心は乙女 1
R15とありますが、R18になりうる場面も追々追加されます。
また、雰囲気BL(おもに同性愛)など一部の方しか得をしない場面もございます。
苦手な方は回れ右して一読をご遠慮ください。
苦手な方はくれぐれもご注意下さい!!!!!!
渡貫 ありさは、男運がない。
肩までの黒髪、伏し目がちな目と長い睫毛、日焼け知らずの白い肌、と容姿はそこそこ。胸が小さいことを気にしている普通の大学二年生。
『なんか、思ってたのと違うわ』
午前講義が終わり、小洒落たカフェでそう彼氏に言われ、三日間の恋人生活は幕を閉じた。
空には雲ひとつなく、清々しい。
ありさは三日間の思い出を振り返ることにした。…けれども、なにもなかった。
そう、三日間。あまりにも短い上に告白してきたのは相手側。
彼にはもう新しい彼女がいるらしい。
彼のことが好きだったのか、と聞かれたらはっきりと好きとは答えられない。
ただ、告白してくれたことや、自分に向けてくれた好意が嬉しく無意識にそれに応えようと思って、付き合い始めてしまう…………
「だぁ~からバカにされんのよ!!」
ダァンッ!!とスペシャル・ストロベリー・パフェの容器を酔っぱらいのようにテーブルに叩きつける。
テーブルが揺れ、周りのお客さんが竦み上がる。視線が、痛い…………
「十和ちゃん、落ち着い」
「コレが落ち着いていられるかァッ!!」
十和ちゃんは細いスプーンでアイスとイチゴのコンポートをかきこんだ。
十和ちゃん…舞原 十和子とは大学からの仲だ。
彼女はショートの茶髪、ショートパンツを履き長い足を惜しげもなく出す、所謂派手なグループの子達。
しかし、十和ちゃんの元彼がありさにちょっかいをかけたことが原因で色々あり、何故か意気投合した。
それからは、こうして二人で食事をすることが増えた。
「ひょうがらいわれ! ひょうひんにょありひゃにょひゃめに…取って置きの場所に連れてってあげる!!」
「なんて言ったの…?」
「傷心のありさを楽しい場所に連れてってあげるって言ったのよ!!」
こうしちゃいられないわ!!と十和ちゃんは息巻き、強引にありさの腕を引っ張った。
思い立ったら、すぐさま行動に移す!がモットーの彼女。
どうやら取って置きの場所に直行するようだ。
でも、少し待ってほしい。
「私、まだオレンジソルベ食べてない…………」