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秋の嵐⑰

中間休みのこと。



「あ!先生おった!」



まちかねたように音楽室にやってきた6年生。






「先生ほんまなん?」



え?何が?



びっくりするあたしに、6年生たちは



ワイドショーのレポーターのように質問の嵐。



「昨日、デートしたってほんと?」



「二人で夜、仲良く歩いてたとこ見たって言ってたけど。」



「手、つないで歩いてたとか?」



「プレゼントも、もらってたって。」



・・・・・・・・



なんだかすっごい尾ひれが付いてるんですけど。



あたしは大きく息を吸い込んで



「うそです!」



と、断言した。






「なんや、そうなん・・・」



「うそやったん・・・」



ほっとしかけたとき


「嘘じゃねーよ!俺、見たもん!」


っと、健太が言った。


「俺、昨日塾の帰りにあかね先生と会ったもん。


スーツ着た男と一緒にいたよな!」


「だからあれは、デートじゃなくて・・・」


「じゃ、何だよー。カラオケボックスから


二人で出てきたじゃねーか。」


「きゃー!そうなんだー!


みんなに教えてこよー!」


「あ、ちょっと待って!」


あたしの声は届かず6年生は行ってしまった。





まずい、とってもまずい・・・


しっかり誤解してる。


久美ーーー、あんたを恨むよー。


子どもが誤解してるのはいいよ。別に。


問題は・・・・雄ちゃんの耳に入るのが


時間の問題だということ。


先に弁解しとくか?


でも、何も悪い事してないのに


弁解するってのも変だよねぇ・・・


でも・・・


一応報告はしておきますか。


放課後にでも・・・





と思ったら、昼休み、ケータイにメールが・・・


雄ちゃんから。


「放課後、話がある。時間開けといて。」


ドキッ。もう伝わった?





放課後、子どもたちが帰るとすぐ、またメール。


「今すぐ音楽室に戻ってこい!」


雄ちゃん、怒ってる?


急いで音楽室へ。


「お、来たか。」


子どもの席の一つに座っていた雄ちゃんが


あたしを見ていった。


う・・・目が、笑ってない。


恐いんですけど・・・


「お前、俺に何か言うことあるんじゃねーのか?」


「え?もしかして昨日のこと?」


雄ちゃんは立ち上がって、


あたしの方に近づいてきた。


思わず後ずさりしてしまったあたし。


メッチャ不審な態度なんですけど。


「さ、聞かせてもらおうか。」


あたしの目をじっと見つめて雄ちゃんは言った。


また、思わず目をそらしてしまったあたし。


何もやましいことは無いのに


なんだ?あたしのこの反応。





「別に雄ちゃんに言わなきゃいけないような


たいそうな事じゃないんだけど・・・」


ついそう言ってしまってから


しまった!と思った。



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