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それよりも佐々木達の方に行ってたらアユミが危ない。下を覗き周りを伺うも分からない。


上から移動しようと思うが移動できる場所がない。しばし考え、エアコンのカバーをガラスに押しあてて割り、部屋の中に入る。篭った空気で誰もこの部屋に入った事がない事が分かる。かすかに異臭。何かが腐ってる。多分、死体。もしくはゾンビ。一階からゴソゴソと音がする。ゾンビがいる。棒か何かを探すが見当たらない。

コタツを持つ。階段を恐る恐る降りる。


這いつくばってるゾンビ。松浦の方へ向かって来る。コタツでゾンビを押さえすぐ飛び越える。バランスを崩し転ぶ。

トイレのドアを開けて廊下を塞ぐ。近くにあったテーブルでドアを押さえる。


台所。窓を開けようとするが凍って開かない。隣の部屋。ここにもゾンビ。動かない。下半身が腐ってるのだろう。だが顔と手は動いてる。危うく掴まれるところだった。とっさにゾンビの上に本棚を倒す。大きな音が立つ。やらなくてよかったと後悔するも遅い。

聞き耳を立てるが廊下に居るゾンビの音しか分からない。

トイレの窓。便器によじ登り落ちるように外に出る。凄く狭い。頭から落ちてたら動けなくなっていた。見られたら間違いなく殺される。

壊れないよう祈りながら配管に手をかけてよじ登る。エアコンの細い配管から室外機に登る。

そこから飛び降りれば表の道路に出られる。出られるが見つかる可能性が高くなる。今でなくても足跡で。


室外機の上で息を整える。雨どいをよじ登る。か、飛び降りて道路から逃げるか。

あとは…看板に飛び移る事も出来なくはない。どれも危険だ。


アドレナリンが切れたのか、身体が一気に重くなった。見つかったら雨どいをよじ登る事にして、室外機の上でしゃがみこむ。この体勢も辛いが仕方ない。

酸素が足りないのか頭痛がする。気を許すと全身の力が抜けてしまう。


何分そうしていたのか分からない。音は全く聞こえない。そういえば風の音がしない。と松浦は気付いた。吹雪けば足跡は消えるのだが。


なかなか人生思い通りにならない。


何分経ったか全く分からない。十分か三十分か一時間なのか。

時計は必要なかったので気にもしなかった。次からストップウォッチでも見つけたら必ず待っておこうと決めた。


松浦は数を数え始めた。千まで数えた。

物音は全く聞こえない。部屋の中のゾンビの物音すらも。呼吸も整い、雨どいに手をかける。雨どいに体重を加移するも壊れそうにはない。ゆっくりとよじ登る。背中に壁がつく狭さなので体重を分散させながら登る。屋根。瓦ではないので助かる。よじ登り横になる。




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