誘惑①
今日は青年部の親睦会。
毎年恒例のボーリング大会。
近所の小・中学校の若い先生がたくさん集まって
仲良く親睦を深めましょうという会。
自慢じゃないけど、あたし、ボーリングなんて
よくて120まで。へたすると60台。
余裕でヘタッピです。
くじでチームを決めてゲームスタート。
あたしのチームは知らない人ばかり。
ちょっと心細いな・・・
自己紹介をかねて名前入力。
ペアを組んでゲームを始めた。
あたしのペアは、隣の中学校の数学の田中先生。
「すみません。あたし、あまりやったこと無いので
足引っ張ると思いますけど・・・」
「あ、僕、得意だから大丈夫です。
先に投げてください。
そしたら、後は任せてください!」
よかった・・・
で、ゲームを始めると
ん?3本倒れた。
「じゃ、僕がスペア取ります。」
って、宣言してほんとにスペア。
「すごい!」
って、ハイタッチ。
相手ペアも同じようにスペア。
お互いどっちのチームが勝ってもみんなで
ハイタッチで楽しく進んだ。
あまり差が出ず、
終始笑顔でボーリング大会は進んだ。
雄ちゃんは2つ向こうのレーンで
ボーリングをやっていた。
雄ちゃんは何やってもスポーツはうまい。
あたしが何気なく見ていたら、
ビシッとストライクを決めていた。
あっちもハイタッチ。
じっと見てたら、雄ちゃんとふと目があった。
にこっと笑う雄ちゃん。
あたしもにこっと笑った。
2ゲーム終わった頃には、ずいぶんうち解けて
飲み会に突入。
場所を変えて2次会のスタート。
同じチーム毎に席が決めてあって
ゲームのノリのままおしゃべりが始まった。
同業者なので、お互いの学校、校区
授業のことなど
いろいろ同じような悩みも出たりして
話も盛り上がった。
お酒も入って大騒ぎ。
ちょっとトイレに立ってまた席に戻ろうとしたら
なんだか少し酔いがまわったみたい。
チューハイって飲み過ぎるんだっけ・・・
ちょっと階段の所に座ってたら
「大丈夫?」
って、さっき一緒にチーム組んでた田中先生。
「ちょっと、酔ったみたいだから休憩。
すぐ戻るから戻ってて下さい。」
あたしが言うと、
「俺もちょっと酔ったみたいだから休憩。」
って、あたしの横に座った。
「ボーリング、楽しかった?」
田中先生が聞いた。
「楽しかった。」
ふーって、半分酔っぱらってあたしは答えた。
「下手だって言ってたけど、
そんなこと無いじゃん。」
「お世辞はいいですって。」
「じゃ、もう少し倒してくれたら
ぶっちぎりで勝てたのに。」
「あー!ひどいー。そこまで言わなくても。」
あたし達は はははって笑った。
「さ、そろそろ戻ろうよ。」
田中先生があたしを引っ張った。
「はいはい。自分で立ちますから。」
って立ちかけてフラッ。
「危ない!」
田中先生がとっさに支えてくれた。
「ありがとう。もう大丈夫だから。」
もう飲むのはやめておかなきゃ・・・
席に戻って座ったら、冷酒が廻ってきてた。
「これすっごくおいしいよ。一口だけ飲んでみて。」
隣の席の女の子が勧めてくれる。
「じゃ、一口だけ・・・」
ほんとに美味しい・・・
でもこの一口は・・・危険な一口だった。




