恋しさと切なさと⑤
一週間ぶりのデート。
「焼き肉いこー。」
あたしの提案に
「めずらしーな。」
雄ちゃんはちょっとびっくり。
雄ちゃんは焼き肉大好き。この前みんなでご飯食べに言ったときも
テーブルの真ん中で嬉しそうに焼き肉してたもん。
デートで焼き肉って初めてだけど。
「これもう焼けたぞ。」
雄ちゃんがあたしのお皿にどんどん焼いて入れてくれる。
「そんなに食べられないよーーー。」
「じゃぁ、ちょうだい」
雄ちゃんはあーーーーんってした。思わず周りを見てしまったあたし。
雄ちゃん、もしも学校の子がいたらどうするん?
あと、知ってる先生とか親とか・・・
もう知らないよーー。
「はい。どうぞ。」
仕方ないから食べさせてあげた。一人で赤くなるあたし。
「うめーー」
にこにこ顔の雄ちゃん。見てるとあたしまでニコニコになる。
「これも食べる?」
あたしがエビをはさんで雄ちゃんに聞くと
「いいの?サンキュー。」
って、言うから
「はい、あーーーん」
あたし達の周りは世界がピンクに染まってんじゃないかってくらい
甘ーい空気だった。
でも忘れちゃいけない。ここは、お店。
久々って言うほどでもないけど
わけあってやっと・・・のデートなので
あたしも嬉しかったから、ブレーキ壊れそう。
いけない。頭少し冷やさなきゃ・・・
「雄ちゃん、アイスクリーム食べにつれてって欲しいな。」
「いいぜ。じゃ、これ食べちゃって。」
って雄ちゃんはレバーを差し出す。
「はい、女の子はレバー食わなきゃ。貧血で倒れるぞ。」
よく意味わかんないけど
あたしもあーーーん。
きゃー雄ちゃんに食べさせてもらったー。
あ・・・いかん・・・頭冷やさなきゃ・・・
アイスクリーム屋さんではチョコミントを頼んだ。
雄ちゃんはチョコバナナ味。
あたし達は公園のベンチに座ってアイスを食べた。
「ちょっとかえっこしよー」
雄ちゃんがチョコバナナのをあたしに差し出した。
「じゃ、かえっこね。」
あたしも雄ちゃんに差し出した。
「これも うめーな」
って雄ちゃんにっこり。
またとりかえっこして食べた。
あたしの頭は冷えるどころかどんどんヒートアップ。
どうしよう・・・
「クシュン!」
アイスクリームを食べたせいか、ちょっぴり寒くなってきた。
「寒いのか?」
「ちょっと。」
「あっためてやろうか?」
雄ちゃんがいたずらっ子のような顔して言う。
もう、雄ちゃんったら・・・
「じゃ、車に戻ろうか。」
雄ちゃんは立ち上がると
「行くぞ。」
ってあたしを振り返った。
あたしは、立ち上がると・・・
やっぱりおかしいね、普通じゃない・・・
いつもなら絶対やらないけど
雄ちゃんの腕にぎゅっとしがみついた。
一瞬驚いた雄ちゃんだったけど
何も言わず、そのまま歩いて車まで戻った。
そして・・・
車のドアを閉めるなり雄ちゃんはぎゅっとあたしを抱きしめた。
周りは真っ暗。
世界中にあたし達だけみたいな錯覚。
そのままとろけちゃいそうなキス。
「俺んとこ、連れて帰ってもいいだろ?」
ちょっぴりかすれた声で雄ちゃんは言った。
「うん。」
もう止められなかった。
誰も止める人はなかったし
止まらなきゃいけない理由もなかった。
あたしたちは強く惹かれあって
強く求めあって
惜しみなく与えあった。
なんて幸せなんだろう・・・
命を懸けても惜しくない愛をあたしは雄ちゃんから教えてもらった。




