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6話

2日目の昼、近道と言い張る先輩の提案で山越えした。

標高2000メートルの山頂からは王都が一望出来た。ここまで来ると山岳登山だ。

真面目な顔して真面目な事言って居る時こそ要注意なのに、騙された…。

でも、空の上から王都と周辺を一望出来る、絶景とはこの事だろうな。

王都自体も、先輩が知って居る王都より広かったらしい。

「あれ?記憶より街が大きくなってる、何か10倍はありそうだぞ?こりゃ人口も10倍かな?王城周辺は記憶のままだし、増えた分広がったのか…砦とか街に呑まれてるし。衛星都市群がデカくなってる。」



王都は南大陸中部最大都市だ。

ここから見えるだけでスカイツリーから見た首都圏より広そうだ、中央に大きなお城が有る都市と、それを囲むように九個の大きな都市、更に周りには広い田園地帯があり、田畑の周りに街が点在している。街には幾つか牧場も見え、工場の様な建物も見える。幾つも有る街は円状に広がり、高い塀も無い碁盤の目の様に幹線道路があり八方に線路あった、すべての街が整然と建てられ、此処から見てもしっかり計画され建てられたことが解る。

この王都都市圏だけで5000万人以上は暮らしているのだろうか?ひょっとしたら億を超えているかもしれない、関東全体より広そうだ、端っこが見えない。

過去、王都は絶滅戦争で一度冥人族の占領下になり、ほぼ全てが破壊されている。冥人族には高い塀は無意味らしく、今は何処の都市でも作られていない。

魔獣には有効だが、常に王都騎士団やギルド傭兵団が駆除したり防備している。



この日は王都都市群の一番端に有った割と大きな街まで移動できた。この街は王都への食糧供給で栄えているらしく農村と酪農、それらを加工する施設があり、魔獣が出る森と面しているからか傭兵が居て酒場や宿もあった。街の入り口には簡易な柵があり騎士団が駐留していた。

騎士団の検問を受けた際、先輩こっそり騎士の一人に何かを渡したら、あっさり通れた。

そんな簡単に買収出来て良いのかと、ちょっと疑問に思った。

山越えという断崖、沢渡りという絶壁を移動させられ、疲れ過ぎたので、宿の隣の酒場で僕は軽く呑んで就寝、先輩は食事して情報仕入れに行った。


3日目、日課である朝の運動をし、宿を出発、都市部や街道を避け昼遅くには城下都市部に辿り着いた。

「うーむ、この辺りは昔のままだ、本当に人口に合わせて街が広がったんだな」


先輩は何か懐かしむように呟いていた。仕入れて着た情報では、この城下中央都市部だけでも500万都市だ。周りの城下都市群9個と合わせ7000万、王都全体で1億超えだったらしい。


「先輩、また検問所ですよ」

「うむ、では何時ものようにアレで行くか」

また、何かを渡すのか、懐にゴソゴ手を入れ取り出していた。

「先輩、何を渡していたんですか?お金ですか?」

「いや、魔獣核だよ、これだと自分のレベルアップにも使えるし、提出すると成績が上るだろうし、換金も出来るから騎士でも傭兵でも欲しがるんだ、弱い奴ほど。」

「へー、それで魔獣の出る所ばかり歩いて倒してたのですか…」

「うむ、本当は西条ちゃんの強化に使いたいが、お前のコアはまだ形成仕切れていない、だからこうして袖の下用に取って置いた奴を渡してる。」

 

そういう事か、確かにコアは戦う人に取っては不可欠だし、立番してたら体も鈍るし、狩にも行けないだろうから効果的なのか。


そうして王都の中でも王城の城下町、一番警護が厳しそうな街でも難なく検問スルーして街に入れたのであった。

警備としてはこんなので本当にいいのか疑問ではあるが。


街に入り、先輩の案内でとある宿屋に付いた、食堂も完備の宿で2時過ぎだというのに食事をしている人が多く居た。ここの食事が目当てだと言う先輩は個室を2部屋取り、食堂へ。


「んでな、西条ちゃん悪いのだがお留守番してて貰えないか?」

先輩が頼んだスープを啜りながら、こう切り出してきた。


「偽造用の機械を隠してる場所がな、ちっと治安が悪すぎるんだよ、深淵過ぎて、西条ちゃんが変に嵌ったりしないか、心配でな…そこは人身売買から薬は当たり前、お前も楽しく遊びたいだろうけど、変な病気は欲しくないだろ?」


この宿の周囲なら健全な土産物屋や服屋、武器防具の店、食い物屋に呑み屋が有るそうで、

先輩からおこずかいまで貰ってしまった…一般的な騎士の月給位、2万ウォール日本円に無理やり換算すると20万円ほどだ、物価や価値観が違うので厳密では無いし、偽造防止技術が有るので紙幣と少額硬貨で貰った。酒量には自信がある僕が死ぬ気で呑んでも5万ウォールは使えないだろう、気に入った土産でも本でも買えって事だそうです。


と言いつつ、先輩がお代りのスープを飲んでいた、思い出の味なのかな?隠していたが、涙が見えてたし。スープは確かに美味しい。


先輩と別れ、街を散策してみた、本当に異世界なのかな?…街並みは子供の頃過ごしたイギリス、ロンドンのようだった、4~5階建てのレンガ造りのアパートメント、石畳みの道、街灯、賑わう商店街…でも通り過ぎる人通りを眺めると、やはり異世界なのだと実感する。

人族は大抵黒髪か茶髪のアジア人風だったが、時折獣耳な美人、獣顔な巨乳な人、金髪金目な美人、銀髪で青い肌のローブを着た美人、燃えるような赤髪で鹿のような角を持った女性、鬼のような角と牙をもった大きな美人、ピンクの髪の美人、うん、本当に多彩な人種だ美人が多い、いや、男や子供、老人も同じ位居たけどね


商店を冷やかしつつ覗き、ちょっと変わった形のペンダントを買った。

防具屋で色々見てみたが、手ごろな価格の防具は確かに僕が着ているのと対して見た目も、触った感触も変わらない、今装備してるこの防具はきっと、中身がアレなんだろうけど。

剣は見てハッキリと分かった、貰った剣がどれだけ凄いのかが。

武器屋で並ぶ剣はどれも見た目は艶やかだが、重かったり重心がしっくり来なかった、

試し切りもさせて貰ったが、やはり切れ味が落ちる。店主に後ろ腰に差していた地球産チタン製コンバットナイフを見せて欲しいとせがまれた、あ、剣の方じゃないんだな…ナイフ見せた所、売ってくれと熱心に言われた、うん無理です。

どうも、刃では無く鞘のプラスチック素材が不思議だとの事、由来は解らないが恩人の物だから譲れないと言ったら引いてくれた。気の良い店主はお茶を出してくれて武器の説明何かをしてくれた、僕は素直に関心してしまい、気が付くと辺りは暗くなっていた。


店主に聞いた評判の酒場が宿の近くにあったので寄ってみた、お楽しみのお酒だ!!

王都では麦が豊富に取れるので、ビールが飲める!味的に言うとドイツビールっぽい。

だが、日本で呑んでいた発泡酒とは比べ物に成らない程旨い、良く冷えている。

おつまみの塩豆とソーゼージ、焼いたジャガイモっぽいイモもとても合う!!


異世界万歳!!って感じでカウンターで呑んで居たら、一人の女性と目が合った。

美人だ妖艶な感じのするお姉さまタイプだ!黄色とも金色とも付かない長めの髪と三角形の獣耳と尻尾、だが人と同じ耳も有り、それ以外は人間と変わらないってかロングドレスの深いスリットから延びるスラリとした足、それより目を引く大きな胸、巨乳獣人だ!!って考えていたら、彼女が隣に来た。


「あら、こんな良い男が一人で呑んでるの?よかったら相手してくれない?デート相手にすっぽかされちゃって」


彼女はスフィアと言う名の22歳、狐系獣人のクォーターだそうだ、何の仕事をしてるのか聞いたらはぐらかされた、まぁ僕も出身地とか仕事とか言えないしね、お互い様だ。


彼女と楽しくお話をし呑むビールがまた旨い、このビール案外度数が高いけど呑みやすいので、深酒してしまったようだ、段々と意識が保てなくなってきて、寝てしまったようだ。




 


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