表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
はじまりのはじまり   作者: 首謀S・R!
2/8

第2夜 時系列

「こっちとこっちが繋がるか…」


一抱えもある段ボール8個から出てきた大量の物語は

ある程度まとめられているものの、継ぎ足された「設定」が膨大な物になっていた。


バインダーを順に床に並べただけなのに部屋を埋め尽くしてもまだ足りない


カルディシアとリップルが、部屋の隅で苦笑いをしている


各バインダーの中から見えるのは、今の時代のイラストレーターにはとても見せられない下手な絵と

A4サイズの用紙にびっしりと手書きで書かれた大量の「文字」という「設定資料」


それはTRPGから始まり

ファンタジーの王道を通過し

そして宇宙に向かって羽ばたき出していた


時系列に並べるだけでも一苦労な量だが

それが惑星単位で行われていると、宇宙を作っている神様の気分になる


いや、散らかった本を並べ直す司書か

もっとも背表紙に番号がないので、記憶を頼りに並べるしかないのだが…


「スタート地点はどこだっけ?」


いや、「どの星だっけ?」が正しいか…


8つの段ボールから次々と出てくる「資料」と格闘すること3時間


やっと「最初の星」にたどり着く


直径20万㎞に及ぶ「雲海に覆われた星」


リアルで言う「木星」のような星だ


とある事件によって「星ゆく船たち」がこの星から飛び立っていくのが、

ほぼ全ての物語のはじまりだったようだ


13番目の船「スヴェニール」の出発を最後に、この星は消滅している


消滅しているのだ…


「その世界はまだ、『本当の再会を果たしていなかった…』」


思わず口から出た記憶の言葉に、

私の作業を見守っていたカルディシアが寂しそうな顔をした


「カルディシア」には大きな役目を与えてある

その相棒の「リップル」も同じ役目に準じている


この役目を持っているキャラクターは、ほぼ全ての世界に「共通して存在している」


そうするようにしたのだ


我ながら、今考えればなんとも残酷な設定だと思う…



私は時系列と戦いながら「星」を床に配置していった


大量に分岐した「時系列」が、曼荼羅のような複雑な模様を描き出す


「さて、本当の再会を果たす旅に出ようか」



壁際にいた2人

リップルとカルディシアの瞳が輝き始めた




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ