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ナビゲーター  作者: 楠瀬 和裄
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街を巡る

片っ端から佇むNPCに声をかける。

町を知るにはお使いクエストというものが便利だからだ。

お使いクエストとはNPCから依頼を受けてそのタウンエリア内で

クリアすることのできるクエストの事。

そのタウンの機能や役割などを知ってもらう役割がある。

このゲームの場合は3~4つのエリアで一つのタウンになっている。

ただし、タウンの構造すべてを網羅するお使いクエストというのは

大抵ひとつしかない。

しかもプレイヤーの住居エリアに近い場所に居るとは限らないのだ。


「ふぃ~ここはスタンプラリーか~」

この街の子供たちの中ではやっているらしい、

集めるとどんな特典がもらえるのかは教えてくれないのだが

手伝って欲しいとの事、

目的のお使いクエストにたどり着けたのは

ゲーム時間内で1週間ほど経過したころ。

このゲーム、時間経過が早い。

この先実装されるクエストで

発生時間の短いクエストがあるということの暗黙の示唆。

「ご案内しましょうか?」

男性キャラのプレイヤーがテキストチャットで声をかけてくる。

「ありがとうございます、

 折角なんですけど、

 でも自分で探して会わないと楽しくないじゃないですか」

そう答えてお辞儀のモーションを添える。

「それもそうですね、

 楽しんでください。

 困った事があったら聞いてくださいね。」

さよならのモーションを加え、そう答えて去っていく。


隣の席に居るマニュアル担当の子が

「さっそく、ナンパですか?」とちゃちゃをいれる。


「いや、あれは違うと思う、

 フレンド登録申請されなかったから大丈夫じゃないかな~

 マーケットや商店や露天で立て替えましょうか?って言うのは

 怪しいと思うけどね。

 さっきもあの顔のキャラで声かけてきたプレイヤーいたし」

と返し

「このクエストお勧めなのでガイドに~。

 それと、一般的な選択キャラクターってことで

 さっきのキャラの紹介を」

クエスト名と担当NPCと座標を教える。

キャラクターの種族とタイプ・髪の色を告げる。

「敏腕バスガイドになるには人に頼っていては駄目なの。

 説得力が無くなっちゃう。」

既に女性キャラクターという事での弊害か?。

調査は男性キャラでやって、

復習かねて女性キャラの方が良かったかな~と思い始める。

とりあえず、仕事に支障が出なければ

希望されている女性キャラを育成しておいた方が良い訳で。

しかし、地味にストレスがたまる。

別に女性キャラをロールしなければならない

というわけではないんだけれど

元々穏やかな口調の私は苦でもないのだが、

一部の部下からはロールしていると思われているらしい。

そしてテストアカウントで仕事とはいえ、

一般ユーザーと肩を並べていいのだろうかという・・・・・・。


とりあえず、街を巡るクエストにあたったおかげで

芋ずる式に受けられたクエストが受注リストに増えていく。

中には市外に出てドロップアイテムを届けなければならないものもある。

初期ジョブには前衛職を選んでおいた、

いずれサポート・ナビゲートとして

支援・回復職での活動になるとは思うのだが

ソロでも何とかやっていける前衛職を上げるのが有利だからだ

このゲームであれば武器一般に汎用性がある戦士がお勧め、

上限のランクはあるもののとりあえず

ほぼすべて何らかの武器は装備できて

魔法系のスキル以外は上げる事が出来る。

ある程度レベルが上がったら、

経験値が不味くなっても

後衛職の得意武器のスキル上げを経験値が

稼げなくなるまでする。

このゲームのパーティは最大6人。

6人集めなくてもモンスターとは戦う事は出来る。

しかし都合よく、職業がそろうとは考えられない時間帯もある。

ログイン人口の少ない時間帯でも出来る事の提案としては有効だと思う。

クエストの紹介や生産職の紹介もその一環だ。

ゲームに慣れていただく事も趣旨のひとつでは有るが、

ソロでのレベル上げはいずれ限界が来るし、効率は悪くなる。

誘われ待ちの時間に何もしないのは退屈だし、

暇なゲーム、

自分のキャラクターが成長しにくいゲームは飽きられてしまう。

モンスターと戦う楽しみもゲームであれば、

NPCと遊ぶのもゲームの楽しみのひとつだと私は思っている。

幸い、このMMORPGは小さなクエストでも

シナリオがしっかりしているので飽きさせないと実感していた。

生産職でも毎日納品クエストがあり、

報酬がたまるとその職業でのプラスになるアイテムの交換や

スキルの交換が可能になる。

スキルがあがれば作れるものも増え、

暇つぶしに金策も出来る。

自分のキャラクラーをあらゆる角度から

「育てる」という提案をする事で

モンスターバトルだけでない魅力も伝えていく。

所詮暇つぶしと思われても良いのだ、

退屈=つまらないとならなければ良いのだし。

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