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音楽会の季節⑦

もう朝。


昨日は初めて電車でデート。


楽しかったなー。


今日は・・・


ん?何か忘れてるような・・・





目を開けると


「おはよう。」


雄ちゃんがじっとあたしの顔見ていた。


ぼーっとした頭で考える。


・・・・そうか・・・・


昨日の記憶と今の状況をやっと把握。


「幸せそうな顔してたぜ。」


雄ちゃんがニコッとして言う。


「そりゃそうでしょ。幸せだもーん。」


あたしはそう言って雄ちゃんの胸にそっと頬を寄せた。


このまま時が止まればいい・・・そんな風に思う。


永遠なんてあり得ないけど


こんな時間が永遠に続いて欲しい・・・


心からそう思った。





「お腹空いた?朝ご飯作るよ。」


あたしは、名残惜しかったけど


朝ご飯の用意をしようと起きかけた。


「まだいいだろ?もう少しこのままでいないか?」


「じゃぁ・・・」


あたし達は、そのまま話をした。


「雄ちゃん、いつもは休みの日、どうしてるの?」


「そうだなー。天気良かったら洗濯して、掃除機かけて、買い物行って・・・」


「主婦みたい」


「普段やらないからなー。それから、遊びに行くかな。」


「どこへ?」


「映画とか、本屋とか、レンタルショップとかゲーセンとか」


「誰と?」


「・・・・・」


まだまだ知らないことがいっぱい。


雄ちゃんって去年はどうしてたんだろう。


あたしは去年の雄ちゃんを知らない。


ムクムクと不安が大きくなってくる。





「雄ちゃん、一つ聞いてもいい?」


「なに?っていうか、さっきからいっぱい聞いてるくせに。」


「そうだけど、あたしで彼女何人目?」


一瞬ギョッとした雄ちゃん。


「お前そんなこと聞いてどうすんだよ。」


「聞きたいだけ。」


「じゃ、お前は?先に答えろ。俺は、何人目の彼氏だ?」


「2人目。」


「うそつけ!」


嘘だけど・・・


「雄ちゃんは?」


「それは言わない。おまえ、またやきもちやくだろ。」


確かに。でも知りたいんだもん。


「じゃ、前の彼女とはどうして別れたの?」


「仕事が忙しくてあまり会えなくってさ。すれ違い。」


ふーーん。そうなのか。


「前の人は先生だったの?」


「いや、大学の同級生。」


「じゃー、川上先生は知ってるんだ。その人。」


「多分な。」





そこまで聞いて、もっと聞きたい気持ちと


聞くんじゃなかったっていう気持ちが


複雑に絡んでしまった。


「ほら、またしょうもない事考えてるんだろ。


だめだぞ、そんな顔するな。」


雄ちゃんはあたしの鼻の頭をつんつんつついて


そう言った。


前の彼女にもそんなことしてたのかなあ・・・


考えてもしゃあないんだけど


つい考えちゃう。


やめやめ!!!


せっかく雄ちゃんといるのに


何考えてんだあたしは!


へんな考えを振り払うため


あたしは雄ちゃんをぎゅーーーってしてから、


「朝ご飯にしよーね」


って、起きあがった。



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