音楽会の季節⑨
と、思ったんだけどね。
気になるもんはやっぱり気になるんです。
聞くなと言われてもねぇ・・・
みんな聞きたくならない?
「だけどね雄ちゃん・・・」
「何だよ、分かったんじゃないのか?」
「雄ちゃんの言うことは理解できるけど
やっぱり気になるんです!」
「お前にはぜーーーーーったいに教えない!」
「いじわる!」
「そんなん聞いて楽しいか?俺は聞きたくねーな。」
「だから楽しいから聞くんじゃないってば!」
・・・何だかどつぼにはまっていく・・・
「ちょっとこい!」
雄ちゃんがいきなり立ち上がってあたしの腕を掴むと
歩き出した。
「何よー、痛いじゃない!」
どこへ行くかと思ったら
・・・・・・・
「もっかい 寝よ。」
???
今起きたとこですが・・・
「いいから、早く!」
雄ちゃんは半ば無理矢理あたしをベッドに寝かして
自分も潜り込んできた。
「今日はゆっくり出来るだろ?いいじゃん。」
って、手慣れた様子で腕枕をしてくれた。
これなのよね、この慣れた感じが
不安の原因・・・
そりゃ大人ですから
いろいろあって当然です。
分かってるけど・・・
「お前さー、寂しくなるとしょうもないこと考え出す癖があるんだな。」
へ?何の話?
「俺だってさ、何もなかったわけじゃないけど
もう済んだことは気にしてもしょうがないだろ?
大事なのは今なんだから。違うか?」
そりゃそうです。おっしゃるとおり。
「お前、寂しいんだろ。」
そうかも・・・
「だから、何かぐずぐず思ってるんだろ。」
多分・・・
「さっさと忘れろ。」
そう言って雄ちゃんはぎゅっと抱きしめてくれた。
「ねえ、彼女の事じゃなかったら聞いてもいい?」
「いいよ。」
「大学のサークルってなに入ってたの?」
「・・・・・・・」
雄ちゃんが、また変な顔した。
「何でそんなこと聞くんだ?」
そこであたしは思いだした。
川上先生が雄ちゃんのサークルの後輩だったことを。
変な顔するって事は、なんかあるのか?
「聞きたいから。」
「落研」
なにそれ・・・
「落語研究会」
「それから、テニス同好会、マジック研究会、野球同好会・・・」
「いくつ入ってたん・・・」
「わかんねーくらい。」
はー、知らなかった・・・
そんな多趣味なんて・・・
そりゃ、知り合いも山ほどいて、彼女もあちこちで見つかるわなぁ・・・
それから雄ちゃんは、忙しかったサークル活動の
いろんな話を、女の子のことは上手に抜いて
あたしに教えてくれた。
あたし達は昼近くまであれこれ話をしてた。
パジャマのままで・・・




