出会い⑥
突然だけどなぜかあたしは合唱部の先生。
えー、なんでー
って思ったけど結構楽しい。
単純に合唱部の子って歌うまいもん。
ところが、次第に煮詰まってきた。
うーんこれ以上どうしたらいいんだ?
音楽室で悩むあたし。完璧指導力不足だー
落ち込むこと15分。
人の気配を感じた
「なに落ちこんでんだー?」
うわぁ、びっくりした。
突然アップで来るか。普通・・・
「えっ!あっ、いや あの・・」
焦って言葉にならない。
それ見て雄ちゃん先生は大笑い。
「なんて顔してんだよ!そこまでびっくりすることねーだろ」
いや、びっくりしますってば
「どうしたんだ?おまえらしくなく落ちこんでんじゃん」
「実は・・・合唱部のことで・・・」
雄ちゃん先生は
あたしがぽつぽつと話すのをじっと聞いてくれた。
その後
いきなり
「なーんだ、そんなこと。
大したこと無いじゃん。ははははは・・」
「大丈夫、おまえはちゃんとやってるし
これからも絶対やっていける。
俺が言うんだから間違いない!」
そんなこと言っても・・・・
「え、信じろよ。絶対大丈夫だから心配すんな」
不安そうなあたしを見て
「しゃあないなあ。じゃ、目ー閉じて。」
「えーなんでー」
「いいからー、な、早く」
じっとのぞき込む雄ちゃん先生の視線に
耐えきれなくなって
仕方なく
めちゃくちゃドキドキしながら
ちょっと不安な気持ちで
「目、閉じたよ。なに?」
と問いかけた。
すると・・・・
ん?なに?
思わず目を開けた。
目を閉じた雄ちゃん先生の , どアップ。
一瞬意味が分からず
次の瞬間
えーーーーーーーー!!!
「な、元気になっただろ?」
何にもいえなかった。
何なのさっきのは・・・・・・
ここはあの、あたしの記憶違いでなければ
学校なんですが・・・・
隣の建物がやけにざわざわしてる。
うそ!向こうから見てたの?
「ま、気にするな。どうにかなるから。」
ニコッて笑って雄ちゃん先生は言う。
どうにかなるわけ無いでしょ。
「いいじゃん別に。俺、お前好きだし。」
はい?今なんて?
混乱してパニックになりかけのあたしに
ピースして
「ま、大丈夫でしょ。じゃ授業行くわ」
ってあんた、なにかんがえてんの?
当然あたしの次の授業は授業になるわけなく
確かに合唱部の悩みなんて
どっかにいってしまいました。