男が一人、座っていた。
部屋には窓一つなく、外の様子をみることはできない。
この部屋はマジックミラー。
だが少し違うところがある。
中から外が見え、外から中が見えないのではなく、
外から中が見えて、中から外が見えない。
つまり逆なのだ。
近づくことすら危険なために、厳重体制で幽閉されている、史上最悪の痴漢常習者を監視するために、この施設は使われているのだ。
「あいつ、まだ動きませんね。あれでまだ生きてるんですか?」
食べ物も飲み物も与えない状態での監禁。
とっくに死んでいてもおかしくなかった。
しかし、眠っているように動かないその男の禿げあがった頭に、脂ぎった顔。首の間を満たす醜い脂肪。赤まみれで茶色く、とてつもない異臭を放つそれに近づくことは、まさに恐怖。
いくらこちらが武装してあちらが丸腰でも、一歩間違えたら犯ころされるということを十人近い看守もわかっていたのだった。
「ヤツの性能力は相手を洗脳するものらしいから意思疎通も許されていない。いつか本当にヤツが死ぬ日まで、俺たちはここで監視し続けるんだ……」
【年齢不詳無職 『伝説の性犯罪者』 アンノーン(名前が不明のための通称)】
性能力:【出会って4秒で死体】
:【性心支配】
【出会って4秒で死体】
戦闘を開始してから「4秒間」だけ、相手の性欲を消去、移動制限、性能力封印することで、完全に無防備な状態を作り出すことができる。
ただし、敵が4秒経っても絶命していない場合、自分が1分間無防備状態になってしまう。
【性心支配】
自分が放つ催眠音声を聞かせることで、敵を洗脳することができる。短時間の洗脳では、「敵の自律神経を少し狂わせる」、「ちょっとした幻覚と幻聴を引き起こす」程度しかできないが、長期的に洗脳することによって、「記憶改変」、「人格破壊」といった凶悪な行為も可能となる。
自分自身を洗脳することによって、様々な反則的な応用もできる。
------とある洞窟-----
「やはり予言通りだったんだね。ヤツがこの世界に現れるのは」
「ふしゅるるるるる。ふしゅるるるるる」
「極大魔法を感知。解析完了まであと十二分」
一人は、不定形のぐにゅぐにゅとした生き物。
ごつい男の姿になったり、少女の姿になったり、猫耳をはやした美女の姿になったり、老人の姿になったりと、せわしなく姿が変わっている。
一人は、いや、一体は巨大なシラミ。
不気味な触角を震わせ、ずるずると紫色の粘液をまき散らしている。
一人は、赤い装甲に身を包んだロボット。
装甲の下には滑らかな白い肌の美女がいるかと思いきや、それも作り物の人形だ。
それぞれが、アンノーンに匹敵する凶悪モンスター。
単騎でも国家を危機に陥らせるには十分な戦力を保持している。
彼らの存在を知るものは、この世界にあまりいない。
【SSSランクモンスター 『イロガミ』 ハムレット】
性能力:【君の運命の人】
【処女転生】
【SSSランクモンスター 『寄性虫】 リンクラヘルイズ】
性能力:【性病神】
【SSSランクモンスター 『愛人形』 天下】
性能力:なし
【君の運命の人】
相手の潜在意識に眠る、理想の異性の姿となる。その姿を見た者は、恋人がいても配偶者がいても、それらがゴミと思えるようになり、なるべく残忍な形で殺そうとする。
一生その衝動が消えることはなく、見てしまった理想の人の姿を毎日夢に見て、狂ってしまうほどに恋い慕い、いずれ悲しみのうちに自死を選ぶ。
様々な精神治療によってこの恋を忘れること自体は不可能ではないが、どちらにせよ最愛の人を殺したショックでみんな気が狂ってしまう。
【処女転生】
肉体と人格を作り変えて生まれ変わることで、処女や童貞を失ったという事実をなかったことにする。
相手の潜在意識にある「処女信仰」の性癖を呼び覚まし、君の運命の人と併用させることでより呪いの質を向上させる。
【性病神】
自分の体に直接触れた敵を、強制的に性病にかからせる。触るだけで伝染するという性質も残るために、感染者が街に帰った場合はほどなくして街ごと性病によって滅びることとなる。
この能力による性病に治療法はなく、感染者は人類のために早急に処分しなければならない。
-----ケイのいた草むら-----
「あのー! 大丈夫ですか? 何があったんですか」
「え、人?」
ケイの打ち出したビームを見てやってきたのか、馬に乗った少女がケイのもとにやってきた。
ケイは慌てて身なりを整える。
具体的に言うと、ズボンから飛び出しているちんことか。
「あ、こんにちは。とりあえずいろいろ聞きたいことがあるんだけどさ……」
よくわからない異世界でも、人がいるということはケイにとって安心できることだった。
とりあえず現在の状況を確認しなければならない。
そう思ってケイは馬に乗った少女に目を向けた。
「あ、かわいい……」
「えっ?」
ケイは思ったことがなぜか口から飛び出したことに狼狽した。
少女は突然の思いもよらないケイの発言を理解できていないようだった。
二人の目が合った。
その少女は、肩にかかるくらいのフワフワとした、だがツヤがあり輝く黒髪。
それと対照的に、空に溶け行きそうな、透明感のある、白い肌。
ひどくもろそうな。
強く触ったらやぶけてしまいそうな。
ケイは気づかないうちに見とれていた。
その少女と、数秒間目を合わせていた。
――――これは、薄汚れた性欲にまみれた下品な世界を、愛する者のためにちんこ一本で戦い抜く男の物語。
【異世界転移者 『包茎』 チョウホウ=ケイ】
性能力:【??????】
【??????】
【??????】
【??????】
【??????】
連載用に途中まで書いてたけど、なんかR15でおさまるか不安だったんで、とりあえず勢いであげちゃいました。