秋の嵐⑩
2時間目が終わって
職員室前の廊下を歩いてると
「なあなあ、先生、知っとうか?」
と、6年生の女の子が数人やってきた。
「何?」
「あんな、川上先生な、5年の子にいじめられとんやって。」
はぁ?先生をいじめる?
何ですか?それ・・・
呆気にとられるあたし。
「どんなことして?」
た、あたしは廊下の隅にlこども達を連れて行って
こそこそと話を聞き始めた。
6年生情報によると・・・
まず、男の子は言うことを聞かないらしい。
みんなかわいい子ばっかりで
音楽の時間からは
とても想像できない。
さらに、授業中遊んで、席に座らないらしい。
信じられないけど。
ちなみに音楽の時間、そんな事する子はいない。
それから、暴言。
「むかつくんじゃ!」
「うるせー!」
「かんけーねーだろ!」
などなど。
うそでしょ?
あの子達、一回もあたしにそんなこと言ったこと無いよ。
「ちょっと待って、それ、他の先生知ってんの?」
「ううん。あかね先生に一番に教えに来た。」
・・・・・・・
何であたしなんだよ・・・・
教師冥利には尽きるけど
川上先生だもんな・・・
個人的にさけて通りたい所なのに・・・
でも、ちょっと探ってみるか・・・
たまたま、次は川上先生のクラス。
なんてタイミングがいいこと・・・
今日もいつも通り静かに座ってる子どもたちに
さっき聞いたようなそぶりは見られない。
授業の後、太一を呼んで話を聞いてみた。
そしたら・・・
「あいつさーむかつくんだぜ!聞いてよ!」
そう言うと、日頃の不満を
あたしに向かって次々と話し始めた。
話を聞いてくれないこと
何でも勝手に決めること
みんなで頼んでも何も聞いてくれないこと
真面目な子だけえこひいきすること
遊んでても無視して注意もしないこと
「まだまだあるぞ。」
太一は普段あたしと仲がいい。
明るく活発な太一がこのままじゃ
滅茶苦茶になりそうだな・・・
あたしは心配になった。
このままほっとくわけにはいかないなぁ。
先生はどうでもいいけど
この子達のために・・・・
「太一、あたしが先生に言ってあげようか?」
「あいつが聞くかよ!」
太一は悔しそうに言った。
「あいつに俺、ひどいこと言われたんだぜ!」




