ライバル出現?②
チャイムが鳴る前に教室に戻らなきゃいけない。
そう思ってタオルを顔から離した。
鏡で見ると、目が真っ赤。
目薬で治るかな・・・
あまり治らないけど・・・
仕方がない。もう行かなきゃ・・・
更衣室から出ると音楽室へ。
廊下を歩いていると、
雄ちゃんにまとわりついた川上先生。
嬉しそうに雄ちゃんを見上げて
何か話しながらこっちに歩いてくる。
引き返すのは不自然・・・
仕方ないからそのまますれ違う。
「おい!どうしたんだ?」
雄ちゃんがあたしの顔見て言ったけど
「それでねー、先輩!」
雄ちゃんの袖を引っ張る川上先生。
いつまでもやってなさい!
また、涙があふれそうになったけど
振り返らずにそのまま音楽室に行った。
音楽なんてとてもじゃないけどやれる気分じゃなかった。
プロ失格といわれようと
生身の人間です。許してください。
今日は、オーケストラの鑑賞。
ビデオを再生して、モーツアルトの曲を聴かせた。
モーツアルトは性格の明るい人だったらしい。
楽しくなる曲が多く残されているような気がする。
あーあ、でも、今日は効かないや・・・・
ビデオ見て感想書いて、発表して授業を終えた。
アイネクライネナハトムジークも元気をくれなかった。
いつもなら踊りたくなるのに。
5時間目が終わると教頭先生に、
「何だかめまいがするので帰ります。」
と休みをもらうと、誰も職員室に帰ってくる前に
速攻で学校を出た。
家に帰って、おふろに入って、もう寝よう。
寄り道もせず急いで部屋に帰ると
お風呂にお湯を入れて入った。
まだ外は明るいから変な感じ。
お風呂でぼーーっとしてると
つーーーーーーーーーーっと涙が。
涙はストレスを流すという。
今日は我慢しなくてもいいや。
涙はいつまでたっても止まらない。
止まるまでこのままでいよう・・・・・
お風呂から上がると
ご飯も食べずに眠ってしまった。
その間、携帯は電源を切り、電気も消して
誰か来たみたいだけど知らん顔して
朝まで眠った。
悪夢でも見るかと思ったけど
胸の奥が痛くて重いだけで
夢も見なかった。
朝が来て、学校に行ったけど
音楽室に引きこもり。
携帯に着信はあったけど、知らない・・・
雄ちゃんには相変わらず
川上先生がくっついてる。
まずいことに産休の先生は5年生だったのだ。
あたしは雄ちゃんを信じているけど
だけどそんなに強くはなかった。
悪気はないのかもしれないけど
あたしには耐えられなかった。
なんであたしが雄ちゃんを避けなきゃいけないのか
って思うけど。
「まだ体調が良くないので・・・」
ってまた今日も早引きした。
『仕事、やめたいな・・・』
初めて、そんなこと思った。
あんなにあこがれて、頑張ってなった先生なのに。
駅まで歩く途中に川がある。
橋の上でちょっと立ち止まる。
向こうから葉っぱが浮いたり沈んだりしながら
流れてくるのをじっと見ていた。
なんか、ふらふら頼りなげで今のあたしみたい。
「雄ちゃんのバカ!」
ついつぶやいてしまった。
「誰がバカだって?」
え?
振り返ると・・・
雄ちゃんが、腕くんで後ろに立っている。
なんで・・・




