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音楽会の季節⑪

ゲームセンターを出てあたし達は


また、電車に乗った。


昨日のことがふっと頭に浮かぶ。


今日は混んでなくって普通に立ってるけど


昨日は嬉しかったな・・・


そんなこと考えながら


流れていく景色を見ていた。


「明日からまた大変だなー」


雄ちゃんがポツリという。


音楽会まで一週間。仕上げの時期。


校内の音楽会もある。


「でもまあ、何とかなるでしょう。あれだけ練習したから。」




幸いなことに音楽の時間をみんな楽しみにしてくれている。


休み時間も音楽室には子どもがいっぱいだし


教室からもふえの音が聞こえてくる。


楽器の練習だって一生懸命。


それもそのはず。


子どもが好きな曲なので練習だって楽しいのです。





「でも、お前えらいよなー」


雄ちゃんが突然言う。


「何が?」


「俺、子どもの頃音楽面白いなんて思ったことないぜ。」


そりゃ、お気の毒に・・・


「だけど、お前の授業は俺の組だけじゃなくってみんな好きだろ?」


評判はいい。あたしが楽しくないことは、しないから。


小学生にクラシック聞かせて


「ああ面白かった。」


って、何人の先生が言わせられますか?


というより、モーツアルトや、ヴィヴァルディ聞いて


楽しめる先生が小学校にどのくらいいるかが疑問です。


ただ聞いてて面白いはずがないからねー


そこが先生の腕の見せ所です。


「お前、よく頑張ってるよ。えらいえらい。」


雄ちゃんはにっこりして褒めてくれた。


そんな、面と向かって褒められると恥ずかしいな。


「で、ご褒美にいいとこ連れてってやるよ。」





電車に乗って雄ちゃんの部屋まで行き、


車に乗って改めて出発。


なんだかえらく田舎の方にきたような・・・


お店らしきものがない・・・





突然、ピンクの絨毯が目の前に広がった。


隣には白い絨毯。


そしてオレンジや黄色もある。


車を止めたところは一面コスモス畑。


「うわー、きれい・・・・」


そよそよと風に揺れるコスモス。


見渡す限りどこまでもコスモスが続いている。


「休耕田を利用して、毎年植えてるらしいんだ。きれいだろ。」


雄ちゃんは、ポケットに手を突っ込んで


風に吹かれながらコスモス畑を眺めていた。


かっこいい・・・


つい見とれてしまう。


振り返った雄ちゃんと目があった。


「なんだよ、コスモスより俺見てる方がいいのか?」


からかうように雄ちゃんが言う。


「何言ってんのよ・・・」


そうだけど・・・・





コスモス畑の側に立て看板があって


10本100円でコスモスが摘めると書いてあった。


あたしは、はさみを借りて


いろんな色のコスモスを10本摘んだ。


雄ちゃんも一生懸命摘んでいる。


なぜか白とピンクだけ摘んでる。


そして、そこで畑の番をしていたおばちゃんに


コスモスを包んでもらうと


「プレゼント。」


ってくれた。


「お前、この色好きだろ。」


「ありがとう。」





日が暮れるときのコスモス畑も


とってもきれいだった。


真っ赤な夕焼けと、淡いコスモスの色。


あたしはいつまでも忘れない。



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