恋しさと切なさと④
みんなが楽しみにしていた集会の日がやってきた。
1年生から順番に出し物をしていく。
みんなで歌を歌ったり、物まねやったり
コント、クイズ、ゲームなど、各クラス工夫したことがいっぱい。
見ていてとっても楽しい。
時間のかけ具合によって仕上がりに多少の差はあるものの
どこの出し物も面白かった。
しかし、
5年4組が出てきたとたん
わーーーーッと大歓声。
そりゃ、あの衣装。さらに・・・・
メイクまで。よさこい風のやつ。
さすがに雄ちゃんはここではやらなかった。
4組のみんなを見つめる目がとても優しい。
リーダーのかけ声とともに出し物が始まった。
・・・・すごすぎる。あたしは見たのは2回目だけど
それでも圧倒された。
ソーランってこんなにパワーがあったのね・・・
今まで知らなかった・・・
そして。
案の定、雄ちゃんの組は優勝した。
ま、あれだけ気合い入れてやれば
当然って言えば当然ですが・・・
「すごかったねー。よくあそこまで仕込んだねー」
帰り道、雄ちゃんに言うと、
「そうだろー、あいつら、よく頑張ったよ。」
って、とっても嬉しそう。
「はい、ご褒美は?」
雄ちゃんはそう言ってちらってあたしを見た。
「また今度ねー」
なんて言って、話題を変える。
「今日はこの辺でいいや。ありがとう。」
部屋からはまだ少し距離があるが、車を止めてもらった。
お母さん、もう一週間もいるんだよなぁ。
そろそろ帰ってもいいのにな。
そんなこと考えてたら、向こうから知った人が・・・
「お母さん!?」
お母さんはあたしを見つけてにこっと笑うと、
「手紙はおいてきたんだけどそろそろ帰るわね。」
あたしはびっくり。
「急にどうしたの?」
来るときも突然だけど帰るのも突然だ・・・
はっとして、隣にいる雄ちゃんに目をやる。
「同じ学校の先生。」
お母さんは
「まあ、男前の先生がいるのねえ」
なんて笑いながら言う。
「初めまして。」
雄ちゃんは、お母さんに頭を下げた。
「娘がいつもお世話になっています。」
お母さんも頭を下げた。
お母さんは、ピンって来たみたいだけど
何も言わずに
「じゃあ、行くわね。元気でね。」
って歩き出した。そしたら、雄ちゃんが
「駅まで送りますよ。乗ってください。」
と車のドアを開けた。
お母さんはためらっていたけど
「じゃあお言葉に甘えて。」
って、あたしと一緒に車に乗った。
うーん、予想外の展開。
駅でお母さんと別れるとき
「いい人ね。」
ってお母さんがいった。
何とも返事しにくくって、笑ってごまかした。
お母さんが帰ってから、雄ちゃんの車に戻ると
「じゃ、今日は今からデートできるな!」
って嬉しそう。
何か久しぶりって感じ。
「じゃ、飯食いに行くか!」
雄ちゃんは車を発進させた。




