表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/9

8話

天空から落下してきた先輩は土を舞い散らせながら着地した。

「西条、無事か?」

「はい、先輩すみませんでした、あれ程気を付けろと言われていたのに。」

「良い、生きているなら何とかなる。」

先輩はいつものにこやかさが全くなく、全身から黒いオーラの様なモヤを噴き出していた。

凄い威圧感があり、この場に居るだけで冷や汗が出て怖いです。ビビりすぎて喉がカラカラです


毒 (Poisonous) (toad)の兄貴、レーンエイム一家のバルドスです、お探しの方はこの方で?それともう一方の探し人はこっちの奴隷商です。」

「レイムには俺が感謝していたと伝えてくれ、後で直接礼にも行くと。」

「解りました、それとお手伝いもさせて頂きますぜ、おいお前らこの辺りから野次馬を追い払え!」

ヤクザの部下達は騒ぎを聞きつけ集まり始めた野次馬を蹴散らして追い払い始めた。


「おいそこのおっさん俺は今、非常に機嫌が悪い、俺が安全だと言った場所でちよいと目離した隙に大事な弟分が拉致られるって大失態を演じてしまってな…そんでな、その弟分を檻に入れて奴隷として売ろうって奴が目の前に居るわけだ、解るだろう?この気持」


先輩は何時もよりも低声でドスが掛かった話し方だ、聞いてるだけでちびりそうだ。


「俺としてはだな穏便に済ませたい訳だ、そこのおバカとおバカの装備一式、素直に返してくれれば命までは取らん、あぁ後、出来たらお前におバカを売った奴の身柄も欲しいな。」


おバカって・・・おバカさんだけどそこまで強調しなくても。


「し、しかし、儂は正規な取引で手に入れた物です、ほら証拠に従属の首輪をしているでしょ?本人も納得の上です、それを脅し取ろう等とされては此方も考えがございます。」

おお、凄いこの中年、先輩の威圧を受けても反論した!ヤクザの部下には膝が笑ってるのも居るのに。


「面白いなお前、交渉出来るとでも思ってるの?」

僕の位置からは先輩の背中下見えないが、中年は完全に引き攣った顔をしている。


「ううぅぅぅぅお前ら!こいつを殺せ!中の奴らも呼んで来い!!」

恐怖に耐えきれなかったのか、中年は戦う道を選んだようだったが…

先輩の両腕がふわっと霞んだ様に見えたのと同時に、周囲に居た大男が10人全員がっ飛んだ、壁を背にしていた4人は壁にめり込む様に破壊し、通り側に立っていた3人は車道を超え向かえの建物に飛ばされた、道路側の3人は見えなくなった、多分50メートル以上は飛んでいった。


「さて、お前さんのガードは居なくなったぞ?どうする?」

この後更に建物の中から出て来た戦士風の5人が出た瞬間吹っ飛ぶという光景を見せられた中年は笑いながらへたり込み失禁していた。

その混乱した状況に騒ぎを聞きつけた一団が来た、そりゃそうだよねコレだけ騒げば。


「王国憲兵隊である!貴様ら全員そこを動く…グギャー!!」

間の悪いお役人が10人程現れたが、機嫌の悪い先輩は振り向きしないで躊躇なく吹っ飛ばした、先輩、昨日憲兵隊に手出すなとか言ってませんでしたっけ?てか一歩も動かずに10メートル以上離れた武装した複数人を吹っ飛ばすってどんな技ですか?


「チッ、イライラする…お前が下らない事してるから時間ばかり掛かる、さっさと首輪解除して出すもん出せよ、ゴブリンの巣に放り込むぞ?」


気が付くと先程吹っ飛ばした憲兵隊から天に向かって光が出ている事に気が付いた。


「な、なぁお前あの人の知り合いなのか?毒 (Poisonous) (toad)って言ってたけど?」

お隣の泣き虫騎士が震え声で語りかけてきた。


「僕の先輩ですね、助けに来てくれたんですよ…多分ですけど。」

「マジか毒 (Poisonous) (toad)って言えば南大陸一の悪魔じゃねえか!暗黒街を仕切る四大マフィア相手に大抗争して勝利したとか、毒を使って死ぬよりえげつない恐怖を与えるとか、救世の勇者と混迷の英雄と戦って街一つ道連れにして相打ちに成って死んだとかって人だろ?生きてたのか…」


先輩、何を遣らかしてたんですか?てか自分自身と戦って相打ちとか器用ですね…


「それより、あの倒れている騎士から光ってるのって何?」

「あれは職務中に付ける魔法具で大怪我とか意識を失うと場所と危機を知らせる仕組みなんだよ、ほら他の騎士隊が駆けつけてきた!」

見ると、通りの両側から三~四〇人の騎士が駆けて着ている。


「全員その場を動くな!!王都近衛騎士団である!動けば切る!!」

えっと、憲兵隊でも騎士隊の他に、偉そうな装飾の蒼いお揃い鎧の一団が5人程混ざってました。

「なぁ、あの蒼い集団は何?」

「バカ、アレは王国騎士団団長で26傑の一人デイビット卿と王直属の近衛師団の隊長4人だよ、なんであんな人達が駆けつけて来てるんだよ!!奴隷落ちしたのがばれたら実家ごと潰される…」


出た!!26傑!どんな人かと思ったら金髪のイケメンでした!福ちゃんが見たら絶対

『爆発しろ!寧ろ破裂しろ!!』って言いだしそうな細マッチョで高身長なイケメンです。


「ちっ、面倒臭いのが出やがった、おい、バルドスこいつが逃げないように見張って置け。」

「へい、兄貴…って兄貴は如何する気で?」


今度は先輩有無を言わせず攻撃しなかったな、バルドスさんはニヤニヤしながら先輩の答えを待っているが、多分僕が考えている答えと一緒だろうな。


「邪魔する奴は全てぶっ飛ばす、例え奴だろうがな。」

「解りやした、お気を付け下さい。おいお前ら毒 《Poisonous》 (toad)の兄貴の伝説が見られるぞ。喜べ!!」

「「おおぉぉ!!!」」


無事助かったら、先輩の黒歴史、根掘り葉掘り聞こう、いや絶対に聞いてやる。


「ふっ、私も安く見られたようだな、猫獣人よ貴様が如何に腕に覚えが有るかは知らないが、私も弱くは無いつもりだぞ?」

「あん?煩ぇよデブ?小便漏らす前にとっとと帰れ、帰ってファウストと遊んで貰ってろ!邪魔したら即ぶっ飛ばすぞ!」

「デブだと?貴様、私だけではなく陛下まで愚弄するとは本気で死にたいようだな…」


金髪イケメンは腰の長剣を抜き構えた。両手剣1本だけで盾は無い


「デイビット様お待ちくださいませ!このような下賤な輩にデイビット様が自らは勿体のぉ御座います、先ずは我ら4人が!騎士隊、そこのチンピラ連中を取り押さえて置け、こやつは我らが切る!」

4人の隊長とか言ってた人たちが金髪イケメンの前に出で、騎士隊にマフィアの人たちを抑えるように指示を出していたが、騎士隊は動いた瞬間先輩に吹っ飛ばされていた。

人間って空を飛べるんですね…何人もの飛んで行く騎士隊を見てたら蒼いのも混ざっていたので、視線を下げたら、金髪イケメンしか残って居なかった、なんてイリュージョン!


「ふははははは!これ程とは!私が手塩にかけて育てた騎士が簡単にやられるとは!面白い、26傑同士は死闘が禁じられているから、こんなにワクワクする奴と戦えるのは久しぶりだ!」

「煩ぇて言ってるだろ?さっさと来い!ぶっ飛ばしてやるから。」


先輩はいつの間にか倒れていた騎士の剣を2本持って構えていた。

次の瞬間、どこのハリウッド映画か?って位の剣戟が始まり、空中で方向変えたり停止するわ分身するわ、気弾が飛び斬撃衝撃波が舞い道路に穴が開き、街灯が折れ、壁が家が車が壊れていった。

衝撃波が隣の檻をかすめて泣き虫騎士を含む檻4つも吹っ飛んで行った。

潰れた檻の中で何か動いて居るようだから、きっと彼は生きているようだから放置した、だって僕も檻から出れないし。


決着は案外あっさり着いた、時間的には5分程だったので長いのか短いのかは解らない。

金髪イケメンの剣が先輩の左首筋に当たっている、てか切れているのか血が結構出ている。

しかし、先輩の左の剣がその斬撃を防ぎそれ以上進めず、尚且つ右手の剣の柄が金髪イケメンの腹を、鎧を粉砕してめり込んでいた。


「ぐ、ぐぅぅぅ、やはり貴方には勝てませんね、10年頑張った積りだったのですが…」


金髪イケメンは思わせ振りなセリフを吐きながら、倒れて行った。

先輩も結構傷だらけ…って治ってるし、切れてた服もいつの間にか直ってる!

何?どうして?訳が解らないよ!!!


「さ~て、おっさんお待たせ♪お楽しみターイムの続きです!」


中年、目が完全に行ってます、肌も髪も真っ白になっていました。


その後、マフィアの人に檻から出して貰い人形の様になった中年が、先輩に言われるまま隷属の首輪を外すキーワードを喋り外して貰った。奪われた装備は返して貰った、さっき居た部屋の隣に普通に置いてありましたって、騎士の人が持って着たので。

先輩がマフィアと気が付いたデイビット卿に指示を出し、

二人が更に部下へ指示を出しておりました。突込み要素は一杯有りますし、騎士の人達はもっと突っ込みたいのでしょうが、反論したら飛ばされるのが解っているのでしょう、従順に動いてます。一段落着きました、他の9人も解放済みで感謝されました


「んでさ、のんきな顔してる西条ちゃんよ…お仕置きが無いって思ってたりする?」


先輩の凄みの有る笑顔がとても怖いDEATH。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ