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結局、アユミも佐々木親子も居着いてしまった。アユミはともかく、佐々木は住まいを快適にしていき、かなり必要な存在になった。ユウキも順調に回復し少しずつだが話しかけてくるようになった。
やはり問題は食料だった。
アユミが少しずつ隠していくせいもあり、食料棚の空きが目立った。
食料調達。
ユウキとアユミを残し、松浦と佐々木が出掛ける。出掛けると言っても山で山芋やムカゴ、キノコ。ウサギ。佐々木がイノシシが居ると言い罠を仕掛ける。
ウサギは取れなかったが、山芋とムカゴは山ほど取れた。
帰って来た時にはアユミが熱い風呂を沸かしていた。
快適な生活。平和な日々。欲が出てくる。松浦ですら電気が欲しくなっている。甘いモノ。ちゃんと味付けのある料理。
贅沢なのは分かってるから誰も言わない。でもその雰囲気は四人とも出ていた。
とうとう初雪。奥の廊下をカーテンで仕切り、ストーブはほとんど付けっ放しになる。
佐々木と松浦が取ってきた焚き木は充分ある。
ユウキがポツリと暇だと言って、慌てて口を塞いだ。佐々木がユウキを睨む。ユウキはシュンと下を向く。
子供だから仕方ないわ。とアユミがなだめる。
たくさんあった本は何回も読み返し飽きてるのだろう。
松浦は暇な時はほとんど寝ている。もしくは部屋で自己処理。
佐々木は大きなナタを作っている。
アユミは、雑誌を読み続けて暇を潰してる。
ユウキだけが一人退屈そうにしている。
佐々木がユウキに、調達しに行くか?と声をかける。ユウキはやる気ある返事をする。
佐々木はユウキに夕暮れになるのを待ってから出掛ける約束をする。