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戻ってきた日常⑦

「ちょっと待っててね。」


部屋に帰るとあたしは探し物を始めた。


すぐに探し物は見つかった。


晩ご飯の用意をしてから、頂きますの前に


探し物を出してきて火を付けた。


そう、あたしの探し物はキャンドル。


「雄ちゃんが連れてってくれたレストラン


とっても素敵だったでしょ。真似したかったんだ。」


そう言って、あたしは部屋の明かりを消した。


いつもの部屋がなんだか違うように見える。


「気にいったんならまた、連れてってやるよ。」


雄ちゃんは笑顔で言った。





ご飯を食べ終わると


シャンパンを出してきた。


雄ちゃんはちょっと驚いた。


「なんで?今日はなんかの記念日だっけ?」


「いや、何でもないけど何となくね。」


あたしは、ステレオの所に行き


オルゴールの音でいろんな曲が入っているCDをかけた。


キャンドルの光とシャンパンとオルゴールサウンド。


それに大好きな人・・・・


あたしが一度やってみたかった組み合わせ。


雄ちゃんの肩にもたれながら


「こんな風に過ごすのが夢だったの・・・」


って言うと、そっと肩を抱いて


「この位ならいつでもつき合ってやるよ。」


って、シャンパン飲みながら言った。


「メッチャ幸せ・・・」


昨日の埋め合わせならこれで十分。


そのくらい、幸せなひとときだった。





と、突然雄ちゃんはグラスを置くと


「そうだ、お礼って何がお望み?」


って、あたしの顔をのぞき込んできた。


ドキッ。


だいぶ慣れたとはいえ


いきなり至近距離で見つめられると


ドキドキするでしょ・・・


「もう少しこのままでいてくれる?」


あたしが言うと


「それは出来ないな。」


って雄ちゃんが言った。


そして・・・





揺らめいていたキャンドルライトは


一瞬のうちに消され


何が起こったのか分からないまま


気がつけば月明かりの中で


雄ちゃんの唇を受け止めていた。


月明かりの中に見える雄ちゃんの顔は


今まで見たどんな人よりも


りりしくてかっこよかった。


「なんだよ、そんなにじっと見て・・・」


雄ちゃんがささやく。


「素敵な人だなって思って・・・ 」


「なんだよ今更・・・」


じっと見つめ合ったあたし達は


磁石が引き合うようにキスを繰り返した。





雄ちゃんの腕のなかで


あたしは夢を見た。


雄ちゃんが一人でどこかに行ってしまう夢。


追いつけなくて


泣きながら雄ちゃんを呼び続けてたら・・・


「おい!どうした?」


と、起こされた。


夢・・・?


ほんとに泣いてたらしい。


夢と現実の区別がまだついてなくって


あたしは雄ちゃんにしがみついて


また涙が出てきた。


「恐い夢でも見たのか?」


雄ちゃんは優しく髪をなでて言った。


あたしは夢の話をした。


「バカ。俺はどこにも行きやしねーよ。」


「雄ちゃんは時々心配させるんだもん。」


「ごめんな・・・」


雄ちゃんはあたしをギュって抱きしめると


「ただ、覚えとけよ。お前は絶対離さないからな。


忘れるんじゃねーぞ。」


それを聞いたあたしは


さっきと違う涙があふれてきた。


「うん・・・」



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