恋するダリの末梢血管は収縮、迷走
「君は男と女がつきあうことについてはどう思うかな?」 ダリは言った。
「子孫繁栄云々を省くなら、それは娯楽だろうな。」 相良がこたえる。
「確かにその通りかな。それも本能に基づくとびきりの娯楽。人類のほぼ全てが虜だ。君は娯楽には何に気を使うかな?」
「娯楽で一番大事なのはいつでもやめることができることだ。やめられない娯楽はもはや中毒や拷問といいかえられる。」
「ほう。それは恋愛はすぐ別れられる関係が大事だと受け取っていいのかな」
「別れることがやめることではないな。俺の言う娯楽をやめるってことは自然体に戻ることというのが一番近い。」
「ドキドキしながらもいつでも自然体に戻れる関係が正しい付き合いってことかな。」
「そうだな。」
「・・・グサッ」
「うわわあああーー。何自分の腹刺してんだ!?」
「血圧高いから血がいっぱいでるかな」
グサッ グサッ
「お落ち着け。落ち着いてはやくそのナイフを棄てるんだ。」
「落ち着くのは君の方だよ。僕は出血性ショックでもう血圧が下がったかな。」
「む無理だ・・・。俺はその・・・
血塗れのお前に興奮してる。」
「照れるなあ。これはただの前戯なんだから。もうすぐ死ぬから固まるまえにいれるんだよ」
「お前・・・自然にかえるんだな。俺はこの娯楽はまだやめる気はないから生まれ変わったらまた殺されにこいよ。」