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出会い⑤

授業参観が始まった。


雄ちゃん先生のクラスは道徳。


テーマは


「悪いことと分かっていても友だちが誘ってきたら」


実は雄ちゃん先生は悩んでいた。


友だちに引っ張られて


悪いと分かっててもやってしまう


そんな翔のことで・・・・





型どおりのお利口な答えが続く中


雄ちゃん先生は語りだした。


「ホントの友だちって


顔色見てつきあうもんじゃねって


俺は思う。


そのまんまでつきあえねえ友だちって


ホントの友だちか?」





しーんとした教室。


後ろのお母さん達もおしゃべりを止めて聞いている。


「自分がダメって思ったら


誰がなんて言っても俺はダメ。


いくら友だちでも譲れねえ事ってあるだろ?


みんなはどうだ?


自信持って自分の気持ち友だちに言えるか?」





いつか時間は45分を過ぎていた。


授業が終わった雄ちゃん先生は


職員室に戻ってこなかった。


どうしたんだろう。


あたしは雄ちゃん先生を捜しに教室へ行ってみた。


いた。


なんか考え込んでる・・・                                       




何考えてるのかな・・・


んー真面目な顔・・・す・て・き・





つい見とれてると雄ちゃん先生が突然こっちを向いた。


「何見とれてんの?俺そんなにかっこいい?」


「そんなわけないじゃん!」


(その通りなんですけど・・・本人に言えるかい!)


「どうしたの?」


半分声がひっくり返りそうになりながら聞いてみる。





「ちょっと心配でな、翔のことが・・・」


「ふーん・・・そうなんだ・・」


すると、雄ちゃん先生急にいたずらっ子のような顔して


「おまえも俺に心配して欲しい?」


と、訳の分からない質問をしてきた。


「はぁ~?何いってんの?」


「やー、真っ赤っか、おまえからかうとおっもしれーな」


まったくもーあせっちゃうじゃないか!


「雄ちゃんのばか!」


って背中バシバシ叩いてやった。


すると


「痛ぇよ、何すんだよ。」


って振り向きざまにあたしの手を掴んだ。


そして、じっとあたしの目をみつめてる。


とたんにお日様みたいに真っ赤になるあたし。


で、突然


「さてと、お茶入れてくんない?」





もー何なのこの人は・・・


下を向いてしまったあたしに


「どーしたのかなぁ?」


って雄ちゃん先生は下から顔をのぞき込んできた。


「ん?怒ったの?」


違います。収集つかなくなったんです。


だから


「お茶ね、はいはい」


っていきなり顔を上げて先に歩き始めた。


すると雄ちゃん先生は


「お、機嫌直ったか?よしよし」


横に並んで頭よしよししてきた。


あーもう どうしてこの人は


いきなりドキドキさせるかしら。


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