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どれくらいの雪崩なのか気になる。

自販機の方から音がし、佐々木が戻って来た。

[かなりヒドイな]

アユミが声をかける前に佐々木は言った。

[崩れそう?]

[多分な。だが他に行く場所が無い]

[あのトラックは?]

[あそこまで行けないだろう。それに開けっ放しだ]

[外のトイレは?]

[トイレか。明るくなったらトイレに荷物を移そう]

[まだ分からないけど亀裂が進んでるかも。印は付けといたわ]

アユミの言葉に佐々木がうなづく。佐々木は寒さでガタガタ震えている。

熱いお茶を沸かすわ。とアユミはお湯を沸かした。その音でユウキが目覚める。

ユウキはそのままアユミに抱きついた。どうしたの?の声にユウキは、怖い夢を見た。と呟いた。私もよ。とアユミは答えて抱きしめ返した。すぐに引き離し、

[着替えなさい。私も着替えるわ]

ユウキも汗をかいていた。寝ている松浦の首筋を触る。少し汗をかいている。無理矢理起こす。佐々木も含めて全員着替えさせる。


[荷物を外のトイレに移す。とりあえずここで過ごす。がいざとなればあのトイレで過ごす事になる]

佐々木が言った。外はアユミの太ももくらいまで雪が積もっていた。道路でも長靴が雪に埋まる。佐々木と松浦が荷物をトイレに運ぶ。二人とも雨ガッパがないのでズボンがすぐ水浸しになる。


[山芋を埋めた場所を掘るの難しいな]

佐々木が言った。雪崩で掘る事が出来ない。

食料は切り詰めれば十日間はある。十日間しかない。


アユミは今まで食べ物を必ず少しずつ色々な場所に隠していた。食料不足の争いからすぐ離れる為だ。だが今はそんな心配をする必要がなくかったので隠す事をしなかった。

アユミは悔やみ手袋の指先を噛んだ。


外のトイレの中は雪まみれだと松浦は言う。雪をかき一斗缶の焚き火を置く。

アユミとユウキはトイレの方のお風呂を沸かす。洗面所を暑いくらいに火をくべる。どんどん焚き木が減っていくが仕方ない。机とか燃やす物はまだある。

佐々木と松浦は外の作業。冷え切った身体はもちろんだが、濡れた服を次々に乾かさないといけない。濡れたままでの作業は間違いなく死に繋がる。



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