表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/68

.35

[セミも食べられるよ]

とユウキが隣に座って言った。アユミは顔をしかめる。

[元々は甲殻類。エビやカニと一緒だから尻尾の中を食べるんだ]

[美味しいの?]

[うーん。味はしないよね。中国じゃセミの唐揚げとかあるから大丈夫]

[中国はおかしいんだよ]

アユミは食べたくないので文句を言った。

[日本人がナマコや生卵、生魚を食べるのはイギリス人やフランス人からしたら、とても信じられないんだって。それと同じだよ]

アユミはユウキのウンチクに抵抗する。ユウキのは屁理屈だ。

[ここは日本だし]

[僕も同じ事を父さんに言ったよ]

ユウキは笑って言った。

私はユウキと同じ精神年齢か。とアユミは心の中で悪態をついた。


[お父さんは?]

[父さんは周りを調べてる。おかしいんだ。父さん、凄くワクワクしてるんだって]

とユウキは笑って答えた。

[佐々、お父さんがそう言ったの?]

ユウキはうなづく。

佐々木はけっこうクールな態度なのに、ワクワクとか言うんだ。意外と可愛いかも。とアユミは少し笑った。


笑ったせいか少し元気が出てきた。

[ユウキも洗いなよ。病気になったら大変だし]

ユウキは従う。洗いながら、

[ねぇ、松浦さんとアユミさんは恋人?]

と聞いてきた。

[どちらかといえば兄弟かな。頼りない兄貴って感じ]

アユミは誤魔化す。飲み屋でよく使ってた模範解答。

[ユウキは私の弟ね]

アユミは言う。

[父さんとは?]

[うーん。父さんは兄貴になるんじゃないかな。凄く頼りになる兄貴]

アユミは笑って答えた。

[変なの。僕も父さんもアユミさんの兄弟って]

ユウキも笑いながら言った。

[この世界がもうおかしいから何でも有りなのよ]

[その兄貴が帰って来たぞ]

後ろから佐々木が言った。二人振り向く。

[もう一人の兄貴は?]

佐々木は笑って言った。

[まだ寝てるわ]

アユミも笑って答えた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ