ライバル出現?③
「何でこんな所にいるん?」
あたしはびっくりしていった。
「それは、俺のセリフ。なにやってんの?おめーは」
雄ちゃんはちょっぴり恐い顔していった。
「気分が悪いので帰ります。じゃぁお先です。」
柄にもなく殊勝にあいさつして歩き出すあたし。
昔からよく使うんだ、この言い回し。
大学の時もよく使って帰ったっけ。
気分悪い=むかつくという意味で。
むかつくって言ったら先生に待てって言われるけど
気分悪いって言うと絶対帰らせてくれるもん。
「俺にその手は通用しねーぞ!」
ん?雄ちゃんにこの話はしてないはず・・・
まあいいや。もう帰るもん。
これ以上雄ちゃんが川上先生と仲良くするのなんか
見てられるかい!!!
と、知らん顔して帰ろうとすると、
「いいかげんにしろよ・・・」
雄ちゃんがあきれたように言う。
カチン!ってきた。
「いい加減にするのはそっちでしょ!」
いい加減目を覚ませ!!!
腹立つなあ。人の気も知らないで・・・
くそ!またウルッと来る。泣くなあたし!
早足で駅に急ぐ。何か道がゆがんで見えてきた。
つーーーーっと涙が頬を伝う。
と、後ろから雄ちゃんが黙って手首をつかんだ。
そのまま何も言わずにずいずい引っ張って歩き始める。
なにすんのよ・・・・って思ったけど
声にはならない。
一言もしゃべらずに雄ちゃんはあたしを引っ張って
車の助手席のドアを開けた。
なんだ、近くまで車で来てたのか・・・
「乗れ。」
ためらってると
「早く。」
ぐいとシートに押し込まれた。
「閉めるぞ。ベルトしろ。」
ばたんと閉めて、雄ちゃんは運転席へ。
一瞬降りてやろうかと思ったけど・・・
やめた。
雄ちゃんはそのまま車を走らせて
あたしの部屋とは全然違う方角へ向かっている。
どこへ行くつもりだろうって思いながら
ふと時計が目に入った。
15:36
へ?
あたしは休み取って学校出てきたけど
雄ちゃん、まだ勤務中では・・・?
「学校は?」
「年休もらった。」
・・・・・・・・・
「だからこのまま一緒にいられるぜ。」
そういうと、雄ちゃんはいたずらっ子のように笑った。
「まったくお前はしゃーないやつ。
こんなに心配ばっかりさせるやつ
見たことねーぞ。」
いやいや、心配かけてるのは
あたしだけですか?
それに・・・
この辺来たこと無いとこだけど・・・
「どこに行くの?」
「いいとこ。着いてからのお楽しみ。」
そういうと、あたしにピースした。




