秋の嵐⑭
「おはよう。」
目覚めると、もう朝。
「何でここにいるの?」
「よく言うぜ。帰らないでって言ったの、自分のくせに。」
・・・そう言えば昨日・・・そんなこと言ったっけ?
「覚えてないのか?」
いや、覚えてます。何となく・・・
「昨日は意外な一面を見せてもらったぜ。」
雄ちゃんがにこっと笑いながら言った。
「え?何か変なことした?」
「知りたいか?」
「知りたい。」
じゃぁ、ということで話し始めた雄ちゃん。
「いびきかいて寝てたぞ。」
えーーー?うそ!・・・
「ほんと。でさ、鼻つまんだら止まってさ、」
何やってんですか・・・
「離したらまたはじまんの。おもしれー。」
・・・・・・・
「でさ、どんどん俺の方に寄ってきてさ。」
面白そうに雄ちゃんは続ける。
「しゃーないから、反対側に俺、場所移動したら・・・」
したら?
「落ちそうになってんの。」
一人で寝てて落ちたことはないんだけど・・・
「で、落ちないように抱き寄せた。」
あらら・・・
「そしたら・・・」
「そしたら?」
「抱きついてきた。」
寝てるのに?
「お前、寝てても俺のこと考えてるのか?」
?????
「寝言で何度も俺の名前呼んでたから。」
・・・・・・マジ?・・・・恥ずかしい・・・
なんであたし寝言なんか言うのよ!
もう、冷酒なんか飲まないようにしよう。
・・・・と思ったら
「かわいいやつ。」
って、雄ちゃんは、ギューーーッて抱きしめてくれた。
何か話聞いてたら
ひょっとして、雄ちゃん寝てないの?
「寝れると思うのか?」
「なんで?」
「何でって・・・ボケッ。自分だけかわいい顔して寝やがって!」
雄ちゃんは笑いながらデコピンした。
「いてっ!」
あたしは雄ちゃんの方を向くと
「じゃ、昨日の埋め合わせ・・ね。」
と、雄ちゃんにそっとキスした。
「これじゃ たんねーけど、ま、許してやっか。」
あたし達は一緒に笑って、
「朝ご飯にしなきゃね、学校遅れちゃう。」
と、起きあがった。
今日は、抜けるような青い空。
今日もいい日になるといいな。




