秋の嵐④
アドバイスってねーー
じゃあ いっときますか
「あきらめなさい。仕方ないでしょ。」
さらっと、あたしは言った。
「それが出来るくらいなら悩まないんです!」
「子どもだったら・・・」
そこをひどく強調してからあたしは言った。
「別に誰を好きでも普段通りいいんじゃない?
女の子の席を隣にでもしてあげたら?」
この位しらばっくれたらいいでしょうか?
川上先生は、恐い顔してたけど、
「じゃ、そうしてみます。」
って、心にもないことを言った。
分かるよーあたしも先生やって
そこそこたってるからさ・・・
ほんとにそう思ってるか、口だけかなんて
すぐ分かる。
「ところで、先生は知ってますか?」
川上先生はこの後、とんでもないことを言い出した。
「先輩の彼女の話。」
へ?????
「何のこと?」
川上先生は、楽しそうに
「先輩ね、大学時代から彼女がいたんですが、
その彼女と、そろそろ結婚するんじゃないかって
サークル仲間の間では評判なんです。」
何の話をしてるの?
「美樹さんって言って、モデルみたいにきれいなんです。
今、料理学校に通ってるので花嫁修業か?って、
みんなで言ってるんですよ。」
青ざめていくのが自分でも分かる。
そんなのは嘘に決まってる。
だって、雄ちゃんはあたしに信じろって言った。
あたしの薬指には雄ちゃんがはめてくれたリングも光ってる。
あたしは、手をぎゅっと握りしめた。
「先輩達、とっても仲が良くって、大学のベストカップルって
言われてたんですよ。」
あたしの反応を見ながら、楽しそうに話す川上先生。
「そうなの、で、それがあたしに何か関係でも?」
あたしが言うと、
「先生は、先輩とも仲いいでしょ。
何か聞いてるかなーーと思って。」
面白そうに言って!何か腹立つ!
「あ、そうそう・・・」
川上先生は付け足すように
「今度、美樹さんこっちに遊びに来るって言ってました。
先輩に会いに来るのかな?」
って、笑ってる。
なによ、それ。
何でそんなことわざわざあたしに言うわけ?
「別にあたしには関係ない事じゃない。
何でそんな事言うの?」
たまりかねてあたしが言うと、
「イヤ、別に・・・・」
「じゃあ、帰りましょうか。後は別に話無いんでしょ。」
そう言ってあたしは立ち上がった。
川上先生は、
「先生、彼氏いるんですよね。どんな人ですか?」
と、指輪を見ていった。
「優しい人。さあ、帰りましょ。」
まだ、何か言いたそうにしてたけど
「あたしもうすぐ電車の時間だから。」
と、あたしは席を立ってレジへと進んだ。
駅に向かって歩きながら、怒っていた。
「何、あの話。あれじゃ嫌がらせでしょ。」
イライラしてるとこに、ケータイが鳴り出した。
雄ちゃんから。
「今どこにいるんだ?」
「駅の近くだけど、何?」
「川上と一緒って聞いたんだけど。」
「さっきまでね。めっちゃむかつくんだけど!!!」
「何怒ってんだよ。」
「聞きたいの?」
「聞いてやるよ。」
「言いたくない!!!」
あたしの反応に雄ちゃんは危険なものを察した。
「すぐ行くからそこで待ってろ。」
そう言って電話が切れた。
待ってろって・・・
えらそうに!!!
あたしのイライラはますますつのっていった。




