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出会い⑨

頭の傷は順調に良くなり


昨日抜糸も済んだ。


大きな声を出すと響いて痛かった。


音楽してるのって結構つらかったな。





時々授業中もろうかに人の気配を感じた。


雄ちゃん先生が心配して


大丈夫か見に来てくれた。


そこまでしなくてもいいのに・・・


頭ぐりぐりに包帯巻いて


授業してたので


みんなとってもおりこうさんだった





休み時間にはもちろんやってきて


「大丈夫かー?無理すんなよー」


ってにこっと笑う。


今日もやってきて


「もう大丈夫。痛くないから。」


って言うと


「おーそうか。良かったなー」


って頭なでなでしようとして


はっと手を止めた。


「大丈夫だよ、なでなでしても」


って笑うと


にっこーと笑って


なでなでしてくれた。








「ほんとよかったなー」


嬉しそうに言う雄ちゃん先生の所に


「あー、ラブラブやー!」


ってクラスの子どもたちがやってきた。


「いいだろー。うらやましいかー」


雄ちゃん先生は子どもたちとじゃれ合って


そんなことを言ってる。


雄ちゃん先生の笑顔は今日の青空より


ずっとずっと、まぶしかった。



さて運動会の日。


あたしは放送担当。


本部席の、まあ特等席です。


滞り無く順調にプログラムは進んでいき


つぎは地区対抗リレー。


毎年これは盛り上がる。


各地区代表と


なぜか先生代表でリレーをする。


「俺、走るのは自信あるんだ。


頑張るからな!しっかり見てろよ」


雄ちゃん先生はうれしそうに言っている。


そういえばいっつも運動場で


子どもたちと走り回ってるもんね。


「一番になったらさ、ご褒美くれない?」









なんか嬉しそうに言ってる。


「ご褒美って何がほしいの?今日はお菓子いっぱいもらえるよ」


差し入れのお菓子は雄ちゃん先生の


大好きなご褒美。


普段から


「わー、すげーおれにごほうび?」


ってお菓子もらって食べてるもん


「いや、今日はちがーう」


ふと、この前のお礼を思い出した。


・・・まさかね


「一番になったら約束だかんな。忘れるなよ」


「だから、何よー」


「教えてやんねー」


って雄ちゃん先生ははちまき締めて


後ろ向いたままピースして入場門へと走っていった。





地区リレーは先生チームにだけ


ちょっとハンデがある。


そりゃそうだ。


他のチームは1年生から6年生まで


子どもが走るんだから。


で、最後が父さん母さん。


先生チームは目一杯スタート位置を下げられるので


なかなか子どもに追いつけない。


5年生くらいになると


今度は子どもの方が早いこともある。


いつもどきどきして見るんだけど


今日のドキドキはいつもとちがう。





「位置について、よーい」


「パン!」


ピストルの合図で一斉にスタート。


先生チームの色は黄色。


スタートした。当然先生チームは最後尾


しかもダントツ。


バトンが2年3年とつながるにつれて


先生チームは追い上げる。


「頑張れー!」


雄ちゃん先生は必死になって応援してる。


普通はさ、


こんな時、子どもに花を持たせるために


先生チームはそこそこにしておくものらしい。


なのに・・・


6年生にバトンが渡ったときには


先生チームは後ろから2番目。


保護者にバトンを渡すまでに少し距離を縮めてた。


なんかドキドキが激しくなる・・・・・


いよいよアンカー


雄ちゃん先生の番。


あのー、目がむちゃくちゃ真剣なんですけど・・・・


いつもの笑顔は全く見られない。


そしてバトンを受け取ると・・・・


ま。そりゃ、日頃から


その辺の親御さんとは


鍛え方が違うとは思ってたけど・・・・


鮮やかなごぼう抜き。


黄色いはちまき、たなびかせて


両手ピースでゴールテープを切った。


・・・・・・・





「おまえなあトップはあかんやろー!」


先輩の先生に注意されてたけど


「俺、リレーではぜーーーったい負けたことがないんでーす!」


と、にこにこって笑ってごまかして


あたしの所にやってきた。


「どうだ!すげーだろ!」


ってにっこりしながら。


「約束、忘れんなよー」


「覚えてるけど、ご褒美って何よー」


「知りたい?」


っていうか、知らなきゃどうしょうもないでしょうが。


雄ちゃん先生は急に真剣な顔をして


すっとあたしを指さした。


「えっ?」


「後でもらいに来るからな。」


そう言って、係りの仕事をしに戻っていった。


(///∇//)


じ、冗談でしょ?・・・


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