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焚き火を囲った松浦達。暖をとりながら山ちゃんだけが松浦に話す。

ほとんどが昔話だ。その昔話も競馬の話ばかり。万馬券取っただの。あと一頭買うのをケチったばかりに万馬券見逃しただの、騎手の悪口など。


ユウキが戻って来る。山ちゃんは焚き火の缶にフタをした。

[さぁて行くか。まずは武器をな]

と言い、店舗と店舗の細い隙間に入る。

[こっからしか中に入らねぇ]

山ちゃんが先に入る。


[遠回りして帰ったよな?]

佐々木は小声でユウキに聞く。ユウキはうなずく。

三人は山ちゃんに続く。

裏口から店に入る。

たくさんの懐中電灯とスキーのストックやバッド。包丁。ゴルフのパターやドライバー。

[好きなの選んで]

それそれが使いやすい武器を持つ。


[さぁて行こうか]

山ちゃんはバッドを軽く振った。まるで野球をしに行くような感じだった。

[もう少し行けば地下鉄の入り口があるんだ。ゾンビが出てこれないように封鎖してある。その中に店舗がある。あるんだがゾンビがウヨウヨいやがる]

アーケード街を抜ける。

[と、その前にもう少し暖まろうぜ。寒いのは苦手だ。手がかじかんで殺されるのはイヤだしな]

山ちゃんが言い出し、近くの看板をバリバリと剥がし、その上に火を燃やし始めた。火が付き煙が上がる。山ちゃんは固まってるビニールを炎に投げた。黒い煙が上がる。

[平和ならこんなとこで焚き火なんてしたら警察に捕まるっつうの]

そばに交番があるのを見ながら山ちゃんは言った。その時に佐々木が山ちゃんを思い切り蹴った。山ちゃんは地面に倒れる。

[な、何するんだよ]

山ちゃんは起き上がらず言う。松浦は佐々木を押さえようとするが佐々木は強く振り払う。

[早く火を消せ]

ユウキが従う。佐々木は山ちゃんの胸ぐらを掴み引き上げ殴った。

[よくも騙したな]

[な、何の事だよ]

[なんでワザと煙をあげたんだ?あ?]

佐々木は山ちゃんをアーケードの方へ引っ張って行く。

松浦は驚いた。佐々木の先走りか、用心の為にわざと脅してるのかと佐々木と山ちゃんの動向を見て見守るしかなかった。


山ちゃんは佐々木に引きづられながらもポケットから何かを取り出し口に含んだ。


ひときわ高い笛の音が山ちゃんから鳴り響く。





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