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翌日の早朝。アユミが起き出したら、すでに佐々木は一人で向こう側にあるゴミの山を物色している。
松浦はまだ部屋。アユミはもう眠気は無かったので、この間にお風呂に入ろうと決めた。
アユミの日々の楽しみはお風呂。沸かす時間すら楽しく待ち遠しい。こないだ調達した石鹸やシャンプーもある。
出た後は松浦も入ってもらおうと考えた。ここ最近、松浦は入っていない。
ユウキも風呂に入れさそうとも思った。
たっぷり時間をかけて風呂に入った後、アユミは松浦の部屋をノックした。寝てるのか出てこない。
廊下の寝ているユウキを起こし、風呂に入れるなら入った方がいい。とアユミは声をかけた。
佐々木はまだ向こう。
ユウキは入らないみたいだ。
風呂のお湯が冷めてくので仕方なく、山になってる服を湯船に浸けて洗う。別に洗わなくてもいいのだがお湯がもったいなく感じて。
すぐにお湯は汚くなり、これは何度洗っても無意味だと思うものの、アユミなりに洗った。
佐々木がやってきたので、屋上へずぶ濡れの服を持って行って欲しいと頼む。
佐々木は服を持っていき、アユミが屋上に上がった時には物干し竿を作っていた。
佐々木は、黙々と色々な物を作っていく。
ドラム缶を加工して焚き火箱を作ったり、移動コンテナを直したり。自転車のスポークの矢もかなり作ると言っていた。
松浦がようやく起き出して来たのは太陽が沈みかけの時。
洗濯したよ。とアユミは言い、佐々木が作ってくれた物を続けて言った。
松浦は曖昧にうなづくだけだった。
佐々木が通路の奥側にある窓のそばに簡易ストーブと煙突を作りたい。と言った。
松浦の部屋の前にあたる部分。必然的にドアに近い所がユウキと佐々木の寝る場所となる。
松浦はすぐにうなづいた。多分、あまり深く考えてない。